フランス留学 最終日

私の気持ちを長々と書いているので、見にくいです🤲🏻💦

駆け抜けた一年だった。

走り続けた一年。身も心も一回り二回り大きくなっていま日本へのフライトに搭乗した。
最初はフランスでの生活に怯えて何もかも不安だった。友達ができるのかも、家族とうまくやっていけるのかも、学校とも留学生とも不安は数えきれないほどあって、大きなことから細かいことまで考え出したら止まらなかった。出国前のあのなんとも言えない緊張感、でもまだフランスへ旅立つ実感が湧いてこない矛盾。空港で1人で飛行機に乗って手を振る家族や友達などを振り返ると自分は今から1人なんだと感じてものすごく怖かった。
いままで想像していた留学というものへの理想、そんなものは最初から壊して1から自分で私のフランス留学の色を塗っていった。私は日本と全く違うフランスの日常に毎日少しずつでも確実に溶け込んでいった。そういった生活の中で日本の良さ、素晴らしさにも気づくことができて、日本人としての誇りも芽生えた。日本のことが好きなフランス人もたくさんいた。まるで映画のシーンを切り抜いたようなフランス生活の毎日。
真新しい部屋、家族、人間関係、慣れないしょっぱい味、量の多いランチ、お風呂のないシャワー室、知らない植物、薔薇の香りの香水、聞き取れないフランス語。そんな新しい発見とカルチャーのショックのたびに私の胸はときめいた。私はいまフランスにいる!って世界中の人に叫びたかったし、心の底から幸せだった。こんなことも、これも、このご飯も、全部日本にはないんだよ!こんな文化がフランスにはあるんだよ!という抑えきれない興奮を最初は英語とつたないフランス語でホストファミリーに報告していた。びっくりするたびに心臓がどくどくと波打って、私は私の人生を歩いているとそう実感できた毎日だった。
初めてフランス語で水をくださいと注文できた日。初めての登校日で前の席の双子ちゃんに勇気を出して声をかけた日。ブラジル、メキシコなどのラテンカルチャーを持つ留学生との会話にずっと目を丸くしていたお泊まり会。エスカルゴを食べてみた日。南フランスの海を泳いだ日。ホストファミリーを変えた日。フランス語がうまくいかなくて涙した日。 そして今、私はフランスを離れる。新世界の中で毎日に名前をつけて賞を受賞できるほど、一日一日が私が精一杯に頑張った宝物だ。怖いとか恥ずかしいとか、そんな感情でさえも私を大きく飛躍させてくれる武器に克服できた。自分の意思を持って、自分の選択で、フランス生活を全うしたと思う。親友と呼べる友達が何人もできて、心からお互いを見つめ合うそんな時間も過ごした。一人一人がお互いの国からフランスにくる事情があって、互いに頑張っている。それぞれで問題があってちゃんと自分で解決している。私たちはもうだんだんと大人に近づいている。
最後のお別れの日、空港。肩組んでおいおいと泣いた。このまま腕を解くと彼らはもう2度と会えなくなるのではないかと、そんなことが現実になってほしくなかった。いままででもたくさん泣いたし、ちゃんとした感謝をしたかったから泣きたくなかった。でもハグをした途端抑えきれないくらいのたくさんの思い出と感情と感謝が溢れた。私はたくさんのいい人に恵まれた。もう終わりだってわかってるのに、知っているのに、どこかまだいままでの自分は理解していなかったようだ。大好きなフランス。私の第二の家フランス。目を瞑ったらまだフランスの景色がでてくる。ここで教わったこと、出会った友達、飛行機が旅立つ時、何かとても大きなものから離れていく感覚があった。日本を離れた日とフランスを発つ今日はまるで一つの線で繋がってるみたいに本当に一瞬の出来事だった。少し前にいった旅行とか、その時に見た夕日とか、みんなでテーブルを囲んでバーベキューをした日とか、本当に何秒前が前みたいに鮮明に覚えていて、頑張ればなんかその時に戻れるような気持ちになる。
私を大きく成長させてくれた、留学生、フランスのクラスメイト、ホストファミリー。また明日にでも会えそうなそんな不思議な感覚。明日私は東京にいて、もう1万キロも離れる。私の魂の分身のような仲間たちはまた世界中人ばらばらに散らばっていく。悲しいようなでも誇らしいような。気持ちは一つに固まらなかった。みんなで泣いたあの夜が、みんなで見たあの日の入りの夕日が、一歩勇気を出した瞬間が、あの胸のときめいた瞬間瞬間が私の血となり肉となり、今日本へ旅立つ。
昔の小さかった私はいない。彼女は思い出と共に私の心の中でアルバムになって、いま私はそれらを抱きしめる。思い出せないくらいの前の自分の思い出も勇気も悲しさも悔しさも、どんな感情も私を支えてくれた。足のつかない海で泳いでいた私の光になって先を示してくれた、過去の自分、日本の友達家族、全ての人、ものに感謝しても仕切れない。

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