聖の青春を読んでの感想
羽生善治さんとライバルと言われた男、怪童、村山聖さんを題材にした大崎善生さんのノンフィクション小説。
村山さんは29歳の若さで亡くなるのですが、それまでの人生と将棋にかけた想いが溢れる作品。
村山聖さんは繊細で大胆で強情で無頓着で我儘か生身の人間だったんだ。
と、読み終えるころには涙が自然にドバーッと…。
まだ終わらないで…と噛み締めて読んだ本だった。
自分の「頑張ってる」は本当に本当にちっぽけだなあ…と痛感した。
少女漫画好きだった村山さん。
こんな髪も爪も伸びっぱなしで風呂にも入らない汚らしい風貌の男が少女漫画?!
と思っていたけど、読み進めるごとになるほど…と納得してしまった。
将棋の強さはもちろんだけど、強情で我儘。
しかし、みんなから愛された秘訣は努力の鬼でいつも感情のままだったからなんだと痛感した。
漫画家デビュー前の同人誌時代からおいかけている大好きな羽海野チカさんの「3月のライオン」に村山さんをモデルとした二階堂(多分、怪童とかけている)という人物が出てくる。
二階堂を見ていると、やはり元気が出る。
そのルーツを知りたくてこの本にたどり着いた。
「聖の青春」は映画化もされていて、たくさんの人から愛されていたんだな…としみじみ実感した。
私は健康で明日死ぬ心配なんてしたことがない。
しかし、村山さんは自分が決めた未来を絶対に叶えると血の滲む努力をした。
だからあの結果が残せたのだろうと思う。
そもそも「未来がない」と分かっている中で。
この本を読むと、自分がどれだけ傲慢でサボっていて我儘で何も考えていないのかを突きつけられる。
私の小さな悩みや不安、陳腐な不満もぶっ飛んでいくくらい頭を殴られた感じがした。
そんな私の目を覚ましてくれる作品でした。
私が今後人生悩んだ時に開くバイブルに決定です。
フォレスト🌿
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