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刺さる台詞:退路を断ち「これしかない」と思う覚悟(TWICEミナ)

 TWICEのメンバー9人が練習生時代の苦労を語る「SEIZE THE LIGHT」EP.2より、ミナの韓国語インタビュー(12:32から。日本語字幕あり)。

正直とてもつらかったです。
大変だったけど
「これしかない」と思ってやってきたんです。

日本の高校を卒業せず、中退して韓国に来ました。
ここで諦めてしまったら私はどうしようもない。
だから目の前にある山、“練習生”というこの山を越えなきゃって思ったんです。
(솔직히 힘들었어요.
힘들긴 했는데
진짜 '이거밖에 없다' 생각하고 했었던 것 같아요.

저는 학교도 이제 고등학교까지 다녔었는데
졸업 안 하고 중간에 한국에 오고 그랬었기 때문에
여기서 포기해 버리면 저는 뭐, 어떻게 해야 될지 모르겠다, 이 정도였어요.
그래 가지고 일단 눈앞에 있는 이...
연습생이란 이 산을 넘어가야겠다 이런 생각이었던 것 같아요.)

 TWICEには日本人が3人いて(モモ、サナ、ミナ)、3人とも10代半ばで韓国に渡っている。そして厳しい練習生生活を送り、オーディション番組を経てTWICEの一員となり、今の活躍がある。

 渡韓した時は成功する保証はなかった。日韓なので政治問題もある。それでも自分の道を信じて進み続け、実力をつけて成功したのは本当にすごい。どれだけすごいかというと15歳でブラジルに渡った三浦知良選手くらいすごい、というとアラフォーに伝わるだろうか。

 普段はTWICEの華やかな面しか見えないが、このドキュメンタリーを見ると全員苦労したことが痛いほど伝わってくる。特にミナは「高校を中退した」と赤裸々に語っている。オーディションに受かったから高校を辞めたとのことだが、背水の陣で異国に行くという決意がすごい。「ここで諦めてしまったら私はどうしようもない」、「目の前にあるこの山を越えなきゃ」という言葉の重みが違う。

 自分の高校時代を振り返った時、これだけのデタミネーションで過ごしていたかというとそれはない。友達とダベって学校行事にかまけて「うちら進学校だし~」と学歴で優越感に浸り、自分より学歴が低い人間、定時制の人間、高校を出ていない人間を嘲っている間に、見えないところでTWICEやカズのように光をつかもうと必死に頑張っている人がいたのだ。

 安藤忠雄もそうだ。彼は工業高校しか出ていない。20代の頃は「私、東大ですけど何か?」みたいなエリートに見下される存在だったに違いない。しかしその間に安藤は世界を放浪し、自分の牙を研ぎ続けていたのだ。そしてのうのうと過ごしていた似非エリートは安藤に追い抜かれ二流三流になってしまった。

 以上の話を踏まえると、社会の崖っぷちにいる人間ほど強い気持ちで闘えるという意味でチャンスであり、逆に社会に安住できている人間ほど先は危ないと思ったほうがいい。もちろん、崖っぷちから成功できずに終わる人もたくさんいるだろうが、うまくいけば特別な光をつかむことができる。

 …そんなことを思いつつ私も頑張ろうと思う。

※注
 「これしかない」は動画の日本語字幕で「この道しかないと思った」と訳されているが、これは英語訳(I thought this was the only way.)から訳したためだと思われる。
 まだEp.1~2しか見ていないが、日本語字幕で見ていて「この韓日翻訳者、すごいなあ。直訳にとらわれず、こなれた字幕を連発してるなあ。クライアントが翻訳料金をケチらなかったんだなあ」などと感嘆していたが(韓→日翻訳だと翻訳を生業としている人でも原語にとらわれてなかなか直訳感を払拭できない)、何のことはない、英→日で訳していたからだった。それにしてもプロ級だと思うけど…。

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