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不思議体験@実家【人間編】

私には霊感はありません。
そんな私ですが、人生で4回だけ不思議な体験をしたことがあります。

1.大好きだった祖母が亡くなった

これは実家が今の場所に引っ越す前の話です。
小学2年生のとき、大好きな祖母が亡くなりました。
共働きの両親にかわって、私を育ててくれた人でした。
幼少期から、夏の間はずっと祖母と二人で田舎の小さな小屋で過ごしました。両親がいなくても祖母がいれば寂しくありませんでした。
大大大好きでした。
その祖母が亡くなって数か月後のある日。
友達との学校帰り、いつもの通学路でした。
緩いカーブを曲がるとすぐにバス通りで、目の前にバス停がありました。
その日、カーブを曲がって目に飛び込んできたのはバス停に立つ祖母の姿でした。
生前いつも和服に割烹着を着けていた祖母が、そのままの姿で立っていました。
幼い私は突然目の前に現れた亡くなったはずの祖母の姿に驚いて一瞬目を見張ったことを、今でもはっきり覚えています。
「え?おばあちゃん?」
急に黙った私に友達がなにか言ったのか、ほんの一瞬友達の顔を見て
再びバス停を見た時はもういませんでした。
ほんの一瞬のことでした。
「おばあちゃんが会いに来てくれた!」
私は嬉しくてうれしくて、その夜仕事から帰った母に祖母が会いに来てくれたことを話しました。
祖母は母の母だったので母もとてもうれしそうでした。
「『一番孫さ』だったから、会いに来たんだね」
「一番孫さ」。
祖母が私のことよくそう呼んでいました。
祖母にとって一番最初の孫だったからだそうです。

それ以来、祖母は二度と会いに来てくれませんでした。
50年以上たった今でも、あの日の映像は幸せな記憶として鮮明に残っています。
そんな私は祖母が亡くなった年齢に近づきました。。

2.白い女の子

20代前半のころのはなし。
亡くなった祖母が会いに来てくれた以外に、これといって不可思議な体験は何もなく過ごしてきた私です。
怖がりな私には本当にありがたいことでした。
そんな私が初めて金縛りのようなものにあったのは、実家が今の場所に引っ越して数年後のことでした。
夜は真っ暗にしないと眠れなかった私は、その日も電気を消して眠っていました。
夜中に突然、上に誰かが乗ってきたように重く息苦しくなり
なぜか私は隣の部屋で眠っている妹がふざけて上に乗ってきたと思い込み
「○○ちゃん、どいてよ。重いよ」と言って押しのけようとしました。
それでも全然どいてくれず、「どいてよ!」と叫ん(だつもり)で目を開けたら
真っ白なシルエットだけの女の子が、四つん這いで上に乗っていました。
「ぎゃー!!!!」
と声を出したつもりでしたが、なぜか喉が詰まって全く声が出ませんでした。
「夢に違いない」と思い、ぎゅっと目をつぶってもう一度目を開けると
やっぱり私の上には髪の毛をふたつに結わいた
真っ白なシルエットだけの女の子がいました。
私は怖くて怖くて再び目をつぶり、必死でこの状況から逃れる方法を考えました。

そのとき頭に浮かんだのが亡くなった祖母の戒名でした。
祖母が亡くなって以来、母と私は毎朝仏壇にお線香をあげ手を合わせていました。
祖母の位牌に描いていある戒名を唱えてながら。
10年以上毎朝唱えていましたから、空で言えるほどでした。
私は心の中で祖母の戒名を何度も何度も唱えました。
しばらくするとふっと体が軽くなり、恐る恐る目を開けると白いシルエットの女の子は消えていました。
その日から何年も、夜は電気をつけて寝るようになりました。
あれが金縛りというものなのか、夢だったのかわかりませんが
もう二度とあんな怖い思いはしたくありません。

3.気づいてあげられなくごめん

親子で実家に帰ったころのはなし。
実家の前にはアパートが建っていました。
斜面に立っていたそのアパートは3階建てで、
1階は店舗、2階はすべてワンルーム、
3階は1軒だけファミリー向けであとはワンルームでした。
2階は入れ替わりが激しく、ある時初老の男性が越してきました。
男性の部屋の玄関と、実家の玄関が向かい合っていて、
両親とあいさつするようになり、親しくなったようです。
休みの日にはアパートの前にビニールのプールを置いて娘を遊ばせてくれるような優しい方でした。

1~2年後だったでしょうか。
そのころ私は、頭をアパートの方に向けて寝ており
両手を万歳にして寝るのが癖でした。
ある日の明け方だったか、寝ていると両手の手首をつかまれて強く引っ張られて目が覚めました。
すごい力でぐいぐいと引っ張られ、なんだろうと寝ぼけ眼で考えました。
怖いという気持ちはなく、「だれ?離して」といいました。
しばらくすると、ふっと力が抜けて軽くなりました。

そのことはすっかり忘れていた、数日後のことでした。
仕事から帰ると、アパートの前に数人の警察官が来ていました。
玄関の前まで来ると、それまで嗅いだこともないようなひどい臭いがしました。
家に入ってもまだ臭くて、母に「なに?このにおい?」と尋ねると
「向かいのアパートのおじさんが亡くなってたんだよ」
「死後何日もたっているらしいよ。上の階の人が変な臭いがすると言って管理人さんに連絡して、調べたら玄関のドアの方に向かって手を伸ばした姿で亡くなっていたって」
それを聞いて鳥肌がたちました。
そして同時に、先日私の手を引っ張ったのはおじさんだったのかと思いました。
不思議と怖さは感じませんでした。
きっと、助けてほしくて私の手をつかんだのでしょう。
「気づいてあげられなくてごめんね」
娘にビニールプールを用意してくれた優しいおじさんは、ほんの数か月の間にアルコール依存症になっていて
死因は心臓発作だったそうです。

4.座敷童

娘と実家にいたころ、私と娘の部屋は階段を上がって左に曲がった突き当りでした。
その日の夜、ドアを開けたままドアのそばに置いていたパソコンを使っていた私。
目の端に、青いパジャマを着た娘が入りました。
階段を上がると、手前の父の部屋に入っていきました。
よく父の部屋で遊んでいたので特に気にもせず
「またおじいちゃんの部屋に行ったな」くらいに思っていました。
しばらくすると階段を上る音がして
ピンクのパジャマを着た娘が部屋に入ってきました。
「えーー!!!」
「さっきのだれ?」
思わず父の部屋の覗きに行きましたが、もちろん誰もいませんでした。
娘に「さっき、青いパジャマ着ておじいちゃんの部屋に行かなかった?」
と聞いても「行ってない」と……。

父にそのことを話すと、さらっと
「たまにいるよ」

えーーー!!!
もしかして座敷童ですか???
びっくりなんですけど!

だって座敷童いたら金持ちじゃん!
うち貧乏じゃん!笑

でも、なんか可愛かったから、ま、いっか。


そんなわけで、実家にはあの世とこの世の境界線みたいなのがあって
魂みたいなものがあるとしたら、そういうものが通過するのに時々遭遇しちゃうのかなぁ、なんて思います。

青いパジャマの子は座敷童だといいなぁ
でも今もお金持ちには、なってないんだよなぁ笑


読んでいただきありがとうございました。
あなたにとって良い一日でありますように。

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