書くというリハビリ

学校でも家でも毎日本ばかり読んで、その日あった出来事や思った事をひたすらノートに書き殴っていた事がある。後になってたまにそれを読み返してみて、嫌になって破いて捨てたりしていた。あの時の自分は携帯を持っていなかった。パソコンを立ち上げるのすらも面倒で、テキトーにその辺に転がっていたノートに手をつけてからは毎日そこに何かしら吐き出していた。

今の自分からすると、まるで夢のように感じる。ペンを持ってノートに向かうより、スマホにメモした方が早い。保存するページは毎回変わったりするのでわざわざ読み返そうともしない限り目に入らない。字体が変わるわけでもないので常に同じテンションのような文字が転がっていて、嫌になったら消す時は削除ボタン一つ。便利だ。けど味気ない気もする。

たまにふと思い立って紙に向かうと、自分の衝動性のなさと、自分の感情をうまく文章に出来ない事に驚く。あと字が汚い。これでは後の自分が興味を持ったとして、とても読めないだろう。

なんだか退化したような気になる。せっかく五感でもって何かを感じて生きたり、それを表現する術を持っているはずなのに、いつまでこんなに持て余しているんだろう。あの頃は想像がつかなかったけど、使わない能力はどんどん忘れて衰えていくものなんだな。どれくらい続けたら取り戻せるんだろう。一度壊れた人間でも取り戻す事ができるんだろうか。

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