The Old Guard

普段は身を潜めて生きる”なぜか死なない”という特殊能力を持つアンディ(=シャーリーズ・セロン)、ブッカー、ジョー、ニッキーが、元CIA工作員コプリーの罠にかかり、”死なない”理由を解明し利益をむさぼろうとする組織に狙われて大変、という映画。

「特殊能力を持つ人達が、ある組織から狙われ攻撃される」で思い浮かぶのは、DCコミックス原作の”ウォッチメン”。”ウォッチメン”も個々それぞれ特殊能力を持つスーパーヒーロー達が、その存在が邪魔になった組織から命を狙われるという映画。

かつ、”ウォッチメン”のスーパーヒーローたちは、実はあらゆる歴史的な出来事(ケネディ暗殺やベトナム戦争など)に裏で関わって、世界を動かしていましたという説明がタイトルバックになっていて、これが超震えるんだけど、オールド・ガードの死なない4人も実は、ありとあらゆる歴史的出来事(十字軍遠征からクリミア戦争、太平洋戦争、キューバ危機など)に関わっていて、歴史を決定付けていたという設定まで、まさに”ウォッチメン”と同じ。(この辺の類似性は、脚本家のグレッグ・ルッカ自身が、DCの作品をたくさん手がけているという影響があるに違いない)

ただオールド・ガードについては、特殊能力が”死なない”と”老いない”(まだもう一つあるけど詳細は本編を)っていうことだけで、それ以外の強いとかそういうのは、後天的に取得している点や見た目は普通の人間という点は、スーパーヒーローというよりかなり人間味があるキャラクター設定になっている。マーベルのようにファンタジー要素の強い”ヒーローもの”(個人的にこれがすごい苦手)より、この”人間らしさ”によって、より親近感を持って死なない彼らと向き合えるというのが、オールド・ガードの魅力かと。

あとやっぱりシャーリーズ・セロンのアクションは、見どころ。食事しながら観てるとそのアクションの迫力に箸が止まるくらい。アクションのスピード感とキレに伴って、映画自体の展開も早いので2時間あっという間。

細かい話を始めるとキリがないけど、”ヒーローもの”というジャンル映画にカテゴライズされはするけど、特殊能力(この特殊能力についても、他のヒーローとは違う”ある性質”があり、それもさらに人間らしさを感じさせる)は持ってはいるけど人間味があるというのが、他のどのヒーローより魅力的に映るというのが、この映画の面白さ。

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