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いまさら聞けない「自動車保険」と「等級」のカンケイ

自動車を運転する方が加入する「自動車保険」。強制保険である「自賠責保険」と合わせて、民間の「任意保険」にも加入することが一般的です。

保険を更新するたびに保険料が下がっていったり、事故の後は上がったり。これは「等級」による割引率が影響しています。

自動車保険では、契約者ごとに「等級(正式にはノンフリート等級)」が設定されていて、この等級と、事故アリ/ナシの区分に応じて、保険料の割引率が変わってきます。

よく耳にする、この「等級」。改めて学んでみると、色々なことが分かってきます。

等級は6等級からスタート

等級には1等級から20等級まであり、最初は6等級からスタートします。
※いくつかの条件を満たした「セカンドカー」の場合は、7等級からスタートできる場合があります。

1年間無事故なら、1等級アップ!

1年間無事故(もしくはノーカウント事故のみ)の場合、1等級上がります。
事故があると、3等級、もしくは1等級下がります。

等級ダウンは2種類

  • 3等級ダウン事故…「事故の相手にけがをさせてしまった」「相手の車を傷つけた」「当て逃げされた」など

  • 1等級ダウン事故…「火災被害」「台風・洪水の被害」「いたずら書き/傷」「飛び石によるガラス破損」「盗難」

  • ノーカウント事故…自動車保険のメイン補償である「対人」「対物」「車両」以外の保険金支払い対象事故。

例えば人身傷害弁護士費用個人賠償補償などのノーカウント事故で給付を受けた場合は、等級に影響はありません。


車両保険を使っても1等級ダウンで済むことも

等級がダウンするとどうなる!?

事故により保険金の支払いが発生すると、等級が3,もしくは1等級下がり、さらに3年間もしくは1年間、事故有係数適用期間に追加され、「事故有係数適用期間●年の●等級」となります。

たとえば順調に10等級まで到達していたのに、2024年に1度、3等級ダウン事故を起こしてしまいました。
2025年に更新すると「7等級(事故有係数適用期間3年)」となります。この場合2026年には8等級(同2年)に、そして2028年に10等級(同ゼロ年)にようやく戻ることができます。
ちなみに事故を重ねると、事故アリ係数は最大6年まで加算される場合があります。

元の等級に戻るのに3年かかる

事故がないのに保険料が上がった?

自動車保険の保険料には、料率クラスも関係します。
料率クラスとは、車の型式ごとの事故実績に応じて区分される保険料率のことです。型式は年式やタイプの違いによって細かく分類されていて、例えば同じ「カローラ」でも、フィールダーとGRでは料率がぜんぜん違います。
当然事故が多い型式ほど、保険料は割高になります。

この料率は保険会社が独自に定めるのではなく、損害保険料率算出機構が算定する事故実績に基づいて年に1度のペースで見直されるため、事故がなく等級も上がったのに「昨年よりも保険料が上がる」ということがありえます。

等級に関する注意点

等級が上がることは、保険料アップに直結しますので、誰でも嫌なものです。
でもそれを避けて「事故を届け出ない」とどうなるでしょうか。

実は道路交通法では、交通事故が発生した場合、加害者だけではなく被害者に対しても警察に報告する義務が規定されています。報告義務を怠った場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性もありますので、事故が起きたら必ず警察に連絡しましょう。

一見ケガもなく被害もない場合に、加害者、被害者ともに面倒を避けるため示談したとします。その後被害が発症しても、事故時に報告していないと、保険金が支払われないなどトラブルになる可能性があります。

人身事故、物損事故にかかわらず、事故が発生した場合は、必ず警察に報告しましょう。

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