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【DMM 奥野氏】フルスタックなビジネスマンでありたい。独立・起業を経て選んだ大きな挑戦環境

フォースタートアップス株式会社(以下、フォースタ)では、エンジニアに特化した専門チーム「エンジニアプロデュースチーム」を開設。スタートアップに対してキーマンとなりうるCTO・VPoE・エンジニアの採用支援をしております。

合同会社DMM.com(以下、DMM)は「誰もが見たくなる未来。」をコーポレートメッセージに掲げ、およそ60以上もの事業を手がける企業です。

今回は同社のテックリード室 第1グループ マネージャーとして活躍する奥野 慎吾氏に、入社の経緯やフリーランス経験について、仕事に向き合うスタンスなど幅広くお話を伺いました。

奥野 慎吾氏
Slerに入社後、複数のベンチャー企業を経てフリーランスとして独立。
その後起業してスタートアップCTOを担うなど多様な経験を積む。
2020年4月にDMM CTO室へジョイン。その後EC&デジタルコンテンツ本部でテックリード室を立ち上げ室長として2年余り事業支援や全社横断の大型プロジェクトを推進。2023年1月からは全社のテックリード室 第1グループ マネージャーとして全社横断的な技術支援に携わっている。


コミュニケーション力も重要なスキル。関心の赴く仕事を渡り歩き、見出した強み

──まずは、これまでのご経歴を教えてください。

奥野:20歳からエンジニアとしてのキャリアをスタートしました。最初はSlerに入り、ベンチャーを経験したあとフリーランスとして独立します。その後は取引先で出会った仲間と3人で会社を立ち上げCTOを担ったり、スタートアップでCTOから事業開発まで携わったり、興味の赴くまま色々な仕事をしてきました。

3年ほど前に所属していたスタートアップでの役割が一段落して、新たなフィールドを模索していたところ、DMMに出会いました。2020年4月に入社し、現在はテックリード室のマネージャーとして、全社横断で技術支援をしています。

──経験の幅が豊富に感じます。どんな基準でキャリア選択をしてこられたのですか?

奥野:正直なところ、あまり計画性のあるタイプではなく直感で生きているところがあるので、計画的に積み上げた逆算型ではありません。ただ、面白そうな仕事にフットワーク軽く取り組む姿勢はずっと大事にしてきました。だからこそ色々な経験ができましたし、技術力も高められたと思っています。

最初に入った会社では、あまり多くのチャレンジがしやすい環境ではなかったのですが、そんな中でも興味をそそられるプロジェクトには積極的に手を挙げて取り組んでいきましたね。それに飽きたらず、プロジェクトで知り合った取引先と、協力して新しい案件にチャレンジしていったこともありました。

もちろん、プロジェクトを成功に導くためには、それに応じた技術力を磨くことも必要です。若気の至りで「この技術を3日でマスターします!」と周りに宣言しつつ、土日深夜で必死に勉強したこともあります。ハードな日々を送っていましたが、自分の興味関心を軸に仕事をしていたので、あまり辛いと感じたことはなく、楽しんでやってきました。

──“面白そう”と感じたものを軸に取り組む中で、何か気づきはありましたか?

奥野:徐々に自分の得意なことが見えてきました。最初は純粋な好奇心で仕事に没頭していたのですが、クライアントと社内メンバーの間に立ってコミュニケーションしながら、ミッションを成功に導いたり、プロジェクトを円滑に進めたりするのが向いていると気づいたのです。

そう気づいたのは20代の半ばで、Slerから転職し、3社目のベンチャー企業に所属していた頃でした。その会社にはいわゆる天才肌のエンジニアが多く、技術力では太刀打ちできないことを痛感しました。彼らとクライアントの間に入って仕事を進めるうちに「奥野さんなら話を分かってくれる」と、多くのクライアントから信頼を寄せられるようになったのです。その後は、ありがたいことに様々な引き合いをいただき、フリーランスとして独立する運びになりました。取引先の方に誘われて3人で起業し、CTOに就任したのもこの頃です。

──コミュニケーションが、エンジニアとして働く上で強みになると実感されたのですね。

奥野:そうですね。エンジニアは技術力が全てではなく、コミュニケーション力も武器になると気づけたのは大きかったです。

技術面だけではなく、案件提案やセールスなどビジネス寄りの業務にも関わるようになりました。
また、「奥野さんならなんとかしてくれる」とトラブルシューターのような役割が多かったです。各所からヘルプを求められ、複数社の炎上案件を同時進行で解決したこともありました。多忙な働き方でしたが、そんな働き方を毎週のように繰り返していたため知見も効率良く溜まり、課題を短時間で解決していく力が鍛えられたように思います。


フリーランス時代の同時並行の課題解決をDMMで再現。新規事業立ち上げを担える可能性の大きなフィールド

──これまで様々な経験を積んできた奥野さんが、今回転職を考えたきっかけを教えてください。

奥野:DMMの前に所属していたのが、スーパーコンピュータをクラウドサービスとして展開するスタートアップでした。最初は業務委託として関わっていたのですが、徐々にのめり込んでいって本格的に参画することになりました。そこではCTOとして製品開発に携わるだけでなく、プリセールスや事業開発と様々な業務を経験させていただきました。特に事業開発は力不足なこともあって、ビジネスをうまく軌道に乗せることに貢献できず悔しい思いをしました。

フェーズも変わっていき新しくその業界に強い人材も集まってきたこと、ちょうど任期を迎えるタイミングということもあって取締役を辞任を決意しました。、先々どうするかは決まっていませんでしたが、事業開発の面白さに目覚めたこともあり、どこかで再挑戦できないかと漠然と考えていました。

──そこで弊社のヒューマンキャピタリスト中田莉沙が、DMMをご紹介させていただきました。とんとん拍子で入社が決まったと聞いています。

奥野:そうなんです。正直、フィットする会社がなかったらフリーランスに戻ろうぐらいに考えていたのですが、中田さんにDMMを紹介していただき、当時のCTO・松本勇気さん(現・株式会社LayerX 代表取締役CTO)とのカジュアル面談で意気投合し、2週間ほどで入社が決まりました。

──なぜ、次の挑戦をDMMでしようと決めたのですか?

奥野:決め手は2つあります。
まずひとつは、DMMならフリーランスや起業時代に培った経験が活かせる環境であると感じたからです。

ご存じの通り、DMM内では数多くの事業が立ち上がり、成長を遂げています。そんな中、松本さんが「それぞれの事業をより円滑に進めていけるよう、全社的な技術アプローチをどう強化すれば良いか」「一緒にDMMの伸びしろを伸ばしていきましょう!」と語ってくれたことが印象的でした。

取引先の様々なベクトルの課題解決を経験してきた私にとって、松本さんの抱える課題が、フリーランス時代の日常の延長線上にあるような気がしました。今までやってきたことを今度はDMMの中で体現していこうと、バリューを発揮するイメージをつかめたことが決め手になりました。

もうひとつは、多くの事業が立ち上がっている背景から、チャンスがあれば私も新規事業の立ち上げに関われるかもしれないと感じたからです。今までの経験を活かせるうえ、目標にも近づけそうな願ったり叶ったりのフィールドに惹かれて、入社を決めました。


物事を俯瞰して、ときには疑う。複雑に絡む課題を解きほぐしながら全体最適を目指す

──入社してから担われている仕事内容やミッションを教えてください。

奥野:入社後は、CTO室と呼ばれる全社の技術支援を行うチームに所属しました。その後、動画配信など多数の事業を展開するEC&デジタルコンテンツ本部(現:デジタルコンテンツ本部)の中に、専用の技術支援室を作るミッションを任されます。そこでテックリード室を立ち上げ、室長に就任。本部内での技術支援に携わっていく中で、ちょうどその時期に始まった全社横断の大型プロジェクト(DMMプレミアム、DMM TV)の立ち上げにも関わりました。

昨年の12月に大型プロジェクトが一段落したため、引き続きそのプロダクトにも関わりつつも、現在は以前と同じように全社横断の技術支援に関わっています。

──改めて、入社して感じるDMMの魅力を教えてください。

奥野:入社前の予想通り、亀山会長(兼CEO)の元で新事業がどんどん立ち上がっていくスピード感と、積極的に手を挙げれば色々な事業に関わっていける風土が魅力です。組織規模の割に、経営陣との距離が非常に近いことも風通しの良さを感じますね。私もよくディスカッションしますし、エンジニアやデザイナーが、会長と直接言葉を交わす光景も見られます。

また、組織規模が大きいからこそ、圧倒的な量の情報データに触れられるのが良いですね。DMMに来て驚いたのは、なんとSlackに4,000人を超えるメンバーがいること。分からないことはまずSlackを検索すれば拾えるケースが多いですし、過去の似たような施策を参考にしながらミッションに取り組むこともできます。この情報量は数十人規模の会社ではなかなか得られないですし、比較的オープンに情報共有する社内の雰囲気に働きやすさを感じます。

──逆にフリーランスや少人数のスタートアップ時代と比べて、DMMに感じる違いはありますか?

奥野:これまでは、一つひとつの課題に対する解決策を、個別最適で提示しながら動いていました。しかしDMMは、ひとつの課題が同じプラットフォーム上にある別の問題と複雑に絡み合っているケースが多いです。個別最適で動くと全体のバランスが崩れてしまうため、どう均衡を保ちながら全体最適に持っていくかが非常に難しいと感じてる反面、面白いところだと感じています。

──そういった問題に、どんな姿勢で向き合っているのでしょうか?

奥野:ひとつは、物事を俯瞰して見ることです。DMMには、動画や電子書籍といった事業部のプロダクトを始め、会員基盤や検索基盤といった横断的に利用されるプロダクトなど様々なプロダクトがあり、それぞれを管轄する部門のメンバーが運用してくれています。一方、テックリード室はプロダクトを持っていない分、俯瞰して課題を捉え、各部門のメンバーや、インフラ、SRE、セキュリティ、QAなどの我々と同じく横断支援を行う専門性を持った部門等と連携しながら課題解決にあたることがミッションです。
もちろん俯瞰するだけでは問題は解決しないので、深く見るべきところは突っ込んで見ていき、課題解決につながる手を考えていく意識を大切にしています。

もうひとつは、ときに前提を疑ってみることです。DMMはアーリーなスタートアップと異なり、ある程度ビジネスや組織が確立しています。流れができているからこそ、あえて前提を疑ってみることで、新たな観点での提案を忘れないようにしています。


「関わる顧客の数を増やし、全力コミットする」のが成長への近道

──ここからは、奥野さんの仕事観についてお聞きします。相手とコミュニケーションを取るうえで、大切にしているスタンスを教えてください。

奥野:対話する相手をリスペクトすることです。まさに今、DMMで事業部のメンバーと話すうえでも大事にしています。

組織が成長するのは、プロダクト作りに専念してくれる事業部メンバーがいるからこそ。本当に細かい部分までプロダクトに向き合う姿勢を尊敬しています。リスペクトを忘れずに、謙虚な姿勢で本音を話していけば理解を得られやすいですし、お互い気持ちの良い仕事ができると思っています。

──エンジニアにとって重要な技術に関してはどういったお考えをお持ちなのでしょうか?

奥野:特定の技術を突き詰めることも素晴らしいですが、システムはいろいろな技術が集まってできているので、あまりスコープを限定せず、課題解決のためにフルスタックに何でもやる姿勢を大切にしています。
技術はあくまで手段なので、目的ドリブンで最適な技術を駆使することが重要です。さらに、フリーランスや起業の経験から、課題解決のためには技術以外にも向き合う必要があることも実感しています。

特定の技術だけで解決できることは少ないです。これからも、技術を含めたあらゆるスキルを総動員していく“フルスタックビジネスマン”的なスタンスで、物事に向き合っていき成長し続けたいですね。トラブルシューターとしての幅を拡げつつ、トラブルを未然に回避できるような人材になっていきたいです。

──最後に、今後さらなる成長を遂げたい人や、スタートアップに挑戦したいエンジニアに向けて、奥野さんからメッセージをお願いします。

奥野:色々な働き方を経験してきた私から言えるアドバイスとして、成長するには「関わる顧客・案件の数を増やす」に尽きると考えます。日々多くのクライアントの課題解決に向き合っていれば、その分経験値がたまり、成長スピードが加速するからです。また、数を増やすと同時にどの顧客にも全力コミットすることが大切。それぐらいやって初めて、実力を伸ばすことができると思っています。

フリーランスで関わる案件を増やしていく方法もありますが、ゼロから取引先を開拓していくのは容易なことではありません。一方スタートアップ、特にDMMなら、様々な案件と関わり合う働き方を組織の中で実現できます。成長速度を上げるにはぴったりな環境だと思うので、興味のある人はぜひ飛び込んでほしいです。

──奥野さんのご活躍と、DMMのさらなる事業発展を楽しみにしております!貴重なお話をいただきありがとうございました。


 インタビューご協力: 合同会社DMM.com
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執筆:近藤ゆうこ

取材・編集:for Startups エンジニアプロデュースチーム