結局のところ、何月に株を買えば儲かる?
投資家の誰もができるだけ安い価格で、株を仕込みたいと考えています。
ですが、株価はずっと変動するものなので、タイミングを見極めるのは簡単ではありません。
そこで、相場の傾向を読み解くひとつの手段として、相場アノマリーから検証してみました。ズバリ、検証テーマは「何月に株を買えば儲かりやすいのか?」です。
株の世界でアノマリーの存在を注視している投資家は少なくありません。
アノマリーとは、理論的には説明がつかないが、そのようになる傾向が多い事象のこと。
もちろん、必ずそうなると断定はできませんが、今年一年のマーケットを俯瞰する際、大きな流れを掴むために参考にするのは有効かもしれません。私たちがよく耳にするアノマリーを挙げてみると、
干支アノマリー(1月)、節分天井彼岸底(2月)、新年度効果(4月)、セルインメイ(5月)、夏枯れ相場(7-8月)、ハロウィン効果(10月)、掉尾の一振(12月)といった1年サイクルのものから、周期サイクルでは米大統領選挙の前年は株高になるとか、スポット的にはサザエさん効果やジブリの呪いなどもあります。
それぞれについての解説は割愛しますが、その根拠は、なるほどと思うものから、信ぴょう性に欠けるものまで様々です。
もっとも有名なセルインメイ(株は5月に売れ)も米国ヘッジファンドの決算が6月で、5月に株を売却するので、相場が下落する傾向にあるという解説をよく見ますが、実際にはそればかりの理由ではないようです。
そもそも日本の株式市場にも該当するのか?そういった懐疑的な見方をする人も大勢います。
ただ、投資家心理としては理由がどうであれ、5月に相場が下がりやすいという事実が繰り返されれば、逃げる選択をする人が多くなるのも無理はありません。いずれにしろ、そういった相場観測があるのは、その事象が頻出してきたことを過去データが裏付けるからでしょう。
▼「節分天井彼岸底」を検証してみた
今の時期なら「節分天井彼岸底」のタイミング。これは2月上旬に高値をつけた後は下落基調となり、春分の日前後(今年は3月21日)に安値をつけるというものです。
1月は期待先行で株高傾向となりやすいが、2月に入り期待高が一服した時点で高止まりし、調整局面を迎えて彼岸で一巡するというアノマリーですが、はたして実際のところは、どうなのか!?
日経平均株価の過去データを使って、「節分天井彼岸底」を検証してみました。以下は、過去30年(1992年~2021年)の月別騰落率とその平均値を算出したものです。
当然ですが、毎年まったく同じ動きにはなりませんので、平均で考察していくことに妥当性を見出しています。最下段は30年間の勝敗の星取りです。
このデータ資料をみると、月別平均でプラスなのは、3月、4月、6月、11月、12月です。2月はやはり下落傾向にあり、3月にリバウンド!?4月にかけて上昇していく確率が高いことが見て取れます。
そして、夏場になると負け越しが続き、年末にかけて相場は息を吹き返すと読み解けそうです。つまり、株を買うなら上昇する前の2月~3月、あるいは10月~11月の安い時が狙い目というわけ。
ちなみに5月は勝ち越し(16勝14敗)ていますが、月別平均はマイナスなので、セルインメイは有効!?5月に落ち込んだ分の反動もあってか、6月の平均は0.09と控えめながら18勝12敗と勝ち越し。4月、11月、12月の大幅勝ち越しは、かなり再現性が高いといえそうです。
ただ、全体を通して見ると、月別平均がプラスなら、星取りも勝ち越していそうですが・・・、なぜか3月だけ例外で、15勝15敗と星は五分となっています。
足を引っ張ることになっているのが、2020年3月。これさえなければ勝ち越していたかもしれません。過去30年間、マイナス2桁になったのは、このときの-10.53%だけです。いったい何があったのでしょうか。
お察しのとおり、この時がコロナショックです!ちなみに2008年10月の-23.83%は突出していますが、これがリーマンショック時の大暴落です。
コロナショックやリーマンショックのような突発的なサプライズは予想できないにしろ、大きな流れを掴むという視点では、このようなデータは有効活用できそうです。
右端の年間騰落率を見てみると、過去30年の星取りは18勝12敗となっていますが、直近10年間は9勝1敗と好成績!
すなわち、近年の日経平均株価の値動きの傾向から、アノマリー的戦略を採用すると、「安い時期に仕込んでおきさえすれば、その時が来れば上がってくることが期待できる」となる。
そして、データ検証で明らかにしたアノマリーに準じれば、2月~3月は割安感がある絶好の仕込み時!ということに。もちろん、すべての株がバーゲンセールではなく、お買い得銘柄を選定する必要がありますけどね。
PS
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