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秘めた想いも咲くチャンスは来る

これは今世占い師をしていた方と私の物語。

私の名前はソフィア。
国はどこだろう。
褐色の肌をしている私。

私は花摘の仕事をしていた。
何人もの女の子と共に。

決して裕福ではないが、とても幸せな毎日だった。

ある時領主が変わった。
その領主の息子が、その占い師の方だった。
名前はアレン。
“アレン様”と呼んでいた。

アレン様は気さくな方で、私たちの憧れだった。
そして、気さくな性格からか村の男たちの仕事を手伝ったり、食事を共にする事もあった。

そんな姿を遠巻きに見ていた女の子達、そして私も…姿を見かける度にドキドキしていた。


ある時…。

村の長老に届け物をした帰り、日がくれる道を急いでいた。
その時偶然出会った。
アレン様だ。

うつむいて走り去ろうとしたが、止められ、遅くなるからと馬に乗せてくれた。
恥ずかしくて何も話せなかった。

家の近くで降ろしてもらい、礼を言うとアレン様は笑顔で去っていった。

その事は誰にも言わなかった。

たまに村に来るアレン様。
馬の名前はサーシャ。

アレン様は皆の憧れ。

ある時また出会った。
今度は(孔雀の)羽のようなものがついた置物を頂いた。異国のものだろうか。

その後…何度か二人で話す事があった。

私は嬉しいけど、恥ずかしい。そればかりだった。

そして…月日は流れ。

ある時、

「僕は結婚をする」

そう告げられた。

私は
「はい…」

とだけ答えた。

今の私から見れば、お互い想いあっていました。

その後は、
ソフィアも結婚し、たくさんの子供達に囲まれて幸せに暮らしました。

そしてアレン様も結婚して、領主となり、跡継ぎも産まれ、私たちの暮らしをずっと守ってくださいました。

彼の口癖は、

「皆が笑って暮らせればそれでいい。だから君も笑顔で。もちろん僕もね(笑)」


そんな、思い出すと甘酸っぱいような秘めた想い。

それが今世…。

占い師の方は女性。

だけど、バレンタインにはチョコレートを送り合う、そんな関係になっています。


『秘めた想いも咲くチャンスは来る』

きっと。

必ず。

だから、諦めないでいい。


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