おいしい桃を探す

去年から、スーパーでおいしい桃を探すことを、夏のささやかな楽しみにしている。甘酸っぱい、ちょうどよい甘さの桃を手にするのは、なかなか難しい。

よく行くスーパーでは二種類の桃がある。黄色い桃と白い桃。ペッシュ・ジョーンと呼ばれる黄色い桃は、私の選び方が悪いのか、いくらか手に取ってみたが、それはどうしても酸味が強かった。それに比べ、ペッシュ・ブランシュと呼ばれる白い桃は、甘い味が多い印象だ。

おいしい桃を選ぶコツとすれば、手に取ったときに、少し柔らかみのあるものを選ぶというシンプルな方法だ。ここで気をつけることは、色に惑わされないこととあまりにも柔らかすぎる桃を選ばないことだ。

きれいな色だからとついついその美しさに惹かれて買ってしまって、後でそれが硬いことに気づくことはこれまで多々あった。ここでの対策は、しばらく時間をおいて、桃が熟してから食べることだが、部屋に桃があるのに食べられないという状況は、そうそう耐えられることではない。

あまりにも柔らかい桃は、たいていの場合は、少し腐りはじめているか、もしくは他の客が桃を強く握りすぎたためであるだろう。そういった桃は、避けなければならない。

選び抜かれた桃を冷やしてから食べると、夏の熱気で火照った体に、その甘酸っぱい冷たさがよく染みわたる。この瞬間どこか、懐かしさを感じるのはどうしてだろうか。子どもの頃に、特段食べていたというわけではない。おそらく、その桃自体がもつ懐かしさがそこにはある。スイカとはまた別の味の思い出があるんだろう。

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