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事業会社が競合コンペで広告会社を選定するポイント

FOR YOUで執行役員CMOをしている筧(@kakehi_)です。

広告業界に15年以上いるので立ち位置的に事業会社側に立って、広告代理店の競合コンペのサポートをさせてもらうことがあります。

15年以上いてこれまで、たくさんの競合プレゼンをしてきましたが、私は競合プレゼンが好きです。

なぜかというと、

提案する側も提案される側も本気だから

ですね。

コストもある程度用意はされている、かつ手間もかけて実施される競合プレゼンは、本気だからおこなわれるものであり、そこに時間をかけるだけ価値はあると考えます。

※闇雲に競合コンペやりましょう、というのは本末転倒であり、むしろよくない結果をもたらしません。

このnoteでは競合コンペで事業会社の人がどのように代理店を選定しなければいけないか、ということについてまとめます。

ポイントは3点です。

  1. 提案内容自体⇨提案内容を考えられるスキル/スタッフ

  2. 魅力的な案⇨実現できるプランであること

  3. 短期的な効果⇨中長期な信頼関係

では、それぞれ細かく説明していきます。

①提案内容自体⇨考えられるスキル/スタッフ

私の経験からいうと、コンペで提案した内容からそのまま実施されることはあまりありません。

なぜならば不完全情報のまま提案をしているため、競合勝利した後に再度情報をインプットして、内容をブラッシュアップさせることが多いためです。

そうであるならば、選定の際に考えるのであれば、提案内容自体で選ぶのではなく、どういった思考回路で考えることができるのか、どのような悩みまで受け入れて具体策を考えることができるのか、というスキルやスタッフの力量を見るべきかなと考えます。

もちろん提案内容が良いに越したことはないですが、それが再現性があるものなのかどうかというのは、それ以後の業務推進において、円滑に進められるかに大きく関わってきます。その意味でスタッフの力量やスキルをしっかりとと把握するという気持ちのほうがよいです。

②魅力的な案⇨現実可能な案

広告会社的にはコンペだと魅力的な案を提案する必要があるがあります。この企画をやってみたいと思ってもらうことは重要です。

ただここでハマる罠としては、案を魅力的に見せることはできても、それを本当に実現できるのかというのは異なる能力が必要ということです。

私の経験でいうと、ある競合コンペで負け、他の代理店に決まりました。他の代理店の提案のCMの動画コンテがよかった、ということで決定したと聞いていたのですが2ヶ月後、私のチームに変えたいと突然連絡がきて、仕事を受けることになったことがあります。

原因としては、もともと勝利した広告代理店が提案した内容が全然実現されるように動いていない、指摘しても動けない、ということでした。

こういったことはよくあるようで、シンプルなテレビCMであればまだいいのですが、統合キャンペーンや各種調整が発生するものや、関わる企業が多いものになると、プロジェクトマネジメント能力と折衝能力が求められるため、提案内容が実現できないということが起こります。

「本当にできるのか」ということをしっかりディスカッションした上で決めていく必要があります。

③短期的な効果⇨中長期的な信頼関係

競合コンペは時間も手間もかかることです。短期的なキャンペーンで競合コンペを多くすることは事業会社的にも、広告会社的にも得とは言えません。

また、短期的な効果であれば、許容できる予算の範囲内でスモールスタートしてみる、ということで結果が出せるかどうかを試してみればよいので、そのほうが進め方としてはスマートでしょう。

競合コンペは、中長期的な信頼関係やビジネスパートナーを選定することにむいていると考えます。それは①②であるようなことがもちろん重要ですが、視点としては個人と企業の両視点で見ることです。

個人としては、フロントに立つ営業やビジネスプロデューサーが信頼できるのか。一緒に仕事をしたいと思うかどうかです。

企業については、ビジネスパートナーやアライアンスとして、財務的コンプラ的な信頼はもちろん、複合的な付き合いができるかどうかが重要と考えます。

選ばれる側も選んでいる

ここまで企業側が広告会社を競合コンペで選定することのポイントをまとめましたが、大事なポイントとして忘れていけないことが、広告会社や支援側の企業も選んでいるということです。

広告会社や支援企業も人的リソースが十分でなく、信頼に足る事業会社にはリソースや優秀なスタッフをつけていく論理が働きます。

金銭のやり取りはあるものの、個々人で一緒に仕事をしたいかという点では対等とも言える、特に優秀である人ほどその傾向は強いです。

その意味で、お互いがお互いをリスペクトできる関係性を維持するスタンスや努力を大事にしていきたいですね。

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