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市場が恐れる株価下落要因とは?

そろそろ頭打ちするだろう。そんな慎重派の読みをことごとく打破し、とうとう3万円の大台に乗せてきた日経平均株価。

2020年3月19日、1万6358円19銭。
2021年2月16日、3万0714円52銭。
なんと上昇率を天底で求めると87.76%!

実体経済を伴わない株価の独歩高に憤りを感じている人も多いでしょう。特にサービス業、飲食業、観光業ではコロナの影響で、従業員の解雇に留まらず倒産も起きています。

それでも現状上値余地ありと見る向きは少なくありません。景気回復を肌で感じることができないのに、なぜ、株価は上がり続けているのか?

そこには2つの理由があると考えられます。ひとつずつ見ていきましょう。

株価は経済の先行指標ともいわれています。企業の業績回復が期待できそう!景気は底を打ったようなので、今後は良くなってくる!明確な根拠がなくても人々がそう感じれば、株は買われだし、株価は上昇していきます。

つまり、株価が上昇するということは、人々がコロナ悲観から解き放たれつつあるということ。

もちろん、変異種が出てきているし、ワクチンの効果についても100%ではないので、まだ安心はできませんが・・・、間違いなくいえるのは、コロナに対する人々の受け止め方の変化です。これこそが1つ目の理由です。

昨年の第一波の頃は、未知のウイルスに対して、どれほど危険性があるのかわからなかったから、これからどうなってしまうのかと世界中が大きな不安にとらわれていました。

ですが、ロックダウンや緊急事態宣言などで、日常生活に制限をかければ感染者を減らすことができる。ソーシャルディスタンスで人との接触をできるだけ避け、手洗いうがいを徹底すれば、ある程度の感染予防ができる。

うつらない、うつさない、という意識をもって、マスクを常時着用すれば飛沫感染を減らすことができる。ストレスを感じながらも第二波、第三波を経験していくなかで、私たちは徐々にコロナウイルスへの対処がわかってきました。

そうこうするうちにワクチン開発も進み、いよいよ日本でも医療従事者から接種が開始されました。

未知から少しずつ既知に変遷してきたことで、マーケットに安心感が出てきたということでしょう。

次に2つ目。日米はじめ、世界の主要国が金融緩和と財政政策という2つのエンジンをフル回転させていること。

米国の中央銀行に当たるFRBは、ゼロ金利政策の維持を2023年まで継続する見通しです。日本では日銀がETFの大量買い入れをしていることは、もはや周知の事実かと思います。

その他多くの国でも金利が0%台なので、預金しようが債券を買おうが、資産を増やせません。そこで、行き場を探している多くの資金が株式市場にどんどん流入してきているのです。

米国ではNYダウが史上最高値を連日更新し、日経平均株価も3万円に乗せてきました。

さて、ここで投資家の頭をよぎるのは、このブル相場がいつまで続くのかということです。どこかで必ずピークを迎えるわけですからね。

もし、下がるとすればという想定はしておくべきです。マイナス材料は何かとイメージしてみてください。

たとえば、、、
・ワクチンが思うような効果を発揮しなかった
・ワクチン入手のために国際間に紛争が起こる
・コロナの変異種にワクチンが追い付かない

再びこういったコロナウイルスの猛威で、悲観相場のアンコールとなるのでしょうか。

実は、株式市場がもっとも恐れているのは、そこではないというのです。コロナでないなら、一体何なのか?なんと今の株式市場にとってのマイナス材料は、皮肉にも世界経済の正常化と考えられています。

最大の理由は、経済が安定することによって、これまで緊急措置として大胆なまでに行われてきた金融緩和と財政政策という2つのエンジンを止めてしまうことになるというものです。

さらに回復の度合いによれば、止めるだけに留まらない。金融緩和から金融引き締めに舵が切られることに!?事実、米国バイデン大統領は、将来的に増税していくことを表明しています。

実際にそうなれば、消費は落ち込むことになり、当然ながら株価下落の重大な要因となりえます。

経済の正常化が株価下落要因なんて、すんなりと頭の整理ができない感覚に陥りますが、逆に考えれば、不安要素がまだあるうちは、まだまだ株式市場に資金が流れ込むということに!?

探せば、まだまだ安い株はたくさんあります!銘柄物色に気合いが入りませんか?

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