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続・ある日のゆるきち(夏の終わり)

ここ一年ほど、日曜日はお昼になったらDiscordを起動します。

オンラインゲームなどで使われるらしいこのアプリを自分が使うのは、ゆるきちとつなぐためです。

ゆるきちは中高生のための居場所。

リアルで参加していた日々ももはや遠く、ここのところはもっぱらオンライン参加です。

↓こんな感じ。

オンライン越しにメンバーと「最近大学どう?対面になった?」「いや〜後期もオンライン中心らしくて」などと話していると、子どもたちがやってきます。

「こんにちは〜」と声をかけてみたり、なんとなくこっちを見たかな、というときに手を振ってみたり。
気づかれないときも、「かおりさん!お願いがあるんですけど!」「かおり先生、このマンガ7巻だけないよ」などと話しかけられるときも、リアルにいるメンバーと話しているからそれをただ聞いているだけのときも、たまに会話に突っ込んだりも、いろいろあります。

ただ、やっぱりオンラインなので。
今日ネットが遅いなって日もあるし、お互いに映像が固まってしまったり、最初の言葉が抜け落ちていたのでトンチンカンな返答を言ったりもあります。

ただ、半年かけてそれを「そういうもの」として、参加する子どもも、ゆるきちにいるメンバーも、そしてオンラインメンバーの自分ものみこんできた気がします。

このコロナ禍になってからいろいろと発展したオンライン。
しかし、利用者の子ども側にはちょっと大変なんだろうな、と感じていました。

というのも、発言を聞き返されたり、うまく伝わらなかったらもう一度言い直したり、など、子どもの方が気を遣わなければならないからです。

利用者の子どもはけっこうのびのびとゆるきちで過ごしていますが、そこに気を遣わなくちゃいけない「オンラインの人」がいるのはすっごくストレス!でないまでも、ちょっとストレス、くらいにはなるような。

まあ、でも、基本的にこっちはこっちでゲームしたり絵描いたり勉強したり料理したりして好きに過ごしているので、放っておいてもらっていいのよ。
よっぽど暇なときに話しかけてね。

そう伝え続けても、なかなか納得するのは難しいんだろうな、と思います。

そして実際、今日は一日、全然話しかけられなかったなとか相手してもらえなかったなって日もあります。
オンラインのメンバー側も、放っておかれても平気で、でも一応ずっとつながっていることも平気で、たまに呼ばれることもあるので聞いていないといけなくて、というのが大丈夫にならないといけないという。

ま、何事も慣れます。

夏の終わりの一日も、そういう感じの日、午後から2時間ほど、のんびりスペースで勉強をする子と一緒に数学をやりました。

自分はなぜか、別の利用者の子に「この数学の問題を解いてください!」と言われた数学をやりました。「わからないから解いて教えてください」ではなく、「この問題解けますか!?」と難しい図形問題を。

Discordの画面に映されたものをスクショした数学の問題はとっても見にくくて四苦八苦しましたが、なんとか解いたものの、そういえば答え見せてもらってないからいまだに丸つけができないんだけども。どうしたらええねんこれ。

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休憩しておしゃべりをしていると、他の利用者の子たちも入ってきたり(別々の部屋から、タブレットで同じDiscord内の場所に集まってお話しをしたり)。

夕飯の準備をしに離脱すると、ゆるきちの子たちはすっかりリアルのメンバーと話してくつろぎモード。今日はあとは、つないでいるだけで話しかけられないかもな〜と思っていると、なんだか画面の向こうが慌ただしくなりました。

ソファを移動したり、なにやらビニールを広げたり。
なんだろう?と思いつつ画面には映らないところで洗い物をしていると。

「かおり先生!すいか割りするよ〜!」

と声をかけられました。

そう、すいか割りがしたい!と言った子たちが先週いたのを思い出しました。どうやら実行されるらしい。

それから30分ほど、すいか割り大会が開かれるのを見ていました(笑)。
「ほら立派なすいかだよ〜」と見せてくれたり、目隠しを装着した姿をじゃん!と見せてくれたり。

俯瞰で見ていて、みんなお互いにソーシャルディスタンスを取るので、すいかを中心とした円心状にディスタンス取っててちょっと面白かったです。

もちろん自分はオンラインなので参加できないんですが。すいか食べたかったな……。

なんとなく、それでも「これからやるよ!」と声をかけられたのはなんだかうれしい。
一年続けることで、「ここにいつもいるよ」感はオンラインでも出せるようになったのかもしれませんね。

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