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資産を外貨で保有する方法

前回に続き外貨について書いていきます。
資産を分散させる1つの方法として外貨預金が挙げられますが、他の金融商品でも同様の効果を得られることはすでに述べました。
ここでは、とりわけて投資信託を利用することで外貨資産を保有できることについて説明していきます。
なお、投資信託の例としてはeMAXIS Slim 全世界株式(以下オルカン)を用いることとします。

投資信託の中を見てみよう

早速オルカンについて見ていきましょう。

出典:三菱UFJ国際投信「eMAXIS Slim 全世界株式

オルカンが何に投資をしているのかというと、5割強はアメリカに投資していることが読み取れます。
また、アメリカについては米ドルで運用されていることも純資産を読むことで分かります。

円換算で表示されているだけで中身は外貨

オルカンは5割強が米ドルで運用されているのですが、日本においては日本円に換算して公表されています。
円換算されていて気付かないだけかもしれないですが、極端な話、オルカンを1万円分購入した場合、約5,800円分の米ドルを買っていることと等しいことになります。
より正しくは、約5,800円分の米ドルの価値と等しいと評価される米ドル建て株式を買ったことになるのですが、これは間接的に米ドルを保有していることになります。

外貨なので為替レートの影響を受ける

米ドル/円の為替レートによる影響

上記はオルカン・S&P500・米ドル/円の簡易的なチャートになります。
赤丸で囲んだ米ドル/円がまだ大人しかった2022年2月頃まではオルカンとS&P500の乖離も大人しかったのですが、黄丸で囲んだ円安・ドル高が進むにつれて乖離が激しくなり、S&P500の評価が激しく下がっている状況であっても、オルカンの評価は円安に支えられて狭い上下のレンジになっているのが分かるかと思います。
「円安の時に有利だから良い」という話ではなく、良くも悪くも為替レートの影響をしっかりと受けるということが分かるかと思います。

外貨預金にはないリスクもある

以上、資産を外貨で保有することを目的とした外貨預金と同様の効果として、投資信託を用いた方法を説明しましたが、外貨預金にはないリスクもあります。
売買するのに投資信託は外貨預金よりも時間がかかったり、外貨建株式であることから為替レートのみならず株式市況の影響も受けてしまうことが挙げられます。
しかし、外貨預金のみで得られる物とそれにかかる手間、投資信託で得られる物とそれが譲渡所得となり損益計算をしてもらえる簡便さ、それらを勘案したとき、外貨預金よりも投資信託を選ぶ方がコスパが良いのではないかと思います。

外貨の持ち過ぎにも気を付けよう

最後になりますが、投資信託を用いた外貨保有の注意点として、外貨の持ち過ぎにも気を付けたいところです。
日本で生活している以上、日本円を使って支払いを行うのが今現在では当たり前で、保有するすべての資産が米ドルになっていては日々の生活に困ってしまいます。
投資信託の中身を常に見張る訳にも行かないですが、投資信託の中身にどれほどの外貨が入っているのか、たまに確認してみてはいかがでしょうか。
また、すでに外貨預金で米ドルを保有した上で投資信託もやっているという方も、資産全体のうち外貨がどれほどの割合を占めているのか確認してみてください。

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