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スベり高等学校

先生、どうしても私、高校に受かりたくないんです。

どうした、木村。藪から棒に。就職したいのか。

いえ、ふつうに高校に行きたいです。でも、受かりたくないんです。

まったく要領を得んぞ、木村。

つまり高校へは行きたいんですが、合格したくないんです。

しかし高校に行きたいなら、試験に受からねばならぬ。これが世の道理だ。

だから私、毛が抜けるほど悩んでるんです。

案ずるな、木村。貴様にピッタリの学校がある。スベり高等学校を知ってるか。

え、スベ高? ムリムリムリ、ズベ公には絶対にムリ。

あそこは誰も受からん。受かったらスベるんだから。しかし大学付属だから人気も高い。エスカレーター式にスベり大に行ける。

スベり大に? エスカレーターで?

そうだ。しかしスベ高は必ずスベるし、スベらなければ受からない。さぁ、どうする、木村!

わたし、頑張ってスベります!

よく言った、木村! 先生はその言葉を待っていた。本番まであと百日。しっかりスベってこい!

はい!

(410字)


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