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【国際カミングアウトデー】好きな人のことを当たり前に語れる世の中にするために

皆さんこんにちは。大家族フォーサイス家 三男の右京です。
先日投稿した僕のLGBTの記事をたくさんの方が読んでくださり嬉しく思います。

今回の記事も、是非LGBTの当事者以外の方に読んでいただきたいです。

皆さんが、もしゲイやレズビアンなど性的マイノリティだった場合、自分の家族や友人にカミングアウトすることができますか?

LGBTコミュニティの方の多くは、自分の性を打ち明けられない、いわゆる「カミングアウト」ができないことに悩んでいます。

僕も家族や友人にカミングアウトするのにたくさんの勇気が必要でした。詳細は以下のYouTubeの動画でその時の心境や家族の反応について長女の伊織と語っていますので、是非ご覧ください。

さて、10月11日は「国際カミングアウトデー」
1988年にアメリカで制定されたこの日は、LGBTコミュニティの方が自分のアイデンティティを隠さず生きることを祝福し、同性愛者に向けられる差別や偏見がなくなることを目指す世界的な記念日です。

今回、カミングアウトデーに因んで、僕から皆さんに伝えたい事が二つあります。それらは性的マイノリティの方が安心して、ありのままの姿で暮らせる社会にしていくために必要だと思うことです。

1) カミングアウトしてもらいやすい環境づくり

先述のように、多くの性的マイノリティの方が自分の性を打ち明けられずにいます。なぜなら、自分がLGBTだと周りに知られた時、いじめられたり差別されたりする可能性があるからです。

日本でも、LGBTへの認知や理解は広がってきていると感じますが、依然として偏見を持った方も見受けられます。自民党の白石正輝議員が「日本中がLGBTになってしまうと足立区は滅んでしまう」と発言し、大きな批判を浴びたことは記憶に新しいです。

僕が日本で生活していた時、テレビや学校でLGBTを蔑む発言をよく耳にしました。悪気はないのかもしれませんが、何気ない一言でカミングアウトのハードルはどんどん高くなっていきました。

「カミングアウト」と一口にいっても、実は一回で終わるものではありません。家族、友人、同僚など、複数回のカミングアウトが必要です。誰に、いつカミングアウトをするかを慎重に考えますし、本当にたくさんの勇気が必要なんです。

幸運なことに、僕が家族や友達にカミングアウトをした時、僕の不安を他所に、みんな僕のカミングアウトを喜んでくれました。「どうしてもっと早く言ってくれなかったの」とたくさんの人が言ってくれました。



2) カミングアウトをされるということが持つ意味

突然ですが質問です。皆さんは今までカミングアウトをされたことありますか?されたことない方は、自分の周りにLGBTの方がいないからでしょうか?

LGBTの割合は日本で10人に1人、左利きの人と同じ割合いると言われています。つまり、カミングアウトをされたことがない方は、周りにLGBTの方がいないのではなく、カミングアウトをしにくい人と思われているのかもしれません。

LGBTの方がカミングアウトをしやすくするにはどうすればいいのでしょうか。

ポイントは、普段からその場にLGBTの方がいる前提で人と接する事です。

・異性愛や性別二元論を前提にしない
例えば、「彼氏、彼女はいるの?」という質問も「恋人はいるの?」と言い換える事でLGBTの方も質問に答えやすくなります。
・普段使っている言葉を見直す
ホモ、レズ、オカマ、ソッチ系など、このような発言をする前に自分の言動が差別的ではないか考えてから発言しましょう。

このような配慮が当事者の負担や不安を軽くすることができ、心理的安全性が担保された状態で安心してカミングアウトできる環境を作ることができます。


3) カミングアウトがいらない世の中を目指していきたい

自分の恋愛について話すことは、ごく自然な会話のひとつだと思いますが、LGBTの方が自分の恋愛を話そうとすると、その行為は「カミングアウト」という大きなイベントになってしまいます。僕自身、自分の本当の恋愛話ができたのは僕が初めてカミングアウトできた20歳を過ぎてからでした。

僕がカミングアウトをして良かったと思える理由は、周りの人に今まで偽っていた本当の自分をさらけ出すことで、自分を肯定できるようになり、結果的にカミングアウトという行為が今まで曖昧だった自分のアイデンティティを深く知るきっかけになったことに他なりません。そして、たくさんの人にLGBTについて話す機会が増え、当事者として情報発信をすることができています。

僕は、自分のように周りのサポートがある安全な環境下にて、安心して周りにカミングアウトをすることができる人は、率先してカミングアウトをするべきだと思っています。なぜかというと、ゆくゆくはカミングアウトが必要のない世の中にしたいからです。

僕がカミングアウトをして気づいたことは、LGBTに偏見のある多くの人は、性的マイノリティについて理解することができないのではなく、理解するために必要な知識がないということです。テレビや噂で聞いた偏った情報でしか性的マイノリティのことを知らないため、嫌悪感を抱いているのではないでしょうか。

カミングアウトは当事者の存在を知ってもらい、身近に感じてもらうことで、LGBTコミュニティへの偏見や差別を無くす重要なステップだと僕は思います。

もちろん、LGBTコミュニティの方全員がカミングアウトすべきだとは思いません。カミングアウトできない環境にいる方も当然いるでしょう。身の危険を感じる状態で無理にカミングアウトする必要は当然ないと思います。そんな方々のためにも、カミングアウトできる状況にいる僕のような当事者からの発信が重要だと考えます。


4) LGBTであることをプラスと捉えられる世の中にしたい

僕のカミングアウトする前の一番の悩みは、「自分を認めてあげることができない」ことでした。

今は自分がゲイであることをプラスと捉えていますが、中には自分がLGBTであることをマイナスと考えている人もたくさんいます。かくいう僕も、社会や周りの人たちから煙たがられ、本当の自分をずっと隠し続けなければならないと考えていた時期があり、とても息苦しかったのを覚えています。

多様な考えを持った人々が社会に存在していることを理解し、違いを尊重する人が増えていけば、カミングアウトという行為自体が必要なくなるかもしれません。

日常の中で苦しんでいる人や、苦しんでいることを誰にも言えない人たちが、不安や恐れも抱かずに、好きな人のことを当たり前のように語れるオープンな世の中にしたい。この『カミングアウトデー』がそんな時代に近づくステップになることを願って綴らせていただきました。

最後になりますが、26歳にして初めて弟の伊吹と青羽に直接カミングアウトした際の動画を投稿しましたので、どうぞご覧ください。


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