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夢見る大地、北海道。ファイターズがくれるもの

どうもこんにちは。フォックストロットと申します。
早速なんですが、僕はファイターズが好きです。とある音声配信アプリでここ2、3年毎日ファイターズのことについて12分の番組を配信し続けるくらいにはファイターズのこと毎日考え続け、オフシーズンもいつもファイターズのことで頭が一杯になるほど好きです。
一体なぜファイターズはここまで僕の心と頭と後いろんなところを掴んで離さないのか、全くもって自分自身では計り知れません。
北海道日本ハムファイターズはプロ野球チームです。当然今もペナントをかけて毎日毎日熱い戦いの真っ最中です。しかしながら我らがファイターズ、熱い戦いを続けながらもここ数年優勝から遠ざかり、Bクラスがすっかり馴染んでしまいました。今年もすでに借金は二桁、とっくに自力優勝はなくなり、5位オリックスとも7.5ゲームも差がついています(7/3現在)。これだけ勝てないと普通なら熱も冷めそうなものですが、僕の場合は勝ち負けそっちのけでさらにのめり込んだりしてまして、一体全体不思議なこともあるもんです。どうしてこうなってしまったのか。

それというのも全てファイターズが悪いのです。
ファイターズはいつもいつも、ファンである僕らに「ワクワク」をもたらしてくれます。僕にとってそのワクワクは「今年は優勝できそう」とかいうおよそプロチームとしてまっとうにあるべき期待感……ではありません。ファイターズがくれるワクワクは、「このチーム今年は一体何をやらかしてくれるんだろう」とか、「このチーム一体シーズン終わりにはどうなっちゃうんだろう」とか、「このチーム3年後にはものすごいことになりそう」とかいう、ある種おもちゃ箱、いや、びっくり箱を開けるような奇想天外ななにかに近いものなのです。
だって考えても見てください。
2004年、今からもう18年前になります。ファイターズは遠く関東の地からこの寒い寒い北海道に新天地を求めてやってきたんですよ。

は?
どこの世界に人口2000万の本拠地を捨てて200万人の地方都市に本拠地移すプロチームがあるんですか。意味不明です。しかも当時の北海道は野球といえばまだまだ巨人、というオールドファンが大多数、テレビで見られる野球なんてのは巨人戦ばかり、子供にとっては野球は見たいアニメやドラマの邪魔でしかなかったんじゃないでしょうか。
でもですよ。少なくとも僕は。ファイターズが札幌にやってきて、本当に公式戦が開幕して、札幌ドームの広いグラウンドにあの白黒のユニフォームが舞って、実感したんですよ。SHINJOが「これからはパリーグです」といったその通りに、ここから日本の野球が変わっていくぞ、そういう熱がこの球団にはある、そのことを肌で感じたんです。僕のファイターズへの変わらぬ思いはそこから始まっている。

じゃあ「ワクワク」って何だよ。
例えばドラフト。この球団はこれまでの常識を何度もひっくり返してきました。「たとえ競合することになったとしても、その年、一番良い選手を獲る」、編成の事情とか駆け引きとかじゃなくて、本当に、良い選手を「一番の選手だから」といって指名する、たったこれだけのことですが、これまでどんなチームもここまで徹底してこんなドラフト指名をやることなんてなかった。競合を厭わず、スターの卵を必ず指名する。「今年のスターはこいつかァ!」って、僕らはいつもワクワクする。それが現巨人の菅野や現広島の長野の時のような、まるで異端のように扱われることだってあった。でもこの球団はそんなことは意に介さない。だって、いい選手なんだから指名しないでどうするの?

例えば選手起用。大谷翔平の「二刀流」が記憶に新しいかもしれませんが、ちょっと振り返れば現阪神の糸井嘉男だって元々ファイターズでは投手から野手にコンバートして大成功。現オリックスバファローズの中嶋聡さんを「抑え捕手」として起用したり、「ショートスターター」「オープナー」といった従来の枠組みでは語れない斬新な投手起用の枠組みをもたらしたりしました。今では「二刀流」や「ショートスターター」などは戦術として一定の定着を見ています。ファイターズの先入観のない「選手の個性を見極め、一番輝く使い方をする」選手起用は、球界全体に決して少なくない影響を与えています。既存の枠にとらわれない自由さもファイターズのくれる「ワクワク」の一つです。

そして今年、2022年はこれまで10年の長きにわたってファイターズにワクワクと挑戦をもたらしてきた名将、現侍ジャパン監督の栗山英樹さんが退任され、18年前僕らに初めてワクワクをくれたあのSHINJOが「BIGBOSS」として帰ってきたわけです。こんなのワクワクしないわけがない。ノンストップワクワクですよ。
BIGBOSSは僕らにどんな野球を見せてくれるんだろう、その答えは僕らの前にもうたくさん転がっています。就任当初からの奇想天外なアイデア練習の数々、それに伴って劇的に改善した守備力、野球選手だけではなく、あらゆるアスリートからさまざまなエッセンスを吸収しようとする貪欲な学びの姿勢、そこから溢れる攻撃のアイデア、CSチャンネルと協力して、ホームの試合前練習を中継したり、BIGBOSS本人がそれに出演したり、TikTokでライブしてみたり…。
こんな野球チームはこれまでなかった。僕らはまたファイターズに教えてもらったんです、「野球ってこんなに自由でもいいんだ」。

ファイターズは北海道へただ野球をやりにきたのではないんです。ただペナントが取れて、日本一になればいいなんてそういう価値観で野球をやってない。ファンと共に育ち、選手も育て、コーチも監督も球団も大きく育てていく。目先の一勝なんかかなぐり捨てて、3年先の5勝を平気で狙いに行く。いつも未来を見ている。
ファイターズはこの試され続ける大地に、「野球の可能性を信じてワクワクを開拓するフロンティアスピリット」を根付かせて、野球の可能性をさらに拓こうとしている。大袈裟かもしれないけれど、僕にとってファイターズはそういう「夢」を見せてくれる可能性に満ち溢れているんです。そりゃ1年365日、毎日夢見るに決まってます。今年は若い選手がたくさんたくさん経験して苦悩して成長する姿をこれでもかと見せつけてくれてます。この選手たちが来年はあの素晴らしい新球場で躍動するんですよ。こんな楽しいことあります?
僕はこれからもファイターズに夢を見続けると思います。未来に種を蒔き続けるこのチームがあるかぎり、ワクワクする夢をいつだって見られるのですから。

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