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旬の食材

この記事にはショッキングな内容が含まれております。
閲覧の際にはご注意ください。

ちなみに表題における食材とは「セミ」のことである。いや、プロレタリアートたる私と言えど食うに困って虫けらを食べようというわけではない。ググってみるとわかるが、セミは食用昆虫のなかでもメジャーで味にも定評がある。ちょうど羽化時期のため幼虫を捕獲するチャンスということで、ならば自分で獲って食べてみようと思い至った。

とりあえず条件を調べ、採集場所を検討する。仕事帰りに立ち寄れる公園があったので、まずはそこを攻めてみよう。桜の木の周りを調べると、セミが地中から這い出たと思しき穴がたくさん見つかった。

(でもそんなに簡単に獲れるもんじゃないよな)

なんて考えながらそのへんを眺めていると、地面を呑気に歩く幼虫が視界に入った。

早速捕まえて、他にもいないか探す。地面ではそれ以上見つけられなかったが、木を登っている幼虫を3匹見つけることができた。

薄く緑が透けているのはクマゼミだろうか。

(案外簡単に獲れるもんなんだな)

しかしここで満足してはいけない。今回の目的は獲ったセミを食べることだ。カサカサ音の鳴る不審なビニール袋を片手に自宅へ急ぐ。

セミを洗って、キッチンペーパーで水気を取る。洗ったそばから脱走を試みるセミくん達。悪いが往生してくれ。

セミくんを油に投入すると、足がキュッと縮こまった。同時に良い香りが漂ってくる。食欲が湧いてきた。十分火を通したら、油から上げて塩を振り盛り付ける。完成だ。

セミの素揚げ~生野菜を添えて~

かなり長く揚げたので外側はカリカリだ。肉は体の中央あたりに入っていて、噛むと旨味が広がる。うん、ビールに合うなこれは。例えるなら、食感は殻が多めの川海老。海老から生臭さを引いて、土臭さを足した感じといったところか。殻が多い分、よく噛んでいると殻の雑味が気になってくるので慣れない人は濃い目の味付けにした方がいいかもしれない。

メスの腹は肉とはまた別の食感で、不味くはないが川海老だと思って食べるとかなり違和感がある。ちょっと甘味があるので味噌で漬けたらいい感じになるんじゃないだろうか。

さて、ここまで書いておいてなんだが、実は一度だけ店でセミを食べたことがある。そのときも別に不味いとは思わなかったが、今回のほうが美味しく感じた。初めて自分で獲った、というプラス補正もあると思うが、獲れたてで鮮度が良いこともきっと重要なのだろう。

後日また採集しに行ったら13匹も獲れた。セミだけでしばらく食いつなげる気すらしてくる。これからも身近な旬の食材を採集していきたいと思う。

それじゃあバイバイ、またね。

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