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オンライン日本語教師は稼げるのか問題

はい、もうこの話題ずっと何年も定期的にあがってくるので聞き飽きたネタだと思いますが、2024年の年明け、しつこく書いてみたいと思います。なぜかというとSNS、ネット上で今だに時々「私はオンライン日本語教師で〇〇万円の収入があります。あなたもオンラインで稼いでみませんか!」などの記事を見かけるからです。今さら古いですけどね、正直。でもこれから日本語をオンラインで教えてみたいと思っていらっしゃる方に、何かひっかかるといいなぁと思ってこのテーマにしました。

今回私が書きたいことはたった1つ。
「数字マジックには惑わされない」これです。

まず最初は「稼げる」とは?ですが、これは本当に人によって様々だと思います。人はいったいいくら以上の収入で「私はこの仕事で稼いでる」と思うのでしょうか。日本語教師の仕事をメインでしているか、副業でやってるかで当然違ってくるでしょうし、住んでる場所・国によっても大きな差はあるはずです。40~50万円?20万円?副業だから10万円?日本で結婚してる人は扶養控除もあるので制限されている人もいるかもしれません。もちろん仕事をする以上誰だってある程度のお金は欲しいですが、ご自身の状況によってこれは違うので、安易に「稼ぐ」ワードに飛びつかないようにしたいものです。

そして次に問題の数字マジックです。これは何かというと、もうみなさんお気づきだと思いますが、為替問題がからんできます。もしあなたが見かけた「オンライン日本語教師は稼げる」の記事の人が海外在住で、収入を日本円で表示していたら、ずばりそれは円安だから高く見えるだけです。その人の国では実はその収入金額は普通かもしれません。でも私たちはその国の物価のことも、平均賃金のことも知りませんから、単純に数字だけ見て「すごい!」って思ってしまうわけです。まぁ逆に言えば円高の状況で公開していたら信憑性はあるかもしれません。

私はフランスに住み、こちらで収入を申告していますから他の国の状況は全く知りません。試しにこの国の賃金状況を書いてみます。これにあたって過去の自分のnote記事を探してて驚きました。2020年にフランスの国で定められている最低賃金について書いたときは、なんと1ユーロ126円計算で、税込み1539ユーロ程度、当時のレートで15万円ちょっとです。

それが2024年の現在、1ユーロは157円くらい。ここまで円安になっていたとは・・今年の国で定められた最低賃金は税込みで1766ユーロ、278000円です。(手取りで22万円くらい)時給でも手取り1450円くらいです。たった3~4年でこの差!

この最低賃金で働いてる人の代表例がフランスでは例えばスーパーのレジやFastFoodで働いてる人、労働者系、家事や掃除を手伝ったりベビーシッターなどの仕事も該当するようです。日本にいらっしゃる方はこの金額を多いと感じるでしょうか?東京の最低賃金は2023年度で1113円とのことなので、数字だけ見るとフランスの金額は多いように見えますが、これは円安のためにそう思えるだけで実際に物価の高いフランスではほぼ同じ肌感です。

オンラインで日本語を教えたいと思った場合、まっさきに思いつくのが、既存のいわゆる先生と生徒が登録してレッスンを行うプラットフォームだと思いますが、ここでの支払いはすべてドルだと思うので、今度はドルの為替も関係してきます。

オンライン日本語教師で稼いでます!とご自分で言うのはもちろん自由です。ただやっかいなのは、だいたいがそのあとセミナーとかまぁいろいろなものに誘ってくるパターンじゃないかなって思います。参加するのはもちろんご自身の判断ですし、本当に素敵なノウハウが聞けるのかもしれません。でもよく言うように甘い話には何かある・・・を忘れてはいけません。

結局は他人の収入は気にしない(見ない)、自分でコツコツやる・・これしかないと思います。私はフランスの物価、この国のオンラインレッスンの平均単価をチェックし(オンラインじゃない場合はその地域の物価もあります。パリと田舎では違いますしね)値段を設定しています。

これからオンライン日本語教師になりたいみなさんも、お住いの国の市場だけを考えて、他所の国に住んでいる他所の人の話は鵜呑みにしないようにしましょう。そしてみなさんの中で目標収入を達成したときに「私って稼げてるじゃん」これでいいと思います。


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