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「株価の大幅な下落!」というニュース、 投資のプロはどう捉えるの?|資産運用の図解教室(番外編ー後編)

前編よりつづく)

投資をする上で、長期的な目線を持つことの大切さを知ったモネ。

でも一つ心に引っかかっていることがあった。
それは投資における「マイナス」についてだった。

普通に考えると、マイナスっていいイメージが湧かないし、「マイナス」なら「プラス」の方がいい!

そんな漠然と思うモネの前に、またまたブルベア先生が語り始めた。

そもそも「マイナス」って何だ?

モネ:
先生、長期的な視点で投資をすることの大切さはわかりました。

「今が良くなくても、先々はどうなるかわからない。だから長い視点で物事を見よう」

という気持ちは大切にします。

でも、ジブンはどうしても、「マイナス」という言葉を聞くと、やっぱりガッカリしちゃいます。

ブルベア先生:
なるほどな。突然だがモネは「プラス」と「マイナス」って言葉を聞いて、何を連想する?

M:
う〜ん、プラスは、「得した」気分だったり、たとえば学校の成績も、「マイナス」より「プラス」の方がほめられるイメージです。

「プラス」か「マイナス」どちらかを選ぶなら、お得そうだから「プラス」を選びます。

B:
なるほどな。じゃあ「マイナス」って聞くと、どんなことを連想する?

M:
そうだなぁ、「マイナス」って損した気分だし、ジブンの人生、できれば「マイナス」は少ない方がいいです。

お金や幸せって、たくさんあった方が嬉しいじゃないですか!

あ、先生の場合、最近体重増えてるから、体重だけは「プラス」より「マイナス」の方がいいですね。フフフ。

B:
うむ、最後の一言は余計だけれど、
世の中のイメージは
「プラス=いい」「マイナス=悪い」
だね。それは間違っていない。

でも、投資や資産運用において、「マイナス=悪い」と言い切れるのか?というと、必ずしもそうではないんだよ。

M:
ええ〜!?どういう意味ですか?
でも投資における「マイナス」って、預けているお金が目減りするってことですよね。

B:
うむ、「ある意味」ではな。でも見方を変えれば、必ずしもそうとは言い切れない。


どのポイントで「マイナス」か、によって見え方が変わる

B:
ここでモネに問題だ。ここにタヌキ汁を作っているポンポコ株式会社があったとする。

ここ1年間において、このポンポコ株式会社の1株あたりの株価の動きは以下だったとしよう。

この株をこんな仲間たちが以下の時期に1株ずつ買ったとしよう。今は20XX年12月だとする。

さて、現在(12月)の段階では、それぞれいくら儲かって、いくら損をしているでしょうか〜?

M:
えっと〜、こういうことかなぁ?


ウマさん)
10,000円で買った株→8,000円になったので、2,000円のマイナス。


ネコさん)
8,000円で買った株→8,000円になったので、プラマイゼロ


ブタさん)
6,000円で買った株→8,000円になったので、2,000円のプラス


ウシさん)
15,000円で買った株→8,000円になったので、7,000円のマイナス

B:
そうだね、その通り。じゃあこれを見て、何か気づくことはあるかな?

M:
うーん、ブタさんは、株が2,000円高くなったので、ラッキーですよね。

でもウマさんとウシさんは下がってしまったので、ちょっとガッカリですね。



つまり、ブタさんは「プラス」、その反対でウマさんとウシさんは「マイナス」ってことなんじゃないですか?

ブタさんは得をして、ウマさんとウシさんは損をしたってことですよね。

B:
確かにそうだね。続きの話をしようか。

ブタさんは「ラッキー!上がった」と思って、20XX年の12月にその株を売って2,000円得しました。

ウシさんは我慢して、12月には売らずにおきました。

すると、次の年の2月に、その株価が18,000円になりました。ウシさんは、3,000円得しましたとさ。

M:
あ〜ウシさん売らずに持ってた結果、ブタさんよりも儲かったんですね。めでたしめでたし。

B:
もちろん、上がる保証はないし、将来その株が上がるか下がるか予想するのは難しい。最終的には自分で判断しなくちゃいけない。

それも大切だけど、ここで強く言いたいのは、
「目の前のマイナスだけを見て一喜一憂せず、長期的な視点でも見よう」
ということだ。

冷静に考えることの大切さ

M:
先生、もっと詳しく教えてください。

B:
たとえばモネが、
「1月にこの株を10,000円で買ったウマさん」
の気持ちになってみよう。

8 月に6,000円になりました。どういう気持ちになるかな?

M:
うーん、自分が10,000円で買った株が4,000円下がったので、ガッカリって気持ちですね。

B:
では、もし8月にその株を6,000円で買って、10月に15,000円になった時はどう感じる?

M:
6,000円だった株が15,000円になってよかった!9,000円も上がった嬉しいなって思います!

それがどうかしましたか?

B:
何を言いたいかというと、同じ6,000円でも、見方によっては
「将来プラスに変わる可能性がある」

ってことだ。

世の中的には「マイナス」っていう言葉はあまりいいイメージはないね。

でも投資の世界で考えると、「マイナス」の状況は、もしかすると将来、そこから好転する可能性があるかも…ってことになる。

もちろん今の「マイナス」が、この先もっと「マイナス」になる可能性もあり得るんだけどな。

M:
先生、ジブンはなんとなくわかってきました。

もちろん、この先どうなるかわからないし、投資は自分の責任でやらなくちゃいけないんですよね。

そして今「マイナス」でも、応援している企業やテーマが将来成長すれば、「プラス」になる可能性もある。

だから長期的な視点でみることも大事なんですよね。

B:
うむ、まさにその通りだ。
ワシは約30年以上資産運用の経験があるがな、今まで何度も株価が下がって市場が混乱するのを見てきた。

その度にいつも大切にするのが「冷静に考える」という姿勢だ。

確かに目の前で株の値段が下がるのって、不安になるかもしれない。でも逆にそういう時こそ色々なことが学べるものなんだよ。

それは今、この世の中で何が起きていて、これから世の中がどうなっていくのか、そんなことを学べるチャンスと言ってもいい。

だから目の前の株の値段の上下に踊らされず、長い目をもって自分の資産を運用していこうという気持ち、これがとても大切なんだ。

ワシはモネにそれを伝えたくて、ちょっと旅に出ていたんだが、ひょっこり戻ってきたんだ。


おっとそろそろまた旅に出る時間だな。
また困ったことがあったら、いつでも連絡しなさい。

マイナスという言葉に不安しかなかったモネだったが、ブルベア先生のおかげでマイナスという言葉もプラスに捉えられるようになったようだ。

モネの心の中に、「ピンチはチャンスの可能性もあるのかも?」と思える心の余裕が芽生えはじめたのであった。

※『資産運用の図解教室』 全20章 目次はこちら
※番外編の前編はこちら

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