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ポンド買いチャンス!?記録的なポンド急落など大混乱の責任を取りトラス首相スピード辞任

先月就任したばかりのイギリスのリズ・トラス首相が、突如辞任を表明。9月6日に就任してから45日しか経っておらず、イギリス首相の中で史上最も短い在任期間となる見通しです。

就任間もなくして、大規模減税を柱とする経済対策を発表したところ、財政悪化の懸念から、歴史的なポンド安になるなど金融市場は大混乱となりました。結局、発表した減税政策をほぼすべて撤回するなどしましたが、信頼回復には至らず、責任を取る形で退陣に追い込まれました。

さて、次期首相ですが、有力候補といわれているのはジョンソン政権で財務相だったリシ・スナク氏。ただ、国民がインフレに苦しんでいるなか、莫大な個人資産を持っていることがマイナスに働いているといいます。

また、なんと辞任からわずか3ヵ月半のボリス・ジョンソン前首相の名前も挙がっています。新型コロナの自粛期間中に、官邸でパーティーを行っていたことなどが発覚し、辞任に追い込まれた前首相ですが、現在のところスナク氏を上回る支持を得ているようです。

トラス首相の辞任表明により政治不安が払拭されたのと同時に新政府への期待からポンドが買い戻されていますが、元に戻っただけで経済成長に対する不透明感が解消されたわけではありません。しばらくはイギリスの政局動向から目が離せませんね。

ボラティリティーの高いポンドは殺人通貨?

ちなみにポンド円と検索をしたら「ポンド円 死亡」という関連キーワードが表示されますヽ(; ゚д゚)ノ !! 先月の急落で退場させられた人もかなりいそう…。(これを読んでいる方が無事でありますように!)

ポンドドルやポンド円は、ボラティリティー(変動率)が高い分だけ大きなリターンを狙いやすいということで人気の通貨ペアですが、リターンとリスクは表裏一体であることを忘れてはいけません。

ポンドに限らず期待リターンが大きいトレードほど、トレーダーの生存率は低くなり、新参者はすぐに退場させられます。ただ、それは投資対象に問題があるのではありません。リスク管理のルールを持たないトレーダー側に問題があるのです。

そもそもボラティリティーは利益の源泉であり、真面目なトレーダーにとっては利益獲得の機会が多い(=ボラティリティーが高い)ことはメリットでもあります。

ポンドなどボラティリティーが高い投資対象をトレードするなら(もしくは、一時的にでもボラティリティーが高い相場局面でトレードするなら)、リスク管理を厳格にすることは大前提です。

PS
精神分析医であり世界的プロトレーダーのアレキサンダー・エルダー博士は、書籍『ザ・トレーディング』のなかでトレーダーが犯す最悪の間違いとして次の2つを挙げています。

1つ目は損切り注文を出さないでトレードすること、2つ目は口座の資金に比べて相対的に過大なサイズのトレードを行うことです。

書籍『ザ・トレーディング』より

どちらも一発で相場から退場させられる事態になりかねない行為であり、わずかでもその可能性があるトレードはまったくリスク管理をしていないのと同義です。

もし、明確なリスク管理のルールがないままにトレードしてしまっているという方は、今すぐルールを作り、それを遵守する方法を学びましょう。

書籍『ザ・トレーディング』

ちなみに『ザ・トレーディング』の第9章に具体的なルールも含めリスク管理について詳細に書かれてありますので、参考にしてみてください。「リスク管理の二大ルール(第9章・第50〜51 節)」をそのまま採用するのでもいいでしょう。

トレーディングが高所の綱渡りのように危険な行為であるのなら、安全
のために綱の下にネットを張っておく必要があります。滑って足を踏み外
しても、床に叩きつけられないように安全網が救ってくれるでしょう。

安全網は1つよりも2つあれば、なおよいことになります。転落したとき
に1つ目の安全網をつかみ損ねても、次の安全網が守ってくれるでしょう。
周到に計画したトレードでさえも、マーケットの偶然性のために失敗す
ることがあります。最も優れた分析やトレードの準備を明確に整えた状況
でさえも、不意の出来事を避けることはできません。しかし、リスクを制
御することはできます。それは、トレードのサイズを管理し、損切り注文
を置くという方法で行います。これこそが、不可避な損を少額に留め、資
金に深刻な損害を与えないようにして、結果的にトレードで長期にわたり
勝利するための方法なのです。

書籍『ザ・トレーディング』より

なお、以下の特設ページにて本書の一部を無料でご覧いただけます。

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