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【メンテナンス情報 MTB】嫌な予感...

皆様こんにちは。FORZAの風間です。
メンテナンスで持ち込まれたバイク。

ご依頼いただいたのはブレーキのフルード交換、
シーラントの補充。

オーナー様が几帳面な方だからなのか、
いつもバイクはピカピカ。

ただ、作業台に乗せるため外していた前輪を回すと。。。

・嫌な音が。。。

この通り。ガラガラと音を上げて回っております。
見なくても分かるベアリング終了のお知らせ。

想像通り後輪を回しても同様の音色。
まずはスプロケットを外して
どのベアリングがダメになっているのかを確認。

ハブシャフトの先端が白く腐食しています。

までもなく。フランジ内のベアリング、フリーボディのベアリング
ことごとく全滅。

案の定フリーボディもドロドロ。
汚れたオイルの様に見えますが、ほぼ泥水。
ベアリングも錆びてシールは茶色く変色しています。

中のシャフトも綺麗に腐食

ちなみに、ハブはINDUSTRY NINE HYDRAベースのOEMハブ。
INDUSTRY NINEは当店でもユーザーさんが沢山いらっしゃるので
ベアリングやシール類は常備しておりますが

使用しているベアリングのサイズが
純正品とは微妙に異なっているというOEM系の罠。

特にフロントはなかなかニッチなサイズを使用していて、
ベアリングの手配に少々手こずりました。

幸い表面の腐食だけでそこまで根は深く無かったので
こちらを落としていきます。

・クリーニング

アルミ用錆取剤で削り落としていきます。

こんな具合に。
表面を削って錆を落としているので
何度も同じ作業は出来ませんね。

ベアリングとの接触部分はルーズになると
ガタが出てしまいさらなるトラブルに繋がります。

後はいつも通り。クリーニングを行い
新しいベアリングに打ち換えていきます。

・グリスアップと組み立て

水分に強いグリスを塗布して

ベアリングを圧入していきます。

内と外からグリスで挟み込んで保護します。

フリー内はI9指定のフリーハブオイルを少し多めに。
グリスはあまりお勧めしません。690ノッチもあるので、
フリーが重くなってしまいます。

爪、板バネ全てクリーニングしてベアリングも新品に。
最初の状態とは比べるまでも無いですね。

・ビフォアアフター

比べて見ましょう。まずは作業前

駆動の際に「ゴォォォ…」となっているのが分かりますかね。
錆びたベアリングが回転しているので
このような音になります。

もちろん全て駆動抵抗。
それでは作業後いってみましょう。

分かりますかね?
ギアが噛み合う音だけになりました。
気持ちが良い!

・今回のトラブルの原因について

オフロードで使うマウンテンバイク。
乗車時の汚れや水分はあると思いますが、

今回は乗るたびに洗車を行っていたことによる
水分の進入も大きな要因のひとつかなと思います。

これらは事前の処理で未然に防ぐというか、
長持ちさせることが可能です。

ユーザー様ダイレクトの商品は
価格、自宅に届く手軽さ等、大きなメリットがある反面、

納品時に十分な処理がされていないので、
オフロードで使う方は今回の様に
ベアリングが腐食したり、

見えないところでトラブルが発生する可能性が高いです。
ホイールだけでなく、ヘッド、BB、リンク。

使い方にもよりますが、ハードに使う方は
何も処理を行わなければ1年も
もたないんじゃないかなと。

当店でマウンテンバイクを購入いただく場合、
一旦フレームまで分解をしたうえで納品させて頂いております。
別途工賃を頂いておりますが
こういったトラブルを未然に防ぐ効果もございます。

よろしければ参考までに下記の記事も読んで頂ければ幸いです。

ユーザー様ダイレクトの商品は
お安く手軽に買える分、乗り出しをちょっと我慢。

事前のメンテナンスを行う事で
より快適にお使いいただけると思います。

もちろん当店でもメンテナンスを承っております。
気軽にご相談ください。

オーナーのY様。
お写真の提供ありがとうございました!

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