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涙が止まらない夜

本当は、しんどくてしんどくてたまらなかった。
でも、口にしたら壊れてしまいそうだった。

口を一文字に結んで、ずっと我慢してきたものが。
鉄壁の笑顔で乗り越えてきたものが、崩れてしまいそうだった。

「誰かがどうにかしてくれるわけじゃない」
「だったら、私一人で頑張らないと」

って、そういう思考なんだ。
私の思考はいつもそう。

みんな同じ。
誰もが、日本中が、世界が、同じ恐怖の中にいる。
いつ、どこで病魔にさらされるのかわからない、緊張の中にいる。
それは、常に銃口を向けられているようで。
溶岩の海を綱渡りしているようで。
いつ、何時、風向きが変わるかわからない。

後ろ髪を掴まれたらそれでおしまい。
そんな果てしない緊張感に、とにかく疲れた。
同じ思いの人は多いと思う。

2月末から、小学校が臨時休校になった。
3月半ばに、怪我で療養していた義母が在宅復帰した。
家族五人揃うということは、とても尊いことで。
と同時に、今回ばかりはものすごい閉塞感を伴っていて。

しんどかった。
子供たちの家庭教師をすることが。
義母の排泄介助をすることが。
家中がピリピリしているのは、誰のせいでもない。
いや、それは私のせいなんだと自己嫌悪したり。
でも、こんな状況下で他にどうすればいいのかわからなくて。

終わりが見えない日々に、擦り切れそうだった。
がんじがらめだった。
時間と、心と、様々なプレッシャーが迫ってきて、苦しい。苦しい。

逃げ出したい、のに外は未曾有の大混乱にあってそれすら叶わない。
口を開けば弱音しか出てこないのが、嫌で。
それでも毅然と振る舞うには、心が足りなくて。

言葉を閉ざすのが簡単だと思ったので、発信できずにいた。
今ようやく、止まっていた心が戻ってきたように思う。
ささくれだった気持ちを開放しても、崩壊しない程度には耐性がついたように思う。

人の心を溶かしてくれるのは、いつだって同じ人の心だ。
気遣いや、思いやり。
こんな状況だからこそ、互いを思う気持ちが、強く相手の心を揺さぶる。

この世界に生きていて、やっぱり私は幸せだと、そう思う。
心から。

親愛なるみなさま。
この文章を最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

まだまだ、頑張ろう。
くじけずに、歩いていこう。
でも今日は、ちょっとだけ心を緩めよう。
まだ見ぬ明日のために。

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