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お金の研修で新社会人の皆さんに寄せる想い


今週は毎日、新入社員となった方達へ、将来に向けたお金の話を担当しました。
毎年この時期は、高校・大学などを卒業した新社会人の皆さんが、ちょっと緊張しながらも背筋をぴんとして研修を受ける姿に「頑張って!」と心の中でエールを送っています。


入社したばかりなのに退職の話!?


さて、お金の話とは、企業の退職給付制度のことです。
会社に入ったばかりなのに、えっ!?もう退職金の話?と戸惑う人も多いと思っています。なので、「入ったばかりですが、大事なお金の話なので聞いてくださいね」と言って研修を始めます。

今は自分の退職時のお金は自分で運用する時代となってきました。
退職一時金や確定給付企業年金は会社にお任せしますが、確定拠出年金(企業型DC)は、自分で運用商品を選ばなければいけません。

最近は、すでに資産運用に興味を持っている人が少数ながらいます。「待ってました!」という顔をしてくれる人もいます。とはいえ、ほとんどの人は初めてであろう資産運用。
「どういう風に話せば身近に感じてもらえるだろう」と毎年話し方を工夫しています。

私の前に座っている新入社員さん達(最近はオンラインとのハイブリットも多い)は、自分の息子や知人の娘さんたちとほぼ同年代なので、やや語弊があるかもしれませんが、可愛くて仕方がありません。
なので、90分とか120分とかの短い時間ですが、何とか資産形成、資産運用に興味を持ってもらえるようにと必死になってしまうのです。 

「パッシブ(インデックス)運用やアクティブ運用は、高校や大学の何に例えるとわかりやすいだろうか?」
「長期投資は彼らの何に例えれば、イメージしやすいだろうか」
「債券や株式、リート、国内資産と外国資産の違いはどう言ったら身近に感じてもらえるだろうか?」
など、常に「身近に思えるわかりやすい例」は何かを考えて話します。

それに、世の中では物価上昇が悪のように捉えられていることもありますが、これから会社勤めをする人にとって、適度な物価上昇は経済にとっていかに大事か、またそれによって自分の資産がどうなるのか、そういった事は、せっかく縁あって時間を共有しているのだから、何とかしてわかってほしいと、いつも思っています。

これもやはり、自分の息子やお友達の子供さんと話してるような感覚だから来るのかもしれません。
研修が終わると、どっぷり疲れます。それでも、「ああ〜、なるほど」「へぇ」みたいな顔をしてくれたり、大きく頷いてくれる時は本当に嬉しいので、続けられるのです。

投資は少額からでいいので慣れるべし!


今回、いくつか行かせていただいた会社のなかで、「今日のお話で資産運用の基本はわかりましたが、もっと勉強してから投資したほうがいいですか」と言う質問がありました。
私からの答えは、「とにかく少額でもいいのでやってみて」。

私自身が投資を始めた頃に痛感したのは、「頭で思っている以上にリスクに耐えられない」ことです。

私はリスクの説明をするとき、いつもジェットコースターに例えます。実際に投資してみると、自分のお金が増えても減っても、結構ドキドキするものです。まさにジェットコースターに乗る前に、「あんな風に揺れて上下するんだな」とわかっていても、いざ乗ると声も出ないくらい怖いことがある。まさに投資と似ています。
ですが、ジェットコースターなら到着地点が決まっているので、怖い思いに耐えれば元の場所に戻ってこられます。しかし、投資は到着地点がわからない。どこに行くかわからないのに上下移動して進むのですから、怖くて当たり前だと思いませんか?
だからこそ、はじめのうちは、小さい子が乗るような緩やかなジェットコースターのように、値動きが大きくならない方法で、少額からするのが良いと思うのです。

企業型DCなら、毎月の積立金はそれほど大きくないことが多いので、そこで投資信託の値動きに慣れるのがいいと思います。
ただし、企業型DCで会社が拠出してくれる場合は、自分の財布から出しているわけではないし、原則60歳まで続く長い道のりのため、新入社員にとっては主体性を持って資産運用に取り組むという姿勢になりにくいもの。

なので、例えばNISA口座を作って、お給料のうち毎月1000円でもいいので、自分のお金がどのような動きをするのかを体験してもらうといいと思います。

投資をすると世の中の動きがわかるようになる

お客様から「投資を始めると、これまで気にならなかった国の政策や経済のことなどが気になり始めた」と言われることがよくあります。

新入社員さんが投資を始めることの良いことに、上記のようなことがあると私は思っています。投資をすれば、世の中の動きが気になり知見が広がるのです。そうすると、取引先での会話にも幅が出てきます。

そういえば、新入社員さんから「資産運用の正しい情報はどこから入手できますかと聞かれました。
とても良い質問で、私は金融庁や金融広報委員会、日本証券業協会といった公的な、また公的に近いような機関から正しい情報を仕入れることをお勧めしました。1・2年前くらいから、厚労省、金融庁、国税庁、その他関係機関から、投資の事だけではなく、年金のことや税金の事、投資の事などわかりやすいサイトや動画がどんどん出ていて、さらに改良されています。
「興味のあるところからでもいいから、そういった情報をせっかくなので使ってみて!」
ブログやYouTubeなんかで調べることもできますが、正しいことを言っていることもあればそうじゃないこともあります。
相談に来てくれた新入社員さんは、「ブログやYouTubeではない正しい情報の取り方」に共感してくれたようで、大きく覗いて「調べてみます!」と言ってくれました。

勝手な親心です

これから社会人として、自分自身も頑張って働いていくのだから、お金にも働いてもらって、インフレリスクに負けない安心した生活を送ってほしいです。
それに、投資を通して社会や経済のことなどに関心を持てれば、そこから知識も広がり、きっと日ごろの仕事にも、これからのキャリアにも活かせると思うのです。

何事にも精力的に取り組んで、楽しい人生にしていってほしいです。親目線より。

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