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お金大全2.0(お金のストーリー)

プロローグ:「お金が全然、足りません!」

「先生!助けて下さい!もうどうにもなりません!」

新宿の某シェアオフィスの応接室でスーツ姿の男が、ジーンズにTシャツというラフな格好の男になにやら泣き言を言っている。どうやら、Tシャツの方が先生という立場らしい。

「どうしましたスズキさん?落ち着いて。何があったか説明して下さい」
「どうしたもこうしたもないですよ!お金が全然、足りません!」
「ほう、お金が全然足りないんですね。どうしてそう思うんですか?」
「それは、その・・・お恥ずかしい話なんですが・・・」

スズキと呼ばれている男の話は概略、こうだった。

早く結婚して子宝に恵まれたのは良かったが、子供が2人同時に中学生になり、塾に通い始めた。2人とも私立の高校に進みたいという希望があり、可能性がある成績なので行かせてあげたい。

貯金はほぼなく、資産を殖やすために仮想通貨に投資をしたがうまく行かず、副業を始めたが全く稼げない。このままでは子供たちを希望の高校に行かせてあげられない。

家のローンも車のローンもまだまだ残っているのに、どんどんお金が減っていく。人生詰んだ。無理ぽ。

「なるほど、なかなか情報量が多いですが、概略はわかりました」
「どうにかなりますか?!先生!すぐに稼げる副業とか、教えて下さい!」
「うーん、お金について、かなり誤解があるようですね。わかりました。腰を据えて、順番にやっていきましょう」
「僕は急いでいるんです!お願いします!先生!金に糸目はつけません!」
「そのお金がないんでしょうに・・・そもそもお金とはですね・・・」

登場人物紹介

会社員スズキ:お金について考え始めた38歳のサラリーマン。妻と2人の子供がいて、いつもお金が足りないと感じている。

お金の先生:お金の専門家で、起業コンサルタント。設定上は安田ではないが、中身はほぼ安田。


はじめに

みなさんは「お金」という言葉から、何を思い浮かべますか?

きっとその答えは人によってさまざまですが、「生きていくために必要なもの」「あれば何でも買える」「ないと困る」くらいのイメージを持っているのが一般的でしょうか。

もしかしたら「考えたくもない」「汚いもの」「諸悪の根源」みたいな、ネガティブなイメージを持っている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

もしそれらのイメージが、全て間違いだとしたら?ちょっと面白いと思いませんか?お金について知ることで、世界の見え方が少し変わるかもしれませんよ。

お金は当たり前と思えるくらいいつも身の回りにありながら、意外とその本質は知られていません。知らないことで、ありえないような詐欺で騙されたり、間違った判断をしてしまう人が跡を絶ちません。

「誰もが自由で、好奇心あふれる生き方ができる世界を創る」ためには、お金の教育が必要だと思うんです。

申し遅れました。『信用の器 フラスコ』代表、安田修と申します。『お金が増えるノート術』『お金の真実』というお金に関する2冊(それ以外のテーマも含めると6冊)の本の著者でもあります。

僕は幼い頃からお金に興味があり、北海道大学経済学部を卒業。日本生命保険相互会社という日本を代表する金融機関に就職し、15年という長い間そこで働いていました。

保険会社が金融機関というのは、意外と知られていないかもしれませんね。日本生命は日本最大の機関投資家で、お預かりした保険料の総額は50兆円を超え、それを様々な手段で運用しているんです。

その対象は国債を買ったり、株や不動産、融資に海外投資と幅広く、また長期的な視点で運用できるから面白い、と思って選んだ会社です。

そのうち10年以上は投資・融資関係の仕事をしていましたし、個人としても株式投資で全財産を失いそうになったり、何千万円も借金をして不動産投資をした経験があります。証券アナリスト、中小企業診断士、AFPといった資格も取得しました(いずれも今は更新しておらず、失効)。

そうやって経験を積み、知れば知るほどお金というのは不思議だなあと思うのです。1万円札に1万円の価値があることすら、僕には不思議で仕方ありません。

その「お金の不思議」を、この「本」で少しでも解き明かすことができたら。これを読むことをきっかけに自由で好奇心あふれる人生を歩みだす人が1人でも増えたら。そんな想いで書きました。

ではこれから、お金を巡る冒険に出発しましょう。

【注意】
以前公開した有料note記事『お金大全』にストーリーを追加し、本文にも加筆修正したアップデートバージョンです。ここから先は有料コンテンツとなりますが、各種キャンペーンなどに登録して頂いた方向けに無料公開されることがあります。また、内容は事前の通知なく適宜更新されることがあります。あらかじめ、ご了承下さい。

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