明るい夜

22時近くになっても外が明るい。

ここに来て始めの頃は夢の中にいるような不思議な気分でいたが、今では気がおかしくなりそうだ。冬の日が短い時よりも夏の日が長い時の方が私の精神面には悪影響を及ぼすのではと考えることがある。

だったら早く鎧戸を閉めればいいと思うのだが、これから日が沈んでいくところが見られるというのに閉めてしまうのはどこかもったいないような気がする。私は日が完全に沈みかけた群青色の空が好きなのだ。月は見えなくてもいい。むしろ見ると寝付けないことが多いので見ない方がいいのだろう。

あの深い群青色を見ずに一日を終えると思うとこれ以上ない残念な事をしている気分になる。

部屋が暗くなるにつれて部屋の明かりが必要となるが、網戸がないので明かりにつられて窓から入ってくる虫を遮断するものが何もない。明かりをつけて思いっきり窓を開けてある程度の冷気を取り入れたいが、そうするには鎧戸は必須で、そうすると外の景色は見ることができない。この葛藤を毎日やっている。

夜は暗いものと大人しく諦めればいいものを、贅沢にも選択肢があると、この不思議な夜の世界に別れを告げるのが惜しくてたまらなくなり、いつまでも迷ってしまう。

いただいたサポートは学費と学業関連の書籍代として使わせていただきます。