紺に染まった味蕾を通じて 性的な快楽がけん玉のように跳ねる そのピンク色は どこか懐かしい味がする 部屋の中に落ちている ちぢれた毛が気になりだして 剥げた床のワックスを 一時的に忘れられるのならば ヒューマン 確かにこの感覚が君で ああ ヒューマン 未来でその記憶を掘り起こさなくていいほど 今が永遠なんだ 口の中で変質した唾が 大昔の獣の感覚 その味を超える愉悦は そんなには多くないのだろう 部屋の中に浮いている 小さな羽虫が気になりだして 割ってしまったその花瓶の
シナプスを駆け巡る1000羽の鳩が 灰色の曇天に擬態する 楽観のPoetryが蔓延るこの世の地獄 出来立ての人工知能で海馬をCookingしたい 黒い絶望が指の先まで生成されて 無限であるはずの組み合わせに酔って あの日の冗談みたいな痛みも 嘘みたいにこだまし続けている声も 百年の孤独を彩っていく 虹彩の中に住む一万の蝶が 虹色の青空に迷彩を施す 厭世のMusicで踊るこの世の歓び 煤汚れた半導体で眼球をHackingしたい 奥歯から生まれた葛藤が 無限であるは
橙が駆け抜ける夕暮れ 真っすぐな瞳をふと思って 僕は少し立ち止まった 失っていく何かしら 心臓が急ぐから体もついていきたがり きっと君もだろうけど また飽きてしまうんだ 分かっている 分かっている それでいい それが正しい 碧が響き渡る青天 愛しい眼差しの奥に吸い込まれたら 忘れたくない気持ちと出会った 身体が教えてくれる終わりが 僕たちを飽きさせないから 繰り返していこう 堂々と失っていこう それがいい それも正しいんだ
心臓のある胸の中に 確かに恥じらいを感じて 顔が真っ赤になる 憂いのあるその眼は 何も語らない 甘いクッキーの味 友の声は もう聞こえない その若さは 思い出せはしないけれど その勇気に救われた
言葉を雑巾のように捩じっていたら 内臓脂肪が垂れ下がってきた 酸っぱい惨めさがどこから来るのか 長年解けなかった謎のヒントになるだろうか 頭蓋骨を外して歯磨きをしたいほど こびりついた思い込みが取れないんだ 退屈すぎて 死にそうなんだ 今にも呼吸が止まりそうだ だから ドアを蹴破らないといけないんだろうな 言葉を雑巾のように捩じっていたら 見るに堪えない気まずさが滲み出て それを捨てられない思い出に浸して 説明不能な満足感を得る 心臓を挿げ替えて別人になりたい
腹の中で ようやく落ちていく言葉が 忘れかけていた興奮をもたらす 少し救われたような気持になる 移ろいゆく景色の ひとつひとつを触って 眼の中で削れていくのを見ていたよ それも悪くないな、と思う 全てを抱え込むには 心はもろすぎるから 経験したことが正しかったどうかは 誰も分からないさ 有名人の訃報が舞い込んでくる 肉体が弾薬代わりの国よりはマシなのか コンビニで 善意のない募金をしても それは変わらないだろう 風の中に舞っている答えが 教科書に書かれた権威を馬鹿
星空のカーテンの下 一本の木が堂々と立っている その枝は高く伸びて 雲に触れるようだ 葉は風にそよぐ 音のシンフォニー 誰も見つけたことのない 自然の音色 木は強く立って どんな嵐にも負けない 弾力性の象徴 終わらない物語 私の背を遥かに追い越して その枝は高く伸びている 私は美しさに気づかされる 景色に溶け込んでいた美に 私たちは皆、耳をすまそう この木の発する声に 真実を教えてくれる そして常に自分の道を見極めることを
何者にも成れなかったから 何者かを憎んで 自分の小ささに気づかずに 人の成功を呪って これでいいよ これでいいよ 脳の中でこだまする 本当の自分はどこにも存在しない 長らくそれに気づけなかった 怒りの炎が胸の中で燃える 自分の小ささが憎い これでいいのか これでいいのか 脳の中で反芻する言葉が 僕を揺さぶってくる 本当の自分は最初から居ない 幻のように消えて僕は泣いた
君は青空のように正しいよ グレーに曲がっている僕よりはずっと 核弾頭でも壊せない覚悟で 新芽みたいな愛を語るんだ ヨーイドンで走り出して 絡まって切れた赤い糸 どす黒い虚しさの刹那に 正しい君の声が聞こえた 恋をしていた 無思考ガール 無思考ガール 痛みの中に快楽があった 無思考ガール 無思考ガール 思考の末の無思考 無思考の先にある希望 君に会ってからだって 生きる意味を知りたいんだよ 君はマグマのように輝いている 僕は身を焼き尽くすだけさ 水素爆弾よりも
僕の中に感じられる 「後ろめたさ」が 僕の「膿」を濯いでくれている 巡り巡って きっと何らかの形で 僕自身に撥ね返るだろう それは未来の予測である 「何もかも」を晒して いっそ楽になってしまいたい それでもいいのだけれど きっとそうはしないだろうな 傷つくことへの恐怖から心を守るために 僕は胸の奥の扉に鍵をかける それが「無力さ」の証明だとしても
この胸を満たす絶望が いま この身体を動かしている 分かっているつもりだ 「罪」が何なのかを あの日の母の姿が 何度もフラッシュバックして 何もかも失くした この胸を満たす憎しみが いま この手を動かしている 鼓膜を破って 突き抜けるような音が 目に焼き付いた光景を 忘れさせてくれる 理解できるつもりだ 「愛」が何なのかを 不思議と恐怖はない 全てを失くして もう失うものがないから
Around 20 いつかは来ると知っていた いざ来てみると とくべつ何も思わないけどさ Around 30 僕は僕のまま 何も変えられないまま 少し残念な気持ち 本当に必要なのは お金でもなくて 自信でもなかったよ いつかは来ると知っていた 本当に触れて 感じられているこの身体の鼓動 それが僕という人間のリアル 内側からしか見えない景色 本当に必要なのは 地位でも 名声でもなかった もう会えなくてもいい 内側の景色が輝いているなら また会っても それでもいい
少しだけ ほんの少しだけ 地殻が 年単位でズレるように 少しだけ ほんの少しだけ キーボードの擦れる音 遺骨は何も語らないけれど 少しだけ ほんの少しだけ 流れた涙 見逃さなかった 少しだけ ほんの少しだけ 空いた白と 細やかな指の動き 君のこと 思い出せたよ 傷は癒えても 痛みは残ったまま 愛おしい体の悲鳴 少しだけ ほんの少しだけ 揺れた 揺れたんだ 身体 少しだけ ほんの少しだけ 言葉が 言葉が浮かんで 僕は嬉しくなった 少しだけ ほんの少しだけでも エ
伸びきった髪の毛に 大嫌いなマヨネーズを垂らして 神は遊んでいる 腐った匂いが鼻に残って 体の一時的な所有者が権利を主張する 言う事を聞かなくなった老犬のように 三千里先に居る命の恩人は くしゃみをしながら思うだろう 生きながらに或るであろう罪を 気の長くなるような沈黙の果てに 走り出そうとした会話が 明日の夢に変わるだろう
いつ最後に会ったのか 覚えてすらいない どんな会話を交わしたのか 柔和な笑顔 頭の片隅に残る 小さな情報 涙は出なかった 驚きはしたが いつかまた会うことはないのだ それを分かっているけれど 何もできない気がして いつものように どうしようもなくなってしまう
緩やかに悲しみは薄れ 優しい記憶も同じ 何気ない夕食の一コマ 取り敢えず息を繋いだ 頭が同じ景色を忘れてくれないから 仕方ないじゃない 新しく買ったヘッドフォンで どんな音楽を聴こう 流れる血は答えを示さない それでも通り抜ける他ないよ sadness さよならの時に sadness 君の声をまた聞かせて