foxhanger@改造人間

ぼちぼち使っていきたいと思います。

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最近の記事

一般文学賞にノミネートした「第二世代」以降SF作家について

「ハヤカワSFコンテスト」出身の小川哲が第168回直木賞を受賞しました。  SF作家と文学賞といえば半村良が「雨やどり」で直木賞を受賞し(この作品は風俗小説)、小松左京、星新一、筒井康隆などの「第一世代」作家もそれぞれ受賞、ノミネートが複数あるのは知られています。しかし、それ以降の世代については、あまり語られることがありません。  そこで所謂「第二世代(70年代前半デビュー)」以降、SF系以外の文学賞にノミネートされたSF作家(SF系の新人賞、雑誌でデビューするか「SF系」と

    • 『図書館戦争』シリーズを巡ってあれこれ考えたこと(2008年6~7月執筆)

      2008年当時やっていたblogに載せていた記事です。昨今ネットで繰り広げられた論争(?)を見るにつけ、今出しておくのもいいかもな、と思って転載しました。文章がおかしいのはblogをそのまま転載したせいです。 『図書館戦争』と言論の自由と快楽原則と(2008/06/27(金)執筆) 『図書館戦争』アニメの放送が終了した。本作の放映が始まった頃、最近改装された千代田図書館で「蔵書に見る検閲」というような展示をしていた。戦前の蔵書には内務省が検閲した印が残っているそうだ。 原

      • SF大会だよ! 若おかみ

         夏のある日のことです。  秋好旅館のおかみと真月が、春の屋にやってきました。  出迎えた若おかみのおっこと、おばあちゃんへ向かって、おかみは深々と頭を下げました。 「じつは、お願いがあります」 「なんですか?」 「週末のSF大会のことですが……」 「えすえふたいかい?」  おっこの知らない言葉です。 「知らないの?」  今日もピンクのふりふりドレスを纏ったピンふり真月は、ふん、と鼻で笑いました。 「SF大会って言うのはねえ~日本で一番古いSFのイベントなのよ。SFファン、ク

        • 『ラブライブ!』と「神話」

          藤津亮太さん主催の「アニメレビュー勉強会」に提出したアニメ映画『ラブライブ!The School Idol Movie』のレビュー原稿です。こちらで公開させていただきます。  不思議な感覚だった。  『ラブライブ!The School Idol Movie』のストーリーを知ったとき、そして観ている歳中も、ずっと『映画 けいおん!』と比べていた。どちらも「音楽」を主題にして一世を風靡したテレビアニメの劇場版であるし、卒業=「解散」を前にした主人公たちのグループが海外に行き、帰

        一般文学賞にノミネートした「第二世代」以降SF作家について

          ショートショート「目覚まし時計」

          1989年作。「第二回ファンロード・ゲゲボコンテスト」ショートショート部門入選作です。 「ファンロード」増刊の「FRハンドブック'90」(ラポート)に掲載されました。  目覚まし時計  わしは目覚まし時計じゃ。型こそは少々古いが、ちゃんと時を刻むし、音なんか最近の若い奴らよりも大きいくらいじゃ。だのに、わしはずっと売れ残っていた。人間の奴ら、クオーツだのデジタルだのと新しいものばかり追いかけて、わしのような老いぼれにははなも引っかけん。  じゃが、そんなわしにも買い手があ

          ショートショート「目覚まし時計」

          「まわる」(第1回日経「星新一賞」入選作品)※掲載終了

          「SF Prologue Wave 2014年10月20日」に掲載されましたので、こちらでの公開は終了させていただきました。今後は以下URLから読むことが出来ます。http://prologuewave.com/archives/4518

          「まわる」(第1回日経「星新一賞」入選作品)※掲載終了

          「アニメレビュー勉強会」原稿『銀河鉄道の夜』と釜石線

          藤津亮太さん主催の「アニメレビュー勉強会」に提出したアニメ映画『銀河鉄道の夜』のレビュー原稿です。  想定媒体:「旅と鉄道」 『銀河鉄道の夜』と釜石線 『銀河鉄道の夜』のモデルになった鉄道が、原作者宮沢賢治の地元花巻を通っていた岩手開発鉄道、現在のJR東日本釜石線であることは有名である。現在釜石線には「銀河ドリームライン」の愛称がつき、各駅にはエスペラントの愛称がついている。  これからその路線を辿ってみよう。起点は東北本線の花巻駅だが、首都圏から乗るなら、東北新幹線の

          「アニメレビュー勉強会」原稿『銀河鉄道の夜』と釜石線