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たこ焼き片手に『EIGHT-JAM FES』

友人のeighter(SUPER EIGHTのファン)に『EIGHT-JAM FES』に誘われ、気軽な気持ちでノコノコと、さいたまスーパーアリーナを訪れた。

音楽バラエティー番組「EIGHT-JAM」が主催する3日間のフェスで、私は2日目に参戦した。参加アーティストは「打首獄門同行会」「Perfume」「石崎ひゅーい」「いきものががり」「SUPER EIGHT」。めちゃくちゃ豪華。

物販や屋台、DJブースも既に多くの人で賑わっており、フェス感を味わう。今回のフェスTシャツを着ている人もいれば、各アーテイストのTシャツを着ている人もいて、音楽が、アーティストが好きな人が集まっていることを改めて感じる。

鮮やかな青色の「BUNBUN SUIBUN」というTシャツを着ている人がいて、打首獄門同行会の同曲名が記載されているものだと気付く。うん、夏場は水分大事。

さて、二次元アイドルオタクをやっていたおかげで、ペンライト大好き人間になった私。もしグッズでペンラ販売があったら絶対買うと心に決めていたが、販売はなかった。まぁ、フェスですし。フェスと言えばタオル片手にプチャヘンザするのがお決まりですし。知らんけど。

友人のeighterはそんな私の気持ちを察してか、会場に着くなりペンライトを貸してくれた。嬉しい、ありがとう。どんなペンラかしら。

たこ焼き……?

しかも光った……。

本noteは「SUPER EIGHT」のライブどころかフェスすらも初参戦のアラサーが、光るたこ焼き片手に『EIGHT-JAM FES』を満喫した記録である。


開会宣言

開会前に友人のeighterにSUPER EIGHTのメンバーカラーを教えてもらい、安田君のメンカラである青を灯すことにした。音楽番組で見たときの歌声とギターが好きだったので。しかし、青く光るたこ焼きは初めて見た気がする。

フェスは丸山君の元気な開会宣言で幕を開けた。宣言がなされる前に幾度となくわちゃわちゃがあったが、SUPER EIGHTの人柄とかグループのあったかい雰囲気とかが伝わってきて、とても良かった。

打首獄門同好会

トップバッターは打首獄門同行会。ジムでよく聴いていたので、ほとんどの曲になじみがある。1曲目から「筋肉マイフレンド」歌ってくれるのありがたい。間奏でファンにスクワットさせるの、本当だったんだね。早めにやっとかないと、後半だとみんな疲れてスクワットどころじゃなくなるもんね。1曲目なのも頷けるね。

中盤の「なつのうた」から「BUNBUN SUIBUN」のセトリが大変素晴らしかった。開場前に見た、例のTシャツからによる伏線回収に感動し、あのとき「BUNBUN SUIBUN」をお召しになっていたファンに勝手に感謝した。

会場で「あつい!」「あつい!」「さむい!」「あつい!」と叫べたのが楽しかったし、「水分!」「水分!」「水分!」から満を持しての「塩分!」もとても良い。みんなで叫ぼう「塩分!」。

SUPER EIGHTとのコラボ曲は「カンガルーはどこに行ったのか」。哲学的なのかどうなのかよく分からないが、カエルくんが考えすぎて病まないかが心配になった。

個人的には、大好きな「日本の米は世界一」が聴けてとても嬉しかった。打首獄門同行会の会長が、「ラストは必ずこの曲」と言っていて、そんなの絶対楽しいやん……。

そのせいか、一人だけ変なところでそれも結構な音量で「米!」と叫んでしまい、思わず口をつぐんだ。誰にも気づかれていないことを切に願う。そして次の機会があれば、ぜひリベンジしたい。

燦然と輝く手元のペンラを見て、たこ焼きをおかずにお米を食べることができるのか、ふと気になった。

Perfume

続いては、みんな大好きPerfume。1曲目から「ポリリズム」披露してくれるの圧倒的感謝……!橋本図書館で勉強しながら、Walkmanで延々とリピートしてたよ……!

Perfume、なんとアジアライブツアーの真っ最中。『EIGHT-JAM FES』に出演するために帰国したという。そして日本でのライブ初披露の曲「THE LIGHT」も披露してくれた。

どの曲もダンスがしなやかでかろやかで美しい。毎日の努力に裏付けされたパフォーマンスであることが分かる。同じ振り付けを私がやろうものなら、間違いなく3秒弱で身体のどこかが吊る。運動不足のアラサーなめんな。

今回、私の座席は2階後方だったのだが、モニター越しでなくても3人の動きが理解できることに驚いた。身体の動きひとつひとつが洗練されていて無駄がない。

さらに彼女たちの動きにあわせて揺れる衣装が、彼女たちの存在感を強固にしているように感じるし、彼女たちもどんな動きをすれば衣装が一番華やかに綺麗に見えるのかわかっているような気もする。ゆえに、遠目からでもパフォーマンスをしっかり受け取れることができるのではないか。

感動しながらそんなことをと思っていたら、更に存在感の大きい人がきた。SUPER EIGHTのむーちゃん(村上君)とまーちゃん(丸山君)だった。Perfumeと同じ衣装を着た、大きい人(物理)だ。

5人そろって「SUPER Perfume」が披露するのは、「ワンルーム・ディスコ」。新しい場所での期待と不安をキュートに歌った楽曲。

5人ともばちくそにかわいい。「買い物に出かけよ」の歌詞で、出かけるポーズで少し停止する姿が愛おしい。世の中のかわいいが全部ここに詰まってる。ペンライトを振りながら、小声で「かわよ」「かわよ」って言ってた。ただ、このペンラはたこ焼き部分の重心が思いから、ずっと振ってると筋肉痛になりそうだな。

Perfumeと一緒に声を出して踊る「P.T.A.」のコーナーでは「前向きスクリーム!」をサプライズ披露してフロアが爆沸きし(ただ、私は初見だったこともありロボットみたいな動きになった)、最後の「チョコレイト・ディスコ」ではみんなでめちゃくちゃにディスコした。どこかのMCで横山君がPerfumeに対して「好きになってしまうやろ~」って言ってたけど、たぶん会場にいた全員が同じ気持ちだったと思う。

石崎ひゅーい

時間が足りず、石崎ひゅーい氏のみ予習が間に合わなかった。予習ができていないことに不安を感じていたが、友人のEighterは過去の関ジャム主催フェスで石崎ひゅーい氏を見たことがあり、「石崎ひゅーいはペンラが大好きだから大丈夫だよ」と言ってくれた。私を安心させるための発言だと思うが、申し訳ないことに全く意味が分からなかった。

と思ったのもつかの間、その真意が分かることになる。彼はMCが始まるなり「ペンライト綺麗」「この光景で酒が飲める」「本当に綺麗」「ちょっと青色にしてみて」「自分のライブでもやろうかな」「綺麗だな~」「次の曲は白にしてもらっても良いですか」等、とにかくペンラが大好きな人だった。そんなこと言われたら、全力で希望の色でペンラ振っちゃうんだから……!

初めて聴く同氏の曲も多かったが、タイトルや歌詞から印象や風景が浮かんでくるような、様々な感情を丁寧に繊細に歌っているようなそんな曲の数々は、情緒めためた検定1級の私の感性にクリーンヒットした。こんな素敵な歌、泣いてしまうやろ。

特に印象的だったのは、青いペンライトで彩られた会場で歌い上げる「宇宙百景」。タイトルから名曲。そして実際にめちゃくちゃに素敵な歌で、宇宙を感じさせるような青い光が揺れるなか、情感たっぷりに歌い上げる瞬間に立ち会えるなんて、最高だった。

ただ、私の手元で光るのは青い光のたこ焼きなんだ。なんか申し訳ない気持ちになるが、ほかにもちょこちょこオレンジと黄色の光が見えて、目をこらすと同志のたこ焼きペンラ持ちと、ポンデライオンみたいなひまわりのペンラを持っている勢だった。仲間がいて良かった。まぁ、宇宙の光は青だけではないと思うので(たぶん)、リアル感を演出しているんだと思うことにした(たぶん)。

いきものがかり

青春といえばいきものがかり。いきものがかりと言えば青春。アオハルど真ん中のあの頃、勉強をしながら聴くのもいきものがかり。友達と行くカラオケで歌うのもいきものがかり。ちょっと気になる人と行くカラオケで歌うのもいきものがかり。合宿所の大部屋で深夜に大合唱するのもいきものがかり。卒業式に後輩に歌ってもらった曲もいきものがかり。いきものがかり is 青春。

そんな青春時代を共に過ごしたアーティストの歌を聴けるなんてフェスすごい。フェスありがとう。もはや語彙力どこかに旅立った。

1曲目の「ブルーバード」で心の中にいる高校生当時の私が狂喜乱舞したが、その後の「気まぐれロマンティック」が青春ど真ん中すぎて胸が苦しくなった。

この曲がリリースされた当時、ちょうどカラオケでMVが見れるようになったタイミングだった。サビで踊るボーカルの聖恵ちゃんがかわいくてかわいくて、カラオケに行くたびに選曲しては踊った記憶が蘇る。そういえば振り付けも覚えている。踊るしかねぇ!!!

「前向きスクリーム!」ではあんなにたどたどしくロボットのように踊っていた女(私)が、急にたこ焼き片手に快活に踊り始めたので、両隣にいた人(友人含む)はさぞビックリしたことだろう。すまんな。

タイトルに「sakura」を含む曲を聴くと、ペンライトをピンク色にする呪縛にかかっているオタクなので、聖恵ちゃんの歌い出しを聴いて速攻でペンラをピンク同系色に変える(たぶん紫色)。すると、友人のeighterが「ピンク色にした方が良いの?」と尋ねて、一緒にカチカチ色を変えてくれた。

そんな風にしてペンラの色を変えるeighterの人がたくさんいて、気付いたら会場はピンク一色になっていた。MCで聖恵ちゃんも「ピンク色にしてくれてありがとう」的なことを言ってくれて、とても素敵な空間だなぁと思った。

いきものがかりラストは「コイスルオトメ」。

感極まって泣いてしまった。それでも右手のたこ焼きだけは振り続けた。

SUPER EIGHT

開演から既に約4時間が経過しているが、そんなの関係ねぇ。そう言わんばかりの、SUPER EIGHTが出てきたときの大歓声。フェス主催者としての圧倒的な力。そして数々の経験を重ねてここに立っているアーティストとしての力。まさにスーパーだ……!

インストの後に流れた曲は「象」。恥ずかしながら今まで存じ上げなかった曲だが、とんでもなくロックなバンドナンバーで最高に格好良い。具体的なサーカスの「象」の描写から、だんだん視野が広がって自分ごとに感じてしまう歌詞の「独りきりじゃないよ」って台詞が刺さる。

「代表曲です!」と言って堂々披露したのは「ズッコケ男道」。

一緒に「イェイイェイイェイ」して「ブンブン」してとても楽しい。右手のたこ焼きも遠心力を利用して、しっかり「ブンブン」している。こんなにたこ焼きが正真正銘「光輝く」ライブがあるだろうか。ずっとたこ焼きと一緒にズッコケ男道したい気分になってくる。

この曲を皮切りに、知っている曲であろうがなかろうが、ただ無心に曲を楽しむフェーズに入ってしまった。これまで登場してきたアーティストが最高に盛り上げてからの、彼らの出番。私もテンションが高すぎて、ほぼ記憶がない。

正直ここまでは、自分がその曲を聴いてどんな感情になったのか割と記憶していた。だがここにきて、「楽しい」という感情が暴走列車のように先行し、あの会場の雰囲気と音楽の爆音がただただ目と耳に焼き付いている感じ。

横山君が何度も「知らない曲ばかりかと思いますが」「知らない曲ばかりって言って大きく頷いた人もいますが」「知らない曲だと思いますが」的な発言をしていたが、「知っているか/知らないか」はもはや大した問題ではないのでご安心いただきたい。むしろどんな曲だって一緒に楽しんでおりますので……!

フェスの楽しさって、こんな風に目の前の音楽に夢中になってがむしゃらに一緒に歌って身体を揺らして、会場の一体感を味わうことにある気がする。

記憶の糸を辿ると、初めて聴いた「未完成」という曲もとても好きになった。「未完成」っていうタイトルでこんなに希望溢れる歌があるのかと思った。「オモイダマ」は披露してくれないかなと期待して、あらかじめ予習した曲だった。歌い出しで歓声が上がった時に、その声の一員になれたのが嬉しかった。「大再生」はゴリゴリのラップ曲でびっくりした。最高にクール。ラストの「愛でした。」は本当に愛に包まれていたし、こんな幸せな空間にたこ焼き片手に参戦させてもらって本当に光栄なことだと思った。

ハライッパイ

アンコールを経て本当の本当にラストの曲は、打首獄門同行会提供の「ハライッパイ」。トップバッターを飾った同バンドが再び登場してSUPER EIGHTとセッションし、最高の盛り上がりを見せる。

同曲は、SUPER EIGHTの好きな食べ物をこれでもかと羅列して、「腹減ってんじゃない?」「いや、腹減ってんじゃない?」と煽ってくる。どんな曲だよ。

ここまで約5時間、ほぼノンストップで参戦してて、私たちお腹空いてるのよ。そんなに「ラーメン食べたいラーメン食べたいラーメン食べたいラーメン食べたいそうめん食べたい!」て言われるの、もはや若干の拷問なのよ。でもテンション高すぎてそれすらも楽しんじゃってる。

一方で数々のアーティストのパフォーマンスを浴びて、堪能して、味わって、気持ち的には満足度を意味する「ハライッパイ」。なんだこの矛盾した感情は?右手に携えた、このたこ焼きのせいなのか?

曲が終わり、大きな拍手のなかでフェスの幕が閉じる。同時に、私と盟友・たこ焼きペンラとの別れの時間でもある。

手汗でしっとりするそれを、ねぎらいの言葉を(心の中で)かけながら、ウェットティッシュで丁寧に拭く。最初は君の存在にびっくりしたけれど、おかげで最高に楽しめた。ありがとうたこ焼きペンラ。たこ焼きフォーエバー。友人のeighterにその気持ちをちょっとだけ伝えたら、若干引かれた。

さて、帰りは食欲がとんでもなかったので、家系ラーメンを食べて帰った。そこはたこ焼きじゃないんかと自分でもツッコミを入れたが、あれだけ「ラーメン食べたい」って言われたら仕方がない。

そんなこんなで、たこ焼き片手に初参戦したフェスは終わりを迎えた。とても楽しかったし、来年もぜひ足を運びたい。本当に最高の空間だった。

誘ってくれた友人のeighter、数々のアーティスト、主催のSUPER EIGHT、EIGHT-JAM、そしてたこ焼きのみなさんに感謝を伝え、この文章を締めくくることにする。


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