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#13保険会社が教えない?死亡保障の考え方

保険相談を受けると、子供が誕生したら死亡保障が必要ということで、必要保障額を算出してもらえる。相談窓口は保険代理店や銀行などのほかに、出張相談などがあり、対面相談が嫌ではない限り、様々な情報を聞けるだろう。

一方、Web経由で加入する保険の場合、必要保障額は自分で考えなければならない。

自分や家族に合った保険を選びたいのであれば、対面相談がよさそうだが、違った観点はないか考えてみた。

1 定期保険と収入保障保険の特徴

死亡保障は掛捨型では定期保険か収入保障保険、貯蓄型では低解約返戻金型終身保険などがある。

定期保険は一定期間の間、どのタイミングで死亡しても保障金額が支給されるが、収入保障は保障金額が逓減する(徐々に減る)。

たとえば定期保険は保険金額3,000万円と設定するが、収入保障保険は月額10万円(25年間なら3,000万円)と設定する。収入保障保険で契約年に死亡すれば3,000万円受け取れるが、20年後であれば600万円しか受け取れない。このため収入保障保険には支払保障期間を設定でき、この期間を2年とすれば最終の2年は年金額は減少せず、一定の金額を受け取ることができる。支払保障期間を長くするほど保険料は高くなる。

保障金額が逓減する収入保障保険だが、子供が成長するにつれ必要保障額は減少するため、この減少に保険の保障額を合わせれば十分であり、必要保障額が減る分、総受取額が同じ場合、定期保険より収入保障保険の方が保険料は安くなる

しかし収入保障保険は保険設計が必要となるため、定期保険はネットで契約が完結するが、収入保障保険は対面相談をしなければならないのが一般的だ。

2 定期保険と収入保障保険の保険料比較

異なる種類の保険を比較する際には、なるべく条件を同じにしなければならないが、完全に一致させるのは難しい。そのため、似たような設計で比較してみる。

<例 30歳 男性>                         定期保険:保険金額3,000万円、保障期間25年             収入保障保険:年金月額10万円、保障期間25年(保険金総額3,000万円)

まず、ネット完結であれば保険料は安くなるため、収入保障保険といい勝負かもしれないと思い調べていたが、やはり収入保障保険の方が圧倒的に安い。保障金額が1/2なので、当然と言えば当然だ。

なお、ウェブでのシミュレーションは一部の条件でしかできないため、公平に比較できない。

これだけ見れば、対面相談で必要保障額を算出してもらい、収入保障保険を選んだ方が保険料の負担は軽い。それではネットの定期保険は利用価値がないのだろうか、定期保険の活用方法を考えてみる。

3 定期保険の活用方法

まず、ネット完結の定期保険と対面相談を中心とする店舗型の定期保険の保険料を比較する。

表のアルファベットは、先ほどの表と共通である。つまりD生命では収入保障保険と定期保険を比較することができる。またこのシミュレーションも自由に設計できるわけではなく、あくまでウェブ上で設計できる範囲に限られているため、完全に公平な比較にはなっていない。

保険料総額を見ると、同じような商品設計にも関わらず、総額では100万円以上の差がある。対象商品を増やせばもっと差が出るだろう。この点から、十分比較して検討しなければ同じような保障にも関わらず、保険料の負担が重くなる可能性がある。

さて、必要保障額は、対面相談で試算してもらう金額になるが、子供が10歳(シミュレーション上、10年が都合がいいのでこの年齢だが、年齢は自由に決めていい)になるまで保険に加入し、以降は配偶者が働くことで収入を得ることにすれば、保険料はおさえられる。

もちろん、環境を整えなければならず、自宅を売却し、実家に戻ったり、これまでの支出を見直し、無駄な支出はやめたりするなどしなければならないだろう。

しかし死亡する確率より生存する確率の方が高いため、保険金額1,000万円の保険に10年間だけ加入する考え方も成り立つのではないか。

<例 30歳 男性>                         定期保険:保険金額1,000万円、保障期間10年

保険金額を減らし、保障期間を短くすれば、当然、保険料の負担は軽くなる。10年間の保障で10万円強である。確率の低いリスクに、今の生活にゆとりがなくなるほどの保険料を支払う価値があるかどうか考えなければならない。

もちろん、保険金額を減らし、保障期間を短縮すれば、リスク発生時に厳しくなるが、家族でリスクが発生したときにどう対応するか、十分話し合っておくことが重要ではないかと思う。十分検討した上でもなお、対面相談で提案された必要保障額が必要であればその通り加入すればいい。

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