ドラフトルーキー2巡目 有薗 直輝

<フォックストロットの野球語りたいラジオ 1/10原稿>

・ポジティブな面を見れば、とにかく恵まれた体格。185cm97kg、サードとレフトということなので、求められるものはHR一択。
とにかくそこにこだわってほしい。.200 でも15本打てればいいくらいの割り切りで高卒ルーキーなら問題ない。出てくるのは早くても3年後だと思えば、今は武器を増やすよりも切れ味を磨く方がいい。
スカウトも「素材を評価しての順位、数年後に大舞台で名前の出る選手に」ということだし。守備面では広島のスカウトがしきりにスローイングがいい、肩が強いと褒めていたのも気になるし、ドラフト2位に持ってくるだけのものは備えているはず。
・インサイドアウト(打撃)、ボールの内側を打つ(逆方向)、逆方向にも意識があるのは悪いことではないが、練習の動画見ると逆方向意識の時のヘッドの下がり方が良くなくて、そのせいで打球の角度が失われている。
右肩が下がってバットが手首を中心に回転しており、この形だと木製バットに切り替えた時点で打球の飛距離はガッツリ落ちる。よくて内野の頭を超えるポテンヒットだと思う。パワーヒッター系の広角打法は、同じタイミングで振って、ミートのタイミングの違いで逆方向へ飛ぶパターンの方がしっくりくる。
Ys村上は逆方向へ飛ばす時もバットのヘッドは下げていない。引っ張る時と同じ軌道でバットを振るが、捉えるポイントが前か後ろか、このタイミングの違いを下半身の粘りで補正している。有薗君は下半身、特に太ももの筋量が非常に発達しているので、目標にするなら右左の違いはあれど村上の形が理想的。ヘッドを下げると位置エネルギーが失われて、その分を腕力特に手首で賄う必要性が出てくる。手首は体の中でも末端の関節なので、そこにエネルギーを伝えるためにはより体の芯の方から動かす必要がある。ということは結局はバットを大きく使い、スイングを縮めることなく打撃した方がいい。動画の中で試している逆方向の打ち方は松井秀喜氏の打ち方にそっくりだが、氏がそれでも飛距離を出せたのは右利きの右投げ左打ちのだったことと無関係ではないと考えているので、右利きの右投げ右打ちの有薗君にハマる打ち方ではないように見える。逆にプルヒットしている時の打球の角度、ヘッドの出方ともに素晴らしいので、逆方向を意識する前に、まず自分の得意分野できちんとプロのレベルに対応してほしい。

・壁に当たった時に、経験値の低いものに切り替えて切り口を変えるのではなく、自分の持っている強い武器の切れ味を上げることで対処する方が突破口はえやすい。ダメだからと言って手を替え品を替えするのはもっと経験を積んでからの方がいい。
ましてや逆方向の話は楽天1位の吉野君が意識しているのを聞いて自分も取り入れてみた、という感じなのもあって、まだ練度的にも使えるようにはちょっと思えない。


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