【センスオブワンダーを求めて】インプレゾンビとFacebookの架空美女アカウントが教えてくれる感性の「ツボ」
Xのインプレゾンビはつまらん。
善悪の話は横に置いといて、稼げるからというシンプルな構造があればまぁやりますわな。
その手綱を握るのは倫理観というなんとも心許ないもの。
バズった言葉やトレンドの言葉をひたすらに詰め込み、とってつけた猫の画像(アルゴリズムのハックか?)を貼る。
トレンド汚染とかフェイクだとか日本語でやった方が稼げるよという最近の動きもあるが、そこにあまり面白味を見出せない。
今日はそれよりもFacebookにコメント入れてくる、無限湧きする架空の美女についての話をしたい。
Facebookでコメントを送りまくってくる架空のアカウントはインプレゾンビとはちょっと違う。
最初のコメントは「どこでとってるのですか?」「この写真は素敵ですね」「あなたにメッセージを追加したので、友達追加してくれ」など変わり映えがない。
前提としてこの手の輩は基本スパムだ。
SNSでの詐欺の被害額がどんどん高まっいると世間を騒がせているが、ジャンルは大きく二つ。
1つは有名人を語るものだ。権威性を盾にして絶対〇〇すべき!というもので、あれよと詐欺被害に遭ってしまう。最近は前澤友作やホリエモンも自分を騙る広告などがあふれて、ガチギレで意見を表明している。
AIの力でディープフェイクなどもより容易に作成できてしまうので、ここに関しては対策が難しくもある。
もう一つは「ハニートラップ」だ。
最近ではいただき女子なるものが世間を騒がせたが、美女がお近づきになりたいと擦り寄ってくる。そしてあの手この手で金銭をせびる。
まず悲しいかな、美女が縁もゆかりもなくネット上からいきなりアプローチしてくる、そんなことは基本的にありえないのだ。
しかしデジタルに不慣れ、それでも時代の波でSNSアカウントを持ってしまい、中途半端にお金も持っている方には恐ろしいトラップになりうる。
先日、あるアカウントにあえて一度返信をしてみた。
一度返し出すとやり取りが斜め上でこれがまた面白い。
それ以来、こうやってコメントを入れてくるアカウントにはなるべく律儀に、それでいて自分も色々なコメントを投げ返してみた。
その中でも一つのアカウントとのやり取りが非常に発展したので具体例として取り上げよう。
なんでも彼女(?)は名古屋出身で青島在住、家具と翡翠の会社を切り盛りしているらしい。
ちなみに5月末時点、現在のプロフィールの座右の銘は「自分が積極的にまじめに生きようとしないのならどんな知的な答えを得ても無駄です」とのこと。
お前が見ず知らずのやつをたぶらかせようとする前に顧みてくれ。
あくまで「実験」としてMessengerでやり取りをする。
たわいもない会話や行ってみたいです!その時は会いたいです!と打ち込んでくるのでフェイク情報を混ぜながらをやりとりする。
一通り会話が弾むと、LINEに誘導し始めた。
ついに尻尾を出しやがったな!と思いつつも泳がせてみる。
どこかで決定的矛盾を勘破してやろうかと考えながらも、かなりやりとりに人間味とリアリティを感じてちょっとずつ自分がぐらつき始める。
この人(なのかもしれない)は本当にただ日本が好きなだけの善良な人なのかもしれない。
本当に本物だったらめっちゃ申し訳ない。
ただ普通見知らぬ奴といきなりFBコメントしてLine交換してあいたいですなんて言わないよね。そうするだけの動機ってなんなん。
セキュリティ的におっかなびっくりしながらもそこにある莫大なる好奇心のもと、Lineを追加したのだ。
そこからはまたやり取りをするのだが、妙に距離を詰めようとしてくるのだ。
ああ、そういえばわざわざステータスに離婚と書いているのだからな、と合点がいく。
ちなみにこの既婚、とか離婚、とかってステータス機能は僕がリアルに遭っている人では9割の人が使ってない。
やり取りをするうちにこいつからは絞れる可能性が低いと判断されたのか(あるいは情報とかをみて将来性が薄いくて絞りがいがないと思われたか笑)5日ぐらいやりとりして返信がはたと途絶えてしまった。
あんなに自分の返信が来ないことにせっつくようにおいラインしてきたのに、飽きてポイかよ。
自分もブロックしてトークも削除したが、言われもない寂しさを感じた。
これは僕がこのスパムもどきにさまざまなやり取りを通じ、人格性や実存性を感じ始めていた、一つの実感なのかもしれない。
とまぁことの顛末はこんなくだらないことだ。
アイコンで見えるガワが画質ビガビの美少女で出生地や職業や出身校の情報の整合性がぐっちゃぐちゃ、99人がまぁ詐欺だよね、こいつにスパム報告する時間すら惜しいわアホとなるところ。
これこそが僕にとってのツボである。
相手は機械でも家族でも友人でも赤子でも動物でもなんでもよくて、何かと何かの有機的なフィードバックが起きる不確実性に脳汁が溢れてしまう、そういうサガなのだろう。
例えるならばキャッチボールをしていて、投げ方に緩急をつけてみたり、リズムを早めてみたり間合いをとってみたり、球種もコースも変えてみたりという、極めてヴィヴィッドな目論見である。
仮にこやつがおっさんだったとしても、詐欺グループの手下だったとしても、旬を過ぎてチヤホヤされたかったマダムだとしても、仮面をかぶって脳に汗をかきながらこいつ(僕)からどうやって絞り取るのか知力を尽くして考えてくれる。
そこにワクワクとか愉悦とかとも違う言語化しきれない何かを感じてしまう。
なんというか「もっと俺を愉しませてみろ」的なヒール感満載で呪術廻戦の宿儺みたいだ。
はい、詐欺は犯罪だからやめようね!
もちろん僕はいくらでも相手するので対戦希望者はじゃんじゃんコメントください。
そしてこれはMIMIGURIという組織を研究する会社の安斎勇樹 さんからこじつけ的に借りてくるがこれもいわば「探求」なのかもしれない。
ここら辺の言語化はまた蓄積したら自然と溢れていくだろう。
そんなこんなで今後もスパムと僕との終わりなきせめぎ合いは続く。。。
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