UMIT BENANのダブルカラージャケット

約10年前、私が学生の頃でしょうか。
華麗なモードの世界に憧れていた当時、どうやって着たらいいかもわからないブランドものの服をクレジットカードで分割購入していた時代。

当時からクラシカルなスタイルが好きだった私は、Casely-HayfordやM's braqueといったブランドのファンであり、その美しい服をいつか着たいと妄想しておりました。

そんな流れの中で知ったのがUMIT BENAN(ウミット・ベナン)。
大学の授業中、ファッションメディアのニュースフィードをひたすらスクロールしている中に、Trussardi(トラサルディ)のクリエイティブディレクターに就任したというニュースを発見し、私の嗜好にドンピシャすぎたその世界観に一気に引き込まれたのを覚えています。

しかしながら20歳そこそこの若者にはスタイル的にも金銭的にも早すぎるブランドであるとわかっていたので、その大きな波に乗ろうとは全く思わず、ただただ波の上をプカプカと浮かんでいたのも懐かしい思い出です。

そんなUMIT BENANですが、YouTube(Kのファッション部屋)で久々にその名前を聞いたのでググってみたら、らしい雰囲気の服がたくさんラインナップされていて久しぶりに興奮。

ブランドページを片っ端から見ていくと、しばらくして見つけたのがこのダブルカラージャケットでした。

Double collar jacket - Umit benan

これは秀逸すぎる。
ラペルを寝かせた状態でもそれはそれで美しいラペルロールが強調されるし、内側のラペルの片方、もしくは両方を立てれば、かなり新鮮な見栄えのテーラードスタイルが完成してしまう。

全体のシルエットはクラシカルに仕上げているけれども、力の抜けた雰囲気で切れそうなジャケット。デニム＆スニーカー＆キャップといったスケーターっぽいラフなスタイリングにサラッと合わせたら強烈な存在感を発揮してくれそうな気がします。

そして、やたら高級感のある生地感だなと思ったら、それもそのはずのベビーキャメル100%。オンラインの画面越しでもわかるレベルの、見るからに吸い付くような生地感、生で触りたい。

46サイズ、在庫残ってるやんと思いながら金額を見てみたら、買い替えたいと思っている大型冷蔵庫を遥かに上回る金額ではありませんか。
高いだろうなーとは思っていたものの、4,400€ (9月15日 9:03 UTC ¥693495.00)なんて、完全に妄想の世界の存在ですね。

いやー、しかし、いいですねー。

過去のような勢いは見られないけれども、ブランドとしてのエッセンスを久々に感じることができて嬉しかった。