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FOR YOU、ロゴリニューアルの変遷〜アートディレクター、小杉さんとの出会いからロゴの完成まで〜

株式会社FOR YOUは、2023年4月8日よりコーポレートロゴのリブランディングを行いました。また、社名を小文字から大文字に変更、コーポレートサイトも一新いたしました。創業8期目となったFOR YOUは、コーポレートブランドを強化して、次なるステージを迎えます。

要となるロゴデザインは、資生堂やPARCOなど多くのナショナルクライアントを担当されてきた株式会社onehappy代表・アートディレクターの小杉幸一 (こすぎ こういち)氏に実施いただきました。

本noteでは、ロゴリニューアルの変遷をたどるべく、小杉幸一氏とFOR YOU代表取締役・野田爽介の対談をお届けしてまいります。


社内外問わず、幸せが多い人とみんなで一つの幸せを作る

ーーロゴのリニューアルにあたり、弊社の顧問である東畑さんから小杉さんをご紹介いただきました。小杉さんと巡り合った経緯から伺いたいです。

野田:小杉さんとの出会いは、素敵な方々からのご縁によるものでした。まず弊社の顧問である元電通の東畑さんは、同じく元電通で弊社CMOの筧が繋いできてくれたものです。

一年半前に筧が入社した当初は、FOR YOUとしてSNSインフルエンサー会社から総合広告代理店へ変革する時でもありました。会社としても筧が入社するリリースは、周囲に対し「SNSだけの会社」から脱却していくことを表明するという意図もありました。

また、個人として強い人材がいるだけでなく、自社のブランドやカルチャー作りなど会社自体を一緒に作っていける人を求めており、ちょうど東畑さんが電通を辞めたタイミングでお声かけさせていただき、顧問就任が決まりました。予想を遥かに超える大御所の参画となりましたが、FOR YOUの「幸せを大事にしたい」という理念に共感いただいた結果でもあったなと思っています。
この流れで、東畑さんを巻き込んだ一大プロジェクトとして立ち上がったのが、今回のロゴリニューアルでした。

東畑さんにFOR YOUに合いそうなデザイナーのお名前を数名挙げていただいたのですが、小杉さんが一推しだったんです。

東畑さんからは「ポジティブでボールドでチャーミングな表現ができて、性格がとても優しい。FOR YOUのカルチャーと合ってると思います。」というコメントを頂きました。僕もご実績とonehappyのサイトの小杉さんのメッセージを見た瞬間に、鳥肌が立ってピンときたんです。

小杉 :とても嬉しいです。

野田:本当に、FOR YOUの目指す姿にぴったりでした。

FOR YOUは、これから芸能とITのハイブリッドカンパニーを創っていくことを掲げています。その中で大手芸能事務所や、名だたる大企業の広告を手掛けた方に携わってもらうことは、ハイブリッドエージェンシーを目指す上でも大きなメッセージ性があると感じました。

小杉:ありがとうございます。

野田:最後の極め付けは、名前の字面です(笑)。
(東畑)幸多さんから(小杉)幸一さんをご紹介いただくとは…!僕らは社内外問わず、幸せが多い人と、みんなで一つの幸せを作ろうとしています。社内でも、「幸福感で囲まれて作られるロゴは絶対良いよね!」と一致しました。

小杉:確かに、名前にはシンパシーを感じましたね(笑)。
“幸せ”って、自分自身がしっかり定義してメッセージし続けないと、時代によって形が変わってくると思うんです。そんな幸せという形を、自分の中でもちゃんと顕在化したいという想いもありました。もちろん、事業内容も素敵で、リブランディングに携われるのは嬉しいなと思い、お話をお引き受けさせていただきました。

途中から互いのピントが合い、5%刻みの調整へ

ーー小杉さんとご一緒することになってからは、どんな形で進められたんですか?

野田:2022年7月末から年末まで半年間じっくり進めました。その間に、オンラインミーティングが6回、並行してメッセンジャーのやりとりも頻繁に…。よくあるようなガッツリと2,3時間話したり、ご飯を挟むみたいなこともなくて、本当にちょっとずつでしたね。序盤は、僕らもざっくりとしたイメージで口数が少なく、申し訳ないなと思いつつ…。

小杉:全然全然。

野田:ただ2回目のミーティングの後には、イメージも膨らんできて、FacebookのMessengerで長文を送っちゃいましたよね。
するとすぐに小杉さんから「なんか掴みました。だいぶ解像度が上がりました。」とメッセージをいただきまして。どんどんと案が絞られていき磨かれていく工程は、忘れられない体験になりました。本当にずっと柔らかく、誠実な進行をしていただきました。

小杉:光栄です。最初の方は口数が少ないというより、明らかに野田さんたちがピンと来ていない感覚があったんですよ。

口数が少ないということは、イメージが湧いていないということだと思うんです。
このような場合、もうこれ以上は出ないと一案に絞り込む、さらに何種類か提案するなど、アクションはデザイナーによって様々です。

そんな時に、僕が重要視しているのは”会話”なんです。
さらには、ビジュアルで会話をした方が早い。だんだんと会話をしていくうちにピントが合っていくので、最初に幅広く提案し、事業内容を含めて色々な解釈を持っていきます。たしか最初にお持ちしたのは、10案ぐらいでしたよね。

野田:そうですね。

小杉:認識をすり合わせてもらいながら、次のフェーズに行き、またずれたら擦り合わせて。その繰り返しですね。

野田:なぜこのデザインは外していて、なぜこのデザインは気に入っているのかという感覚的なところを言語化してお伝えしていきました。また、会社の思考性や価値観を共有させていただいたり。小杉さんにインストールさせていただくうちに、だんだんと案が絞られていきましたよね。

小杉:嬉しかったのは、野田さんの案へのコメントが多くなり深くなってきたことでしたね。徐々に野田さんのピントが合ってきて、僕もより高い解像度でイメージが出てきたんですよ。

ロゴの形のイメージは、最初に考えてきた僕の方が解像度が高い状態ではあります。でも、いい意味で途中から逆転していたんです。
今後のことを見据えた解像度は、野田さんの方があったんですよ。そこに対して今度は僕が、形で追いかけるみたいな。途中から、色やバランスを5%刻みで合わせていきました。
そういうフローが新鮮で、重要なプロセスでしたね。

野田:小杉さんは一つ一つに対してすごく誠実に、プラスアルファ込みで打ち返してくださりました。僕は数字にこだわる節があり、たとえば、末広がり・御家芸を表す十八番、無限の可能性を表すインフィニティーマークなどの意味合いから、8・18・88などを大切な数字としていて、創業日も8.18を選んだりしています。そこから「CMYKにも88を取り入れたい」とご相談したり。

小杉:すごい視点だなと思いました。

野田:思いついたことをちゃんと拾っていただき、色々と考えてくださることに感動しました。月並みですがプロだなと。僕たちのロゴを考えてくれる中で何度も、これ以上ない方とお仕事ができているなと噛み締めていました。

やっぱり僕は四葉が好き。過去を踏襲していきたい

小杉:本当にありがとうございます。画面越しで野田さんと初めて会った時、とても優しそうな方だと思ったんですよ。ですから、最初に提案したコンセプトも優しくて寄り添うような方向性でした。ただ、野田さんを知っていくうちに、人格や求めている会社像も「強さ」が特徴だと感じたんです。

次は、力強さや野太さを大事にした方向性に修正していきました。これからの時代のリーダーシップ像には、単なる優しさだけでは通用せず、強さが求められると思ったんです。

野田:確かに、前のロゴはとても気に入っていたんですけど、優しくてみんなの幸せを思う目線で溢れていたんですよね。CMOの筧から言われていた「幸せを叶える力強さ」をどのように加えてアップデートさせていくか、とても考えさせられました。ガラッとロゴを変える方向性もあったのですが、最終的には、僕は四つ葉が好きで大切にしたいというところに落ち着きましたね。歴史を重んじることは、会社としても自分としても大事にしていきたいと思っています。今のロゴは、家紋っぽい感じもしていて、歴史を踏襲して未来を作っていくイメージにぴったりだと思ったんです。

僕たちは、エンタメ広告業界において、歴史を重んじながら業界を盛り上げようとしているので、そのスタンス表明でもありました。

小杉:色も、オレンジや黄色など考えていたのですが、これだとまだ優しくて明るいままなので、今までの延長線上に感じられました。かといって赤だと、闘志すぎるイメージが強くて。
最終的に赤とオレンジの間のような色に着地し、”FOR YOU RED”と名付けました。

お守りみたいなロゴが完成した

ーー実際に完成してみてどうでしたか?

野田:小杉さんが仰っていただいた視点ですが、お守りみたいなロゴができました。力強く幸せの後ろ支えをしてくれるようなものができて、社内メンバーからも絶賛で、「変化してよかった!」といただいています。

小杉 :それは嬉しいですね。


ロゴとは、企業の思想の結晶化。社員が磨き続けていくことが大事

ーー最後に、野田さんからロゴリニューアルを行った感想を伺いたいです。

小杉:ロゴをつくるプロセス自体、すごく新鮮で楽しかったです。僕は今回、あくまでもロゴデザイナーとしてご一緒させていただいたのですが、ロゴは企業の思想の結晶化だなぁと。
でも結晶化だけだと実はよくなくて、結晶化で顕在化された形を、野田さん含め社員の方々で磨いていくことが大切だと思うんです。そうしなければ、ただロゴがあるだけの状態になってしまうので。

そういったストーリーが明快な思考のプロセスを踏ませてもらったので、ぜひこのDNAを使って思想を広げていってもらえるとすごい嬉しいです。
そうすることで、より多幸感が広がる会社になっていくのかなと思っています。

ーー小杉さん、ありがとうございました。



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