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子どもは親の面倒をみて当たり前、そんなことを言われたことはありますか?

私が相談を受けるときに気をつけていることがあります。それはそもそもなぜ問題が起こったのかという原因を確定させることです。原因があるから結果があるわけで原因を潰さない限り根本治療とはならずに対処療法になってしまいます。

対処療法だとその場は解決出来たとしても形を変えてまた同じ問題が、しかももっと大きくなって出てしまいます。そうなるともう解決不能です。早期に的確に解決する。それが相談でもポイントになります。

今回のこの相談はなぜ起こったのか?それは突き詰めると『親の勘違い』です。どんな勘違いかと言えば『子どもは親に従って当たり前』というものです。それを嫁である奥様に強いるのは時代にそぐわないのです。

なので根本治療とは親が2度とこのようなことを言えない状況を作り出すことになります。全てはかけませんがその経過を書いていきます。

前回の続きのブログになります

1、自分たちのローンを支払ってくれ
2、住宅ローンの借り換え審査が通らない

払えないなら売りましょう

前回説明した通りに税務署の個別相談の結果不動産鑑定で値段を出してもう必要があります。でもそれはこちらにとってはチャンスでもありました。何がチャンスなのか?

『支払えないなら売りましょう!いくらになるか不動産屋さんに来てもらいます。いい値段で売れるといいですね』

きっとこの言葉に驚いたことでしょう。自分の言葉の結果がとんでも無いことになったと。親はきっと子である旦那様を叱り飛ばすでしょう。それを見越して私が電話が旦那様に前もって話をしておきました。

次に連絡して来たのは妹です。これも予想通りです。なぜならこの家が売られたら自分のところに親が来ることにあるからです。妹はただお金が欲しいだけで親の面倒を見る気はなさそうでしたので当然と言えば当然です。

『もう売ることになったらお願いします』

そう言ってくださいと打ち合わせ済です。このあたりから急に親と妹から奥様に大して上から目線が消えていきました。舐め腐っていた相手の変わった姿に驚いたことでしょう。

家族会議でもう一芝居

これで状況は整いました。借り換えも好条件でできることになりました。贈与の準備も出来ました。あと残るは親から今のローンの半額を支払ってもらうようにすることです。

もし本当にお金がなければこんなことはしません。でも考えればすぐにわかっていただけると思いますが公務員を退職して数年でお金がなくなるわけがありません。退職金、いくらか考えればただお金を使いすぎて惜しくなって来たためです。

『子どもが親の面倒をみて当たり前』そんな想いと奥様に対する日頃の扱い方が言葉に出た瞬間です。ですがそれでも一緒に住む家族です。揉め事を日常にしては誰もいいことはありません。

いかにしてお互い様という状況にするか。ここを解決としています。

状況も整ったので家族会議となりました。妹夫婦も揃って状況の説明をしました。当然そのときには妹から兄が面倒みて当たり前という言葉も出ていました。しかしそれはわかっていたことなのでもし出たらこう言ってくださいと言っておきました。

『それじゃあこの家は売りますので両親の世話はお願いします』

これで勝負有りです。そしてこのあとこうも言ってもらいました。『住宅ローンは全て私たちが支払ってもいいです。その代わり毎月今のローンの半分の7万円でいいので私たちにください。』

『そのお金で両親の面倒は全て私たちがみます。』

この言葉で終了です。最後に両親は奥様に感謝の言葉を述べていました。その気持ちが嬉しいと。妹も親の面倒をみないで済んだので了承してくれました。

結局年老いた両親は不安が故にこんなことを言い出したわけです。寂しさや不安は人に不要な言葉をいい、それによってそれこそいらない揉め事を作り出すのです。

このあと住宅ローンの借り換えをして翌年贈与税の申告をして、ただしことの時の贈与は相続時精算課税は使いませんでした。暦年贈与で贈与税を支払って対応しました。

なぜ?

絶対に忘れた頃にもう1度似たようなことが起こるからです。人間の性格はそんなに簡単に変わるものではありませんからね。

土地も建物も全て夫の持分となりました。売ろうと誰かに貸そうとこれで自由です。また両親が子である夫をけしかけて『離婚』という言葉を出そうものならこの土地は・・・

そうならないことを祈りながらこの相談は解決しました。今のところこの心配は杞憂に終わっています。

永野FPオフィス 永野 修
https://myhome-fpft.kp/


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