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推し香水を作ってみたらとんでもない良体験だった話

フォロワーさんの「誰か推しイメージの香水一緒につくりに行きませんか〜」という言葉に元気よく立候補し、行ってきました!
SNSでもバズったことのある、推し香水が作れるお店、
新宿にある「FINCA」さんへ。

推し香水ってなんぞや〜とパッ聞きわからない人のために説明すると、「自分が思う推しをイメージした香水」って感じでしょうか。
それが「推しがつけてそうな香水」の人もいるでしょうし、「推しを香りにしたらこんな感じ」の人もいると思いますが、とにかく「推しを香りで表現する」ということです。
FINCAさんのやり方は、複数のオードトワレを重ね付けすることでオリジナルの香りを作り出します。複数の香水を混ぜたりするわけではない。
ちなみに一応言っておくと、FINCAさんはアイドルや俳優や既存のキャラクターをイメージした香水をつくります!と謳っているわけではないので、具体的な名前や写真を見せて「これのイメージ香水を作ってください」とお願いすることはできません。語彙力の限りを尽くして自分にとっての推しを表現し、それに合わせてスタッフさんがオードトワレの組み合わせを提案してくれます。購入したものの写真をSNS等に上げるのは自由ですが、そこに「◯◯のイメージ香水作りました!」と書くのはやめてください、という説明を受けます。

事前に記入しておくオーダーシートにこんな質問があったので、そこに私が書いた内容を記載しておきます。

【香りのイメージをご記入ください】
(性別/年齢/職業/性格/特徴/好きなところ/イメージカラー/モチーフなど)

・20代後半〜30代前半の男性
・イメージカラーは紫(金、黒、赤も少し)
・モチーフは藤の花
・仕事ができる有能っぽい雰囲気
・リーダーではなく二番手タイプ
・自分にも他人にも厳しいが、恋人や身内にはめちゃくちゃ甘くてなんでもしてあげたいタイプ
・頼られるのが好き
・大事な人の一番でいたい意識が強い
・独占欲と執着心が強い
・プライドも高いが、それを隠している
・他人に厳しいけど冷たいわけではなく、基本的には愛情深くて優しい

私を担当してくれたスタッフのお兄さんは、このオーダーシートをふむふむと読んで、さらに苦手な香りに「チョコレートやバニラなどの甘い香り、ゼラニウムなどの草っぽい香り、ラベンダーなどのハーブ系」と書いていたので、「では甘ったるい香りとハーバル系は除いてご提案しますね!」と言ってくれました。
そして追加のヒアリングが始まります。この時の質問の仕方が、オタクに優しいと言うか、オタクの捌き方心得てやがるぜ……!って感じだったので覚えている限りで書いていきますw

スタッフさん「年齢は具体的に幾つですか?見た目的に幾つに見えます?」
私「顔だけ見ると童顔なんですけど、言動や佇まいが落ち着いているので20代後半〜30代前半に見えると思います」
全然関係ないんだけど、後ろで同行者が同じ質問をされてて、同行者の推しは人外だったもんだから年齢も性別も「わかりません……」って答えてて、スタッフのお姉さんを当惑させてるのが聞こえてメチャメチャ面白かったw

スタッフさん「この方は、春夏秋冬、季節で言うとどれですか?」
私「(クソほど悩む)梅雨から……初夏、って感じです」

スタッフさん「今から言う5つの項目から、上位3項目を上から教えてください。【かっこいい】【かわいい】【綺麗】【セクシー】【ミステリアス】」
私「(クソほど悩む)んぅぅぅぅぅぅ……かっ……かっこいい……? いやごめんなさいやっぱり一番は【綺麗】で!その次が【かっこいい】で、その次は【かわいい】でお願いします」

スタッフさん「天才肌ですか?努力型ですか?」
私「(食い気味で)努力型だと思います」
推しについて食い気味で答える私めっちゃキモない?いやクソほど悩むのも気持ち悪いんだけどさ。お兄さんほんとオタクに優しかった。推せる。

スタッフさん「何か暗い過去とか抱えてます?」
私「(なんかアキ◯イターめいてきたな)アッはい……抱えてます……」
スタッフさん「良ければどんな内容か聞いてもいいですか?」
私「(お兄さんなんでそんなに優しいの?配慮の鬼か?) 大好きな人に捨てられるとか……置いていかれるとか……孤独になるのが怖くて、大切な人に執着しがちというか……」

スタッフさん「お洒落な方ですか?」
私「ううーーーーーん……かっこいいので何でも着こなせるとは思いますが、頓着しないタイプかなと……放っておいたらダサい服着てしまうかもしれません」
この辺りで職業を聞かれて、それを答えたらほぼ推しの名前を言ってるようなもんになってしまうので、「仕えてる人を守る仕事」みたいな回答をしました

スタッフさん「お仕事をされる時…何かと戦ったりする時ですかね? 仕えてる人には見せない感じで激しい一面を見せる感じですか?」
私「(ア◯ネイターかな) アッアッ そんな感じです」
スタッフさん「どんな風に?」
私「言葉遣いが荒くなったりとか、なんかこう……上から目線になる感じです。仲間に対してもそうかも」
スタッフさん「仲間に対しては、良かれと思ってというある種の愛情表現の可能性あります?」
私「そ れ で す !!!!!」

スタッフさん「武士か騎士でいうとどちらですか?」
私「(アキネイ◯ーじゃん) 騎士ですね」
スタッフさん「大体わかりました。ではいくつか香りを作っていきますね」

このお兄さん大分明確に私が誰を思い浮かべるかわかってんじゃないのかなと思いながらお兄さんの手元を見守っていると、10本の香水を取り出して、あっという間に5組作ってしまいました。一本ずつどんなオードトワレなのか説明しながら、ムエットに香りをつけて嗅がせてくれます。
最初に嗅がせてもらった香りは「……?」で、全然イメージと違いました。冷たくてキツくて、男性的な感じ。これちゃんと推し香水作れるのか?って不安になったり。ふたつめもちょっと違ったんですが、はっきりと近付いた感があってドキッとしました。
そして三つめ、スタッフさん曰く「彼のストイックなところ、自分にも他人にも厳しいところをメインに表現しているのですが、奥のほうに甘くて優しい香りが仕込んであります。」これを嗅いだとき、
「?!?!??!?!??!」となりましたね……
え……?あれ……?これ、は……?お兄さん天才では?と言いながらスンスンスンスンスンスン嗅ぎまくりました(この辺で鼻がバカになってくるのでコーヒー豆の香りを嗅いでリセット)

そしてよっつめ。スタッフさん曰く、
「これはもう少し、彼の優しい部分、甘い部分を全面に押し出した香りです。ベースになっているのはパープルレインという香りで、ムスクのような、フルーツのような、シャボンのような……湿度や温度によって変化する、かなり複雑な香りです。それにスミレ、藤の花の香りと、ほんの少しだけグリーンティーの香りが混ざったオードトワレを重ねますね」

なんかもう、説明聞いただけで期待大なんですけど?!と鼻息荒く嗅がせてもらいました。

「………えっ?!?!??!?!??!?!?!? え、なに、これ?!?!?」


推しなんだが???????????
わたしの、推しなんだが?????


有能で強くてかっこよくて冷静だけど、根っこのどこかでただ愛されたくて幼稚な部分を抱えている、いじらしくて可愛い私の推しの香りがするんだが?!?!??!?!?!??!?!?!?

完全に取り乱した……腰から砕けそうになりました。お兄さん天才ですね?!と連呼しながらひたすら嗅ぐ。そのあと、最後の提案は「彼の独占欲、執着心などの重くて暗い部分を全面に表現したもの」として、ちょっと重めの香りとスパイシーなものも嗅がせてもらいました。それもすごく良かったんですけど、よっつめの衝撃がでかすぎて最後までみっつめと悩みはしたものの、よっつめを選択しました。

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奇しくも、どちらのオードトワレにも紫が入っていて、まさに推しのための組み合わせって感じになりました。やべぇんだよこれ。
これさ〜〜〜〜楽しさは伝わっても「うわこれ推しだわ」って香りを嗅いだときの衝撃は行った人にしかわかんないと思うんだよ〜〜〜推しがいる限界オタクは皆行ってくれ〜〜〜

ものすごい興奮状態でいやお兄さん天才ですねやばいっすわ最高ですね〜〜とか言っていたら、優しい笑みを浮かべながら
「バスタオルにつけるの、おすすめですよ。彼が髪を拭いてくれます」


「バスタオル?!?!?!?!?!??!(クソデカ声)」

なんてこと思いつきやがるんだ。正気か?家にある柔軟剤全部捨てるわ。

それからアトマイザーも購入し、お会計へ。同行者もバッチリ推しの香りが見つかったらしく、ふたりでキャッキャッと限界オタクムーブかましながらお店を出ました。スタッフさん皆優しかったです。
ちなみに、同行者は3本使って香りを作っていて、私と一本被っていたんですが、出来上がったものを嗅がせてもらったら全然違ってびっくりしました。あまりにも香水の世界、奥深い……!

紫の花形のムエットに香りを染み込ませて渡してくれるんですけど、ふと嗅いでは推しに思いを馳せましたね……これマジでヤバイって……。
今夜、いつも抱いて寝てるクッションにシュッシュしてみようと思います。

いやほんまに、推しがいる人、みんなつくってみ。推し香水。
推しに抱かれようぜ。いい夢見れそうです。

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