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【インプレッション】FACTOR OSTRO VAM 49サイズ

こんにちは。

つくば市のスポーツバイク・プロショップ
BIKE SHOP FORZAの東(アズマ)です。

2023年7月16日より
FACTOR OSTRO VAM の試乗車をお借りしており
運良く、自分が乗れる49サイズということもあり

早速、乗ってみました。
ちょっと、びっくりしたので
珍しくインプレッションを書き残しておこうと思います。

雑誌っぽい文体でいってみたいと思います。
(注:7000文字超のダラダラと長いスタイルです)
では。


はじめに

言っておきたいことがある。
私は、あまり機材を気にしないほうである。
フレームが硬いとか柔らかいとか。
脚にくるとかこないとか。
そんなの、乗り手が調整すれば済むことだ。

バイクフィッター目線から、
機材を軽くみていたところがあるかもしれません。

大変申し訳ございませんでした。
このバイクは、非常に特徴的であり。
かつ、めっちゃ速いです(語彙力)

批判を頂くことも容易に想像できる
雑な文章(表現)であることは、百も承知の上で。

率直なファーストインプレッションを
お詫びを添えて、最初にお伝えしておきたい。

試乗車の仕様

今日、乗ったバイクのスペックを最初にお伝えしたい。

フレーム   FACTOR OSTRO VAM 
サイズ    49
ハンドル   BLACK INC ステム一体型 400mm/90mm
シートポスト オフセット25mm
サドル    Selle Italia SLR Boost Superflow 145mm
ホイール   BLACK INC FORTYFIVE C DISC
タイヤ    GOOD YEAR EAGLE F1 700x28c
コンポ    SRAM FORCE eTap AXS
クランク   48/35、170mm
スプロケ   10-33

フレームサイズが49サイズということで
気持ち的には、ハンドル幅は380mmを選択してほしかった。
クランク長も出来れば、165mmをつけてほしい。

そんなことを、乗る前には思っていたが
それは、些細なことに過ぎなかった。


インプレッション(フレーム)

前置きが長くなってしまったが、
本題のインプレッションに移りたい。

インプレにあたり、乗車前に御客様から頂いた
事前情報を書いておきたい。

①硬くて辛い
②速い

①は、女性の御客様で
②は、しっかり乗られる男性の御客様である。

この2つの情報が、
私に大きなバイアスをかけている情報だ。
先入観を持って試乗を始める。

店から峠までは、14kmほどである。
気持ちよく走れば30分ほどで到着できる。
しかしながら、今日は疲れていて
しかも、久々のバイクである。

インドアでも久しく乗っていなかった。
トライアスロンが楽しい今日このごろ。
その中でも、スイムにハマってしまいショップスタッフでありながら
トレーニングらしいことを一ヶ月前のインドアバイク30分だった。
日常的には、Chapter2 AO(グラベルロード)で移動している。

12kmほど離れた土浦市役所からの帰り道は、
それなりに練習ぽく乗ったものの、普段着だったので。
バイクウェアを着るのは、1ヶ月以上ぶりだった。

長々と書いてしまっているが、
言いたいのは、久々に乗ったので身体が重い。
ということである。

そんな状態での、レーシングバイクでのライドは、
先の御客様の、①のインプレッションを感じるのは容易かった。

「なんだ?? このコクピットの硬さは???」

遠い記憶にはなるが、SPECIALIZED の VENGE VIAS が
登場したときに感じたそれを
はるかに凌駕する、硬さだ。
(きっと)比べ物にならないくらい硬い。

30km/hが、やっとという速度域においては、
ただただ、辛い乗り物だった。

しかしながら、ゆるい登坂で、軽くダンシングをしてみると
非常に軽やかで気持ちよく進んでいく。
フロントに荷重すると気持ちよくパワーが伝達するようだ。

ダンシングでの気持ちよさは、断続的に。
そして刹那的に感じならがら。
峠の麓まで、なんとか辿り着いた。

峠の名前は、「朝日峠」だ。

高低差 226m
平均斜度 7.7%
距離 2.94km

不動峠よりは知名度は低いものの
筑波山系の中では平均勾配がキツめということで有名な峠の1つである。
参考にStravaのセグメントを貼っておく。

ダンシングが気持ちよい。
ということは、峠にたどり着くまでには理解できたので。
登りは、期待できる。

普段の練習では、シッティング縛りで乗るようにしているが
今日は、ダンシングを多用しよう。
と決めて登り始める。

緩斜面から始まるアプローチは気持ちよく伸びていく。
(当社比)

最初の勾配が上がるところで、さっそくダンシングを入れてみる。
素晴らしい反応でバイクが進む。

その後、ケイデンスを上げたり、下げたり。
トルクの違いによる反応を感じながら登った。

どちらでも気持ちよく反応してくれる。

おそらく、一定以上のパワー、トルクが発生したところで
楽しさ、気持ちよさが大きく伸びるバイクのようだ。

コクピットの硬さは、ここではライダーの味方でしかない。
ダンシングで荷重が前に移ったときには、
バイクの推進力に大きく寄与している印象を受ける。

堅牢な一体型ハンドルは、プロ選手のパワーをしっかり受け止め
推進力に変える役割を担っているようだ。

バイクの性能とは、関係ないが。久々の割には、頑張れた。
いつもは、登り始めは抑えて、後半で上げる。
という形で登ることが多いのだが、
登りの反応が気持ちよかったこともあり、
前半がオーバーペースだったようで、後半が垂れてしまい
平均パワーは、200wを下回ってしまった。

しかしながら、気持ちよくキツイ走りができた。
バイクの性能に感謝である。

登りきったところ(Stravaのセグメントの終点)で
写真を数枚撮って下りに移る。

初めてのバイクで、久々の下り。安全が最優先だ。

下り初めて、間もなく。というか、秒だ。そう。秒で異常に気づく。

「え??速くないか?」

Garmin EDGE 530 の画面を確認すると、やはりスピードが出ている。
朝日峠は、何回も登っているので、
下り始めて、この辺りだと、このくらいのスピードだよな。

という感覚は身体に身についている。
久々だったとしても、
その速度感は抜けないくらいの回数は登って下っているのだ。

コーナーが続く、しっかりめに減速して、コーナーを抜ける。
次のコーナーに向かう。
「やはり速い。」

コーナーからの立ち上がりが違う。
下りで踏むほど、テクニックもなければ、
そんな危険を冒したいとは思わない。

しかしながら、加速してしまうのである。

ここで、御客様のインプレッション②を思い出す。
「速い」

そうか、これか。
納車ライドで、ご一緒させていただいた際に。
コーナーを繰り返すたびに、大きく離される。
という経験をしていた。
それは、
「私の下りのスキルが低く。大きくブレーキをかけていたから。」
であると、その時は理解していた。

しかしながら、それは完全に正しい理解ではなかったのである。
立ち上がりのスピードが明らかに違っていたから
スキル差以上に、差が開いていたのだ。

今日になって、そう理解できた。
正しくは、理解に苦しむところだか認めざるを得ない。
と、いったところだ。

なんてことだろう。
そこまで下りの加速性能が違っていたのか!?

そして、下りでの驚きは続く。

朝日峠には、速度制限のバンプが設けられている。

私は、大阪出身なので正しい情報は知らないが
聞伝えによると、昔走り屋が多く集まっていたために
それを抑制するために設置されたそうである。

都市伝説っぽい話でもあるが、おそらくは本当の話だと思われる。

実際のバンプがコレである。
注意のサインから間もなく3連のバンプが始まる。

写真で伝わるだろうか?
なかなかの高さである。

初心者ローディは、かなり苦戦を強いられるバンプである。

しかしながら、幸いなことに私はマウンテンバイクも乗っており
段差に対するスキルは、ロードだけ乗っている人よりは高い。
(高いと思われる)

なので、狭く車線が判れていない不動峠の下りよりは、
バンプがあっても2車線ある
朝日峠の下りのほうが快適に下れるのである。

とはいえ、バンプはバンプ。それなりの衝撃はある。

フューチャー・ショックを搭載した、
SPECIALIZEDのROUBAIXで下った時にはスターを手にしたマリオ状態で
下った記憶もあるが、
やはり、スキルで衝撃をいなしたとしても
通常のロードでは、それなりの衝撃がある。

思い出していただきたい。
FACTOR OSTRO VAM のコクピットは、スーパー剛性が高い。
である。

下りの加速が凄い。という感動は、すぐに仇となり。
バンプとの辛い戦いが始まる。
そう覚悟して、最初のバンプに向かった。

「???」

「衝撃の減衰が速い。。。」

ROUBAIX のように、ショックユニットが搭載されているわけでもなく
高剛性フロントエンドなフレームなのに。である。

1つ目だけでは、自分の感覚を信用できないので、
2回目、3回目と確認してみる。

「間違いない。衝撃の減衰が早い」

衝撃の減衰という表現は、フレームが跳ねている感じが
収まるのが(収束するのが)早い。という意味で使っている。

やはり、意味が判らない。

なぜ、硬いフロントエンド、コクピットなのに、
跳ねないんだ???
理屈で理解しようとしても、
私にはフレーム設計の理解をする知識は無いので
そのような理解は早々と諦めて
「衝撃の減衰が早い」という現実を受け入れることにした。

衝撃の減衰が早いということは、安定して下れる。
ということである。

そうすると、少し、コーナリングの感触も感じる余裕が出てくる。
気持ちよくラインを選べる。進みたいラインを進むことが出来る。
簡単な言葉にすると「曲がる」である。

大きなバンプの「衝撃の減衰が早い」
ということで、コーナーにおける細かい振動は
やはり、素早く減衰されるのである。
そのことを合わさり気持ちよく「曲がる」を体感できるのである。

ここまでくると、もう少しだけ欲が出る。

「速い」という感覚をさらに味わってみたくなる。
下りのなかでも、少し直線が長い部分がある。
そこでエアロな姿勢をとってみた。
少し荷重も前に載せてみる。
さらに、加速が鋭くなった。面白いように加速する。

「速い」
「衝撃の減衰が早い」
「曲がる」

を楽しみながら下った下りも最後に差し掛かる。
最後の緩斜面である。
いつもなら、軽くペダリングして信号に辿り着く。
という区間であるが、
試してみたくなった。
エアロポジションで、ペダリングをしないで
どのくらいの速度になるのか?
を。

結果、Garminの値は、御住帰路を超えた。。。

最後にまた、「???」を感じて
4分30秒の下りを終えた。

4分30秒の峠の下りの区間の話で、
2000文字も書いてしまった。
たぶん、46歳を迎えた私の人生において
この先に同じような経験をすることはないだろう。

しかしながら、4分30秒の出来事を2000文字に拡張できた
というのは、人生史上始めての経験であり、
貴重な経験をできたことを
FACTOR OSTRO VAM という高性能なバイクを開発したFACTOR BIKESと、
その試乗車を貸していただいた
FACTOR BIKE 日本正規輸入代理店であるトライスポーツ様に感謝したい。

ここまで、お付き合い頂いた皆様には感謝しかない。

しかしながら、まだインプレッションは終わっていない。
頑張って、もう少しだけ。お付き合い頂きたい。

インプレッション(コンポーネント)

車体(フレーム)に関するインプレッションは、
ファーストインプレッションとしては十分に書かせていただいた。
多くの人は、書きすぎていると感じていることだろう。

しかしながら、
パーツ、コンポーネントのインプレッションが終わっていない。

手短にお伝えしよう。

・ホイール

試乗車には、BLACK INC FORTYFIVE C DISC が採用されている。
リムハイトが45mmの扱いやすいホイールだ。

タイヤは、GOOD YEAR EAGLE F1 700x28c
プロのレースシーンでも多用されている28cという太さである。
試乗車は、クリンチャー仕様ということと
今日は、パンクしそうな予感がする。。。
ということもあり、空気圧は、5.6BARに設定した。

なぜ、予感を気にしたかというと。
CADEX 4 SPORK ホイールセットのシェイクダウンの日。
ありえないパンクをしたからである。

一目瞭然。とは、このこと。
説明するよりも写真を見ていただいたほうが瞬時に理解頂けると思う。

かなり難易度の高いパンクである。
「こんな刺さり方する??」というパンクを
3月のシェイクダウンで経験したのである。
パンクに対してトラウマになるには、十分なレアなパンクである。

そんな訳で、空気圧は高めに設定してしまったのである。
しかしながら、高めの空気圧の影響を除いたとしても
決して優しいホイール。ということではないと思われる。
もし、優しいホイールであるならば、
低速時に感じる、フロントエンドの超高剛性は、
幾分かは、柔ぐはずである。

しかしながら、そのような様相は、全くと言ってよいほどになかった。

出来れば、チューブレスにして(試乗車はチューブドである)
空気圧を4.5BARまで下げて試してみたい。
できるなら、30cのタイヤも試してみたいところである。

30cまでタイヤ幅を広げたなら、
低速時の快適性も確保されるのではないだろうか?
という想像を検証したいのである。

・サドル

Selle Italia SLR Boost Superflow 145mm

これは、非常に快適だった。
ハイエンドサドルながらも、硬すぎず、柔らかすぎず。
そして、大胆に空けられている中央の穴が非常にハマった感じである。

サドル前部に乗っても一定の快適さが確保されている。
サドルの形状は、ライダーの乗り方や体格、骨格による影響が
大きいわけだが個人的には、SQ lab 以来の当たりサドルである。

穴ではないが、大胆に空間がデザインされている。
という意味では、トライアスロンの世界では、よくえらばれる
ISMサドルが有名である。

個人的には、いくつか試したものの70kmを超えたあたりで
角の当たりが痛みに変わり快適ではなくなる。という相性だった。

しかしながら、Selle Italia SLR Boost Superflow 145mm では
そのような事は起きなさそうである。

FACTOR OSTRO VAM とは直接的には関係ないインプレになるが
別のバイクでも試してみたいと思うサドルだった。

・シートポスト

惜しまれるのは、試乗車のシートポストが
オフセット25mmのタイプであり
私のサドル高610mmでは、前乗りのセッティングに限界があった事。

オフセット0mmのタイプで、
前乗り気味のセッティングでバイクを試してみたいと思った。
それは、インプレッションにも書いたが
前荷重気味に乗った時に、非常に加速性能が良い感触があったからだ。
いやいや、それって全てのバイクで、そうでしょう。
と突っ込まれるところだと思うが、
FACTOR OSTRO VAM においては、それが顕著だったからである。

雑感

ここ数日、35℃を超える猛暑日が続いていたが
今日は最高気温は30℃の予報。

帰路の気持ちの良い空

走り出した時は、28℃程度だったかと思う。
28℃で快適を感じる今日このごろである。

トライアスロンのレースに向けて、
少しは暑熱順化も進んだようで良い練習にもなった。

朝日峠を知らないけど、気になる。
という方のためにStravaのリンクを共有しておきたい。
個人的には、不動峠よりも近く練習に使いやすいところが好きな峠である。
ぜひ、つくばにお越しの際には走ってみて頂きたい。

答え合わせ

バイクのインプレッションにおいて。
「速い」
という部分について、やはり信じられない部分があったので
ライド後に、今日のインプレッションをかいつまんで
御客様に状況を伝え確認を乞うたところ

「だから 速いって言ってるじゃないですか」

と、絵文字を添えて。1文の回答を得た。

やはり、Garminに表示された数字は
誤っておらず、私自身の感覚も間違ってなかったようだ。

自分の身体は1つ。乗れるバイクには限りがある。
そんな中、やはり御客様のフィードバックは
本当に貴重な情報源である。

今回は、情報を頂くだけでなく。
国内の販売台数が決して多くはない
FACTOR OSTRO VAM において、
それの答え合わせを出来たという貴重な経験だった。

各社がしのぎを削って開発を進めるなか
機材の性能差が小さくなっている昨今。

性能差で、はしゃぐようなことも少ないと感じる中において
めずらしくも、強く興奮してしまうような貴重な試乗体験から、

ついつい勢いづいてしまい
7000文字に至る記事をしたためてしまった。

注意事項

なお、本インプレッション記事は、
サイクルロードレースを生業としていない人間が
「嘘の無いように感じたままを書いたインプレッション」
ということを十分に理解いただきたい。
レーサー目線でのクレームは一切受け付けないことを御了承頂きたい。

⇒ レーサー目線でのインプレッションは非常に興味がありますので
 教えて頂ける方がいらっしゃいましたらメールを頂けますと幸いです。


試乗会の案内

FACTOR OSTRO VAM 49サイズは、この週末。
7月23日(日)にBIKE SHOP FORZAが主催する試乗会にて
試して頂くことができる。

霞ヶ浦のサイクリングロードという最高の環境で
試乗していただくことができる。という貴重な機会である。

時間や場所に関する情報は以下の記事を参照いただきたい。


ラストチャンス

価格改定前のお得なFACTOR OSTRO VAM (54サイズ)を
購入いただけるチャンスがあるという。
詳細は、以下のブログで確認していただきたい。


もう、本当に最後である。

最後まで辿りついて頂いた読者には感謝しかない。

お付き合い頂きありがとうございます。

もう、1日のインプレッションを7000文字以上の記事にする
というような事は繰り返さないと思いますので御安心ください。

基本的には、簡潔にまとめてお伝えしたいと考えておりますので、
今後とも、当ブログを御愛好いただけますと幸いです。

BIKE SHOP FORZAの東(アズマ)でした。
それでは。また、

ーーー
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