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2世帯住宅の借換〜義父から『自分たちの住宅ローンも支払ってくれ』と言われたという相談

2世帯住宅を軽く考えすぎている

当オフィスのマイホーム相談を始めた当時は住宅ローン選びが中心でした。ネット銀行やフラット35などどんなローンがいいのかという相談でした。

そのうち『住宅ローンが通らない』という相談が増えてきたので対応してみるとちょっとローンのことを知っていれば全然問題なく通る相談が多いことに気がつきました。

ハウスメーカーのセールスや工務店の方々があまりにも住宅ローンのことを知らないという現実に驚き、それなら私がローンを通すよということで本格的に公務員や上場企業の従業員を中心に相談をお受けするようになりました。

しかしながら住宅ローンの審査を通すと言っても個人信用情報が毀損していたりそもそも返済比率が合わない人はマイホーム購入自体に無理がありますのでお受けしていません。

そんな相談の中で2世帯住宅や夫婦共有名義の借換相談となるとまた違った難易度があります。新築であれば単独で住宅ローンを組めば解決したりしますが2世帯住宅などの借換ではそうもいきません。

今回の相談はもうすでに5年以上前の話ですがこの当時立て続けに相談されていた2世帯住宅や親のローンに関してブログにしていきます。その1回目は2世帯住宅で夫の親と一緒に住んでいる奥様からの相談です。

泣きながら電話がかかってきた内容とは

私には忘れることができない相談がいくつかあります。今回はその1つで電話が鳴り『もしもし』と言ったときに聞こえてくるのは涙をすする音でした。すでに泣いていた電話の相手はある公務員の奥様からでした。

『助けてください』

一体何が起こっているのかを聞いていると2世帯住宅を建てて住んでいる夫の親、つまり義父から『もう自分たちは公務員を退職して年金で暮らしているので支払い能力がない。残りの自分たちのローンは息子夫婦で払うように』と言われたとのことです。

今いくら支払っているのかと聞くとおおよそ14万くらい。というと2世帯分ならざっと月に28万円以上の金額。普通に考えれば支払い不能です。それを堂々と言ってきたようです。

しかもお子様が2人いてこれから高校の受験期に入るということ。ここで義父の話を承諾したら子供たちの教育資金どころか当座の支払いも無理なので破産しかないのか。

そこで住宅ローンの支払い予定表を見せてもらうと確かに月14万円お支払いが。でも驚いたのは住宅価格がかなり高いことです。なぜこんなに高い家なのかを聞くと奥様は反対したそうですが義父が言い張り夫がそれでいいと。その時も夫はめんどくさそうにして話を聞いてくれなかったそうです。

それともう1つあります。住宅ローン金利です。金利をみてみると3.6%とかなり高いのです。なんでこんなに高いのだろうか?

『借り換えをしようとしなかったのですか?』

そう聞くともちろん銀行に何度も相談に行ったそうです。でもNOと言われるばかりで他の銀行でも同じ返事でした。義父が高齢(当時68歳)で年金生活なので断られたというのです。

もう1つ聞きました。『この件に関して旦那様はなんて言っているのか?』

すると親のいいなりでこの話を相談しようとするとめんどくさそうに『払ってやればいいだろ』というだけでなく義父の話に納得がいかないなら離婚してもいいぞとのこと。

夫の妹も親の面倒は兄がするのが当たり前。そのくらいして当たり前でしょう。と言っているそうです。話を聞けば聞くほど『マジかよ』とため息でした。

正直なことを言えば奥様の涙に同情はするもののFPにとってはあまりにも難易度が高いことから1度お断りしましたが『お願いします。助けてください』の声に熟考の結果お受けすることにしました。

奥様にお受けする旨の話をして今回の相談の解決のポイントとゴールは以下のようにするということにしました。

1、旦那様にことの重大性を理解してもらうこと
2、住宅ローン借り換え
3、奥様の立場の改善

もちろん受けたからには勝算があってのことです。まずは住宅ローンの借り換えからスタートです。何度も断られているようですが借り換え可能でありしかも金利まで大幅に下げたいところです。

まずはもう1度現在の住宅ローンを借りている銀行に行ってもらい住宅ローンの借換相談をしてもらいました。もちろん答えは前回と同じでNOです。それでいいのです。相談はここからスタートします。

次回は住宅ローン借り換えと金利に関してです。結論から言えば住宅ローン金利は3.6%から0.675%になりました。

永野FPオフィス 永野 修
https://myhome-fpft.jp/

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