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イギリス旅行記② ケンブリッジ

日本だ、と思った。

イギリスには初めて来たはずなのに、なぜか実家のような安心感があった。

清潔感があって電車がきちんとしてるからだろうか。
銃がなくて大麻のにおいがそこまでしないからだろうか。
空気感とか服装とか音とかが自分の中にすっと入ってきた。

アメリカにいるとびくびくすることが多くて自分は外部者だなと思うのだが、イギリスではなんだか私もその一部になれるような気がした。

着いて早々中国語で話しかけられて、道に迷った中国人おじおばさまの団体と駅のスタッフ間の通訳をする羽目になった。
英国留学生なの?と聞かれて、いえ、米国です、家族が中国人なんですけど私は日本から来たんです、とたどたどしく久しぶりに話す中国語で答えたら納得してくれた。
アメリカで身につけたものは、若干説明がめんどくさい自分のアイデンティティを最短時間で機械的に話す能力な気がする。

Lift, advertise, litter.
普段は絶対謝らないくせに同情してる風に見せたい時だけI’m sorryと言うアメリカ人と違って、イギリス人はぶつかりそうになったらすぐSorry sorryと言っていて日本人と同じじゃんと嬉しくなった。

ケンブリッジに着いた

みんな丁寧でやさしい。
バスの運転手さんが乗ってくるお客さん一人ひとりと会話していて、アイドルの握手会かよと思った。
私が降りる駅でここだよ〜とわざわざアナウンスまでしてくれた。やさしい。

泊まったケンブリッジ大学の寮はラプンツェルの世界のようだった。
窓の外は西洋の建物が並んでいて、静かに流れる川を時折観光客のボートが通り過ぎた。
街中のどこを切り取っても美しく、昔の人が綺麗な景色を見て詩を読みたくなる気持ちもわかる気がした。

交流会

今回イギリスに来た目的は、大学に通うための奨学金でお世話になっている財団の交流会に参加するためだった。

ほぼ初対面だし集団で会話を回すのが苦手なので来る前はだいぶ緊張していたのだが、みんな優しくて年下の方である私にも分け隔てなく色々なことを教えてくださった。本当に自分のやりたいことをしている人って、他人のことを見下したりしないんだなと思った。

お昼のそれぞれの研究の話もかっこよくて面白かったし、毎晩遅くまでPubや寮で繰り広げられる深めの話も楽しかった。

輝かしい経歴を持つ人って迷わずまっすぐやりたいことに向かって突き進めるイメージで自分とは違う人種だと思っていたので、すごく見える人でも実は迷ったり悩んだりしながらそれを乗り越えようとしているんだなと知ることができて勇気を貰った。

あと心理学専攻の自分としては、カウンセリングとかそれぞれの生きづらい部分の話を打ち明けてくださったのが有り難かった。
人の人生の話を聞くのはシンプルに好きだし、人間なら誰しもどこかで挫けることがあるので、そういった時に必要以上に死にたくなったりしなくていい世界になるといいなと思ったし、そういう世界をつくるために私はこれから生きていきたいと思った。

ロンドン編:

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