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De Zerbiのトレーニングまとめ

前書き

トレーニングを観察することは、戦術のアイディアを理解する上で非常に役に立ちます。以前書いた戦術分析もトレーニングから読み取れるDe Zerbiの意図を汲んだものです。

今回は、フォロワーさんと話していたら、De Zerbiの練習面白いよねという話になったので、トレーニングについて書いてみます。

De ZerbiのトレーニングはTwitter上で多くの方が分析されており、今までちまちまBookmarkしてきたのでそれらをちょっとまとめてみようといったところです(ついでにいちいちBookmarkから探す面倒な手間が省ける)。トレーニングだけでもBrightonの監督が何を重要視しているのかがわかると思うので、Brightonの試合をレビューする時に参考にしてみてくださいー⚽️

また、サッカー素人がトレーニングを理解しようとしても限界があるので、コーチをされてる方にご教授を賜りたいなと思い、自分の浅い理解ではありますが一度文字に起こしてみます。

De Zerbiのトレーニングに対する考え

トレーニングを見る前に、De Zerbiの発言などから読み取れるトレーニングに対する考えをいくつか紹介します。

De Zerbiは技術を重視している監督です。姿勢やチームメイトの利き足といったレベルでの理解を選手にトレーニングで強く意識させていると考えられます。

私は個人のスキルやテクニックに関心があります。それらがなければ、自陣でボールを保持できません。パスを受ける際の姿勢や、チームメイトの利き足へのパスといったレベルまでの試合の理解、そしてミスを受け入れる勇気だよ。

Why Brighton hired De Zerbi: Guardiola’s influence and ‘Potterball’ evolution

また、戦術・技術のみならず楽しさがチームの核であるように、トレーニングでも核になっているはずです。

Di Marzioは、その背景を説明します。現在のクラブの合言葉は統合で、それは戦術、技術、楽しさの3つの要素が核です。

Sean Lunt
De Zerbi including ‘three ingredients’ in Brighton training – Has early ‘advantage’ thanks to Potter

De Zerbiの戦術は自陣でパスを繋ぎ、試合をコントロールしようとする大きなリスクを伴うサッカーです。そこには勇気と自信が必要です。実践的な形のトレーニングや、技術に重点を置いたトレーニングはそれらを与えられそうです。De ZerbiのBrightonでの初陣のLIverpool戦から、De Zerbiのアイディアが現れたプレイをしていたことからも、勇気や自信は試合のみから得るものではないことがわかります。

監督の仕事は、チームにゲームをプレイするための態度を与えることです。これは、戦術的な観点からだけではなく、主に考え方と勇気です。そして、それは時間がかかるプロセスです。

Crotone-Palermoの試合前の会見より

トレーニング

Ben Hallさんのこちらの動画でDe Zerbiのトレーニングがまとめられてます。ただ、細かいトレーニングの解説がついてないのでこの動画のトレーニングの分類に沿って解説を加えていきます。

大まかなトレーニングの分類

Ben Hallさんが動画でも言及されているように、以下に示した動画に含まれる練習以外にも、SAQ(Speed & Agilluty & Quickness)トレーニングや11vs11のゲームも練習に組み込まれていると考えられます。

・パス技術の連続的な練習
・ロンド(5vs2・8vs2)
・ポジショナルゲーム(4+1vs2・6+1vs2・8+1vs2・4vs4+3・10vs6)
・スモールサイドゲーム(3vs3・6vs6・6vs6+1・7vs7 )
・11vs0・フィニッシュパターン

意図がよくわかるトレーニング

意図がわかりやすいトレーニングをいくつか紹介します。

狭いエリアでの連続的なパス練習

・限られた狭いエリアでのトラップ&正確なパス
・テクニックの安定性

4vs4+3のポジショナルゲーム

・左右にある2つのゾーンをボールを行き来させる
・プレスを片方のサイドで引き付けて、逆サイドに数的有利な状況を作る

こんな感じで赤vs青+黄という構図です。
選手を見ると、黄色のラインはBrightonのRB-CM-LBになっていますね。そして、赤と青の選手はそれぞれCBとAMとCMになっており、Brightonのビルドアップを模倣したものであることがわかります。

動画の前半
動画の後半
Everton戦のBrightonのビルドアップの形

この動画の元の動画はこれです。ツイートより画質が良いです。

GK+4+1 ビルドアップ(Sassuolo)

・相手のクリア→GK+4+1でビルドアップ
・CBのプレスベイティングの意識強い
・CB間の距離を一定に保とうとしている?
・CBのパスの選択肢は中央を優先
・できるだけボールを中央で保持しコントロールする

パストレーニング

・Ben Hallさんの動画のBrightonの4:36-
・レイオフ・3人目
・特にフィールドのサイドのエリアではトレーニングと同じように3人目の動きを用いた前進を試みることが多い

パターンプレー(Sassuolo)

・フィニッシュまでの多彩なパターンのトレーニング
・イメージの共有
・ファイナルサードでのボールの行き先の一つはウィング
・ウィングが相手サイドバックと正対→サイドバックのインナーラップ&オーバーラップ

3-2-3のような配置で、3のワイドからスタートしてフィニッシュまで。

DFを引きつけてからパスする意識

フィニッシュパターン(Foggia)

・レイオフ→スルーパス→カットバック

こんな感じ

まとめ

このようにトレーニングを見るだけでも、何を重視していて、どのようにビルドアップして、フィニッシュしたいのかが見えてきますね。

Brightonの試合をレビューする時の参考にしてみてくださいー⚽️

あと、素人目線だと、試合よりもロンドのトレーニングの方が、よりアップで映像を確認できたり、問題がある時はコーチがプレイを止めたりするので、ボールを受ける時の適切な体の開き方とか、角度とかポジショニングを理解しやすく、そういう要素を勉強するのに向いているなーと感じました。

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