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週明けには非常に重要な買い場が訪れると考えています。byアレキサンダー・エルダー

トレーディングの最先端をいく米国で活動し続けるあるトレーダーグループがいます。在籍メンバーは日曜日の午後3時までに翌週のトレードに最適な銘柄をひとつ選び、その理由を加えてメールを送信します。

そうして毎週メンバーから集められたメールの内容は、スプレッドシートにまとめられて、全員に共有されます。

情報を共有し合うことで、一人では達成し得ないパフォーマンスを実現できるというわけです。他メンバーの提案のほうが良いと思えば、鞍替えしたっていい。もっとも優れているものを指針として活用することで、トレーディングの質を高めていけます。

週末には成果が評価され、ナンバー1に3点、ナンバー2に2点、ナンバー3に1点が加点される。そして、四半期ごとに点数と利益が集計され、それぞれの部門で金、銀、銅のメダルが授与されます。

お互いによい刺激を与え合う機会となり、それに伴って毎週共有される情報の精度も益々高まっていくという仕組みです。(改めて気付きましたが、非常に優れたモデルですね。日本でもやりたいな・・・)

そのグループの名はスパイクトレード(SpikeTrade)。主宰者は、精神分析医であり、世界的プロトレーダーのアレキサンダー・エルダー博士です。

昨今のマーケットの混乱を受けて、そのスパイクトレードでも情報交換が密に行われているようです。

実は、大の親日家でもあるエルダー博士より、現在のマーケットが重要な局面を迎えているので、日本のトレーダーにも情報を共有してあげてほしいとの連絡がありました。

〜〜以下、エルダー博士より〜〜

週明けには非常に重要な買い場が訪れると考えています。そこで、昨日スパイクトレードに掲載した内容を親愛なる日本のトレーダーの皆さんに共有したいと思います。以下、スパイクトレードのサイトに投稿したものです。

悪化する状況であればあるほど期待が増す
2022年5月11日8:05pm (米国東部時間)

皆さん、こんにちは。2021年12月の相場の急上昇が絶好の空売り機会をもたらしたように、今見られる相場の急落は絶好の買い場をもたらすでしょう。

ここで大事なのは、十分な投資資金を手元に確保したうえで、安定した精神状態を保ちつつ、この買い場にアプローチするということです。

そのためには、今年に入ってからの下落時に、キャッシュポジションを増やしていなければなりません。今回のようなチャンスを掴むために、相場が自分の望む方向とは逆に進み始めたときには、損失の有無にかかわらず直ぐに手仕舞って現金化しておく必要があるのです。

それが出来ていなかったという人は、今後のトレーディング人生で忘れられない良い教訓になると思って手仕舞ってください。今の荒れた相場から、価値ある学びを得ましょう。「最初の損は最良の損」です。

さて、以下のチャート(S&P500)を解説しましょう。

2日間にわたって、相場は強気で寄付いた後、午後には弱気に転じるという動きを見せています。寄り付きは出勤前のアマチュアの買い注文が殺到していて、大引けにかけては日中トレードしているプロトレーダーたちによる、午前中のポジションを解消する動きが活発化しているのです。

日足の始値は、価値に対するアマチュアの意見を反映する傾向があります。日足や週足の終値は、プロトレーダーの行動を表す傾向があります。(参照:『ザ・トレーディング』第3章・第17 節)

私は週足の「新高値・新安値指標」(NH-NL)に注目します。(新高値・新安値指数=新高値をつけた株の数-新安値をつけた株の数)

どの年においても、ある時点で年初来高値を更新した株は、マーケットにおける強気株のリーダーであるといえます。同じ時点で年初来安値を更新した株は、弱気株のリーダーといえます。新高値・新安値指数(NH-NL)は、その年に新高値をつけた株の数から新安値をつけた株の数を差し引くことにより、マーケットにおけるリーダーの行動を追跡します。(参照:『ザ・トレーディング』第6章・第34 節)

この指標は本日マイナス5742まで下落しました。仮に、この指標が今週末までマイナス4000以下にあり、以降そのレベルを上回ってきたら、その時がスパイクのサイン(買いシグナル点灯)です。

私の経験から、これはテクニカル分析の上で最も強気のサインであるといえます。この話題について月曜日に解説をして、ケリーが翌日火曜日にさらに深堀りしてくれましたが、今後さらに詳しく解説していこうと考えています。

今週の残りが皆さんにとって良い日々となることを祈っています。日曜日にはスパイクスピーク(SpikeSpeak)で解説をする予定です。
アレックス

~~エルダー博士解説ここまで~~

エルダー博士は新高値・新安値指数(NH-NL)をS&P500のチャートの下に折れ線グラフで表示させています。新高値をつけた株の数が新安値をつけた株の数より多ければ、ゼロラインより上に表示されます。

先ほどと同じチャートです

チャート画像内の左下にある青色の折れ線です。水平に引かれた青色点線がゼロラインで、下側の緑色の破線がマイナス4000のラインです。

エルダー博士は、週足の新高値・新安値指数がマイナス4000を下回ることは、1日平均で新高値株より800 以上も多い新安値株がなければならず、マーケットの持続不可能なパニックを表していると『ザ・トレーディング』のなかで著述しています。

そして、この水準以下になってから回復すると買いシグナルが点灯し、これを「スパイク」と呼んでいます。スパイクは強気相場と弱気相場の両方で非常に強力かつ有効であり、このシグナルがダマシとなったのは、過去数十年でわずかに一回だけなのだといいます。

ちなみにスパイクトレードという名称は、この強力なシグナルにちなんで名付けられたそうです。

来週以降のあなたのトレードの参考にしていただければ幸いです。それでは、皆さま良い週末をお過ごしくださいませ。

PS
新高値・新安値指標について詳しく知りたい方は、書籍『ザ・トレーディング』第6章「マーケット全般の指標」34節「新高値・新安値指数」をお読みください。非常にシンプルな指標ではありますが、全体相場のトレンドを把握し、トレードのタイミングを改善するのに役立ちます。

エルダー博士のトレーディング人生の集大成!そして最高傑作!書籍『ザ・トレーディング──心理分析・トレード戦略・リスク管理・記録管理』。

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▼追記(2022年5月25日)

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