お友達へ

わたしが元彼と別れた時
1人ではもう抱えきれないくらい寂しくて、
友人Aに電話をした。

涙でいっぱいいっぱいで、
伝えるのにもかなり時間がかかったが、
ずっと寄り添って、優しく聞いてくれた。

こんなにしんどくて、辛くて、辛くて、
悲しい思いをするなら、
恋愛なんてって、
少し自暴自棄の感情がわたしの中で積もった。

けれど、その時のわたしのトゲトゲした冷たい心を彼女の一言がゆっくりと溶かした。


「あなたがそんだけ辛くて悲しいって思いを
持てたってことは、
そんだけ本気で、その人に
向き合ってたってことやし、
そんな経験できることはすごいことなんやで。
そんだけ1人の人に真剣に向き合えたその気持ちを
大切にせなあかん。」

と彼女は言った。



あぁ、なんて綺麗な感情の捉え方なんだろうと思った。
悲しみという負の感情で括り上げてしまっていた
こと自体が陳腐で、自分を酷く恥じた。

わたしは、彼女のこういうところが好きだ。
わたしとは違った角度から、優しさと、
ときには愛のある辛辣さでしなやかにわたしを救ってくれる。

「ありがとう」
と心の底から出たことばは、嗚咽したようなその時のわたしの拙い伝え方で
電話越しの
彼女にちゃんと伝わっただろうか…。

もし、伝わってなくても
もう一度、いや何度でも彼女に
ありがとうと伝えたい。

多分、え、そんなん言うたっけ?
忘れたわ〜と
彼女はケロっとした表情で笑って言うだろうな。

さんきゅー、マイベスフレ。
愛を込めて。

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