8月に聴いたアルバム


●=個人的に良いアルバム/◎=再聴したアルバム

8月2日(金)

・WANDS - PIECE OF MY SOUL (1995)
 WANDSの4th。ロック色の強いアルバム。「Love & Hate」サビが良い。「世界が終わるまでは…」名曲。全編サビのような構成が良い。いかにも90年代というようなオーバードライブをかけたAlice In Chains的サウンド。「DON’T TRY SO HARD」歌詞がいい。「Secret Night」イントロや逆再生が面白い。遊びの曲。全体的に歌詞が暗い。「Foolish OK」これが一番好きかも。表題曲がまるでニルヴァーナ。かなり良かった。

8月3日(土)

●Mr.Children - Atomic Heart (1994)
 Mr.Childrenの4th。「Dance Dance Dance」1曲目にちょうど良い曲。「innocent world」神がかっている。超超超名曲。アレンジが派手じゃないのもいい。ただ「ラヴ コネクション」から繋がりが弱いのが玉に瑕。「クラスメイト」良い。「CROSS ROAD」歌詞の繋がりがいい。「Asian」→「Rain」→「雨のち晴れ」の流れがいい。「Over」ラストにふさわしい曲。90年代だが時代をまったく感じない。まごうことなき名盤。

8月4日(日)

・岡村靖幸 - 家庭教師 (1990)
 岡村靖幸の4th。「どぉなっちゃってんだよ」いきなりすごい曲。ジャンル不問。歌い方にだいぶ癖がある。「カルアミルク」良い曲。「家庭教師」めっちゃ性的。「あの娘ぼくがロングシュートを決めたらどんな顔するだろう」名曲。どこからもってきたかわからんコーラスがいい。リビドーと賢者タイムが交互にくるようなアルバム。「祈りの季節」R&B的。一聴しただけではよくわからない。

・戸張大輔 - ギター (1999)
 戸張大輔の1st。ほぼデモ音源。「無題4」めっちゃ良い。時代を感じない。「無題5」本当に好きな曲。ラフな音質が逆に温かみを与えているというか。「無題7」山登りしているような曲。「無題19」ノスタルジーを感じさせる。「無題21」良い。名盤。

・DYGL - Say Goodbye to Memory Den (2017)
 DYGLの1st。ストロークスのサウンドにイギリス訛りの英語。「Crazy」良い曲。「Let It Sway」も良い。夕暮れのような雰囲気がある。「Let It Out」名曲。70年代のガレージロック的な要素もある。「Happy Life」良い。アルバムを通してしっかり流れができているのが良かった。

・METAFIVE - META (2016)
 METAFIVEの1st。LEO今井高橋幸宏小山田圭吾砂原良徳テイトウワゴンドウトモヒコというモンスターバンド。悪くなるはずがない。「Don’t Move」めっちゃいい。あちこちから音が生えてくるのが良い。「Luv U Tokyo」名曲。「Anodyne」電子音と生音の組み合わせがいい。いろいろな要素が感じられる。「Split Spirit」音が引き締まってる。名曲。「Whiteout」雰囲気としてはこれが一番好きかも。

・金延幸子 - み空 (1972)
 金延幸子の1st。「あなたから遠くへ」温かみを感じる曲。ジョニ・ミッチェルのもつ牧歌的な雰囲気がある。特に「おまえのほしいのは何」あたり。「青い魚」GRAPEVINEのカバーで知った。こっちのほうが「グロテスクさ」が強い。アレンジもシンプルで胸焼けせずにすっと聴ける。70年代の音は安心できる。

8月5日(月)

●中村一義 - 金字塔 (1997)
 中村一義の1st。「犬と猫」名曲。90年代の音とは思えない。新しい。「魔法を信じ続けるかい?」ひねくれたポップス。良い曲。マジで22年前の人間のセンスじゃない。「ここにいる」良い曲。「いっせーのせっ!」優しい。USインディーと似た雰囲気を感じる。朝焼けを感じさせる声。「永遠なるもの」響く。あまりにすばらしい。これを22歳で全部一人で作ったというのも信じられない。名盤。

8月6日(火)

・Lynyrd Skynyrd - Lynyrd Skynyrd (1973)
 レーナード・スキナードの1st。「I Ain’t The One」ギターが良い。いかにもアメリカのハードロックという感じ。「Tuesday’s Gone」なぜか風を感じる。夕方に吹く風。「Gimme Three Steps」あちこちで聴いたリフ。たぶん元ネタはこれじゃない。イーグルスと似た雰囲気を感じる。「Mississippi Kid」ブルース。「Free Bird」名曲。

・T.Rex - Electric Warrior (1971)
 T・レックスの2nd。「Mambo Sun」ソリッド。音が抑えられていて良い。「Jeepster」なぜだかわからないが良い。「Bang A Gong (Get It On)」名曲。決して古くならない。構成がシンプルなのも良い。コーラスがR&B的でいい。「The Motivator」げりろーんみたいな曲。「Life’s A Gas」短いが良い曲。「Rip Off」だいぶ凄いと思った。衝撃を感じた。

◎山下達郎 - SPACY (1977)
 再聴。夜中に聴くとちょうどいいのかも。「Dancer」おそろしく良い。ボリュームが抑えられて強弱のバランスが完璧。「言えなかった言葉を」ほぼピアノのみで静かなのがいい。どこか70年代的なんだけど、そのぽさを構成する要素がことごとく時代を超えてきてる、という感じ。きわめつけの「Solid Slider」。まさしくソリッド。ベースがめっちゃかっこいい。

8月7日(水)

・Donny Hathaway - Extension Of A Man (1973)
 ダニー・ハサウェイの4th。クラシックソウルというらしい。入りからして壮大な音に包まれる。「Flying Easy」気持ちいい音しかない。すばらしい。日本でいうところのシティポップ的な要素が「Valdez In The Country」に感じられる。「Come Little Chuldren」ファンキー。「The Slums」ギターとベースがいい。「Lord Help Me」切な歌。再聴の必要あり。

◎井上陽水 - 氷の世界 (1973)
 再聴。「あかずの踏切り」→「はじまり」→「帰れない二人」の流れが本当に完璧。ギリギリ意味を残した歌詞という点で現代的。「氷の世界」とか。向井秀徳は絶対影響受けてる。「心もよう」楽器の重ね方がいい。B面は小粒の良曲が並んでいる。「小春おばさん」メロディと歌詞の親和性が高い。

・Tom Waits - Closing Time (1973)
 トム・ウェイツの1st。哀愁を感じる老成した音楽。「Ol’ 55」幸先いい。「Lonely」この曲が一番好きかも。すっかり疲れて気分が塞がったような気分になる。「Ice Cream Man」アップテンポ。けどアルバムの雰囲気を崩してない。「Grapefruit Moon」すばらしい。最後はインストで締められる。つらい時に聴くといいかもしれない。

●麓健一 - あるいはその夏は (2009)
 麓健一の4th。声がいい。アコギの曲と打ち込みの曲に分かれる。「WHAT ARE YOU WAITING FOR?」歌詞がいい。「部屋とYシャツと私と嫉妬」コーラスとの絡みと変なトラックの親和性がいい。「数えるものは何」良い曲。ジャケットは明るいが、収録楽曲はその光へ向かおうとする過程であるように感じる。「雨と花嫁」優しい。「葬列」本当に良い曲。この曲だけでも充分価値がある。名盤。

8月9日(金)

●サニーデイ・サービス - サニーデイ・サービス (1997)
 サニーデイ・サービスの4th。ジャケットが良い。「baby blue」凄い。こんな完璧な始まりってあるか。曲全体の雰囲気がものすごくいい!「NOW」とか「枯れ葉」とか。秋の静かな空気に合いそう。アコースティック主体なんだけど、いろんな要素が混じってる感じ。メロディに日本語がとても合ってる。わりと激しめの曲でもアルバムの空気を壊すことなく最後に「bye bye blackbird」で名残惜しくも締められる。完璧。

8月10日(土)

◎The Beatles - Abbey Road (1969)
 再聴。いまさらなにも言うまい。

8月11日(日)

・Soft Machine - Third (1970)
 ソフト・マシーンの3rd。ジャズロック。名前からしてフォークな感じかと思ったが全然違った。「Facelift」音悪。7分15秒あたりがものすごくかっこよかった。インプロのような音楽。なんともいえない。「Slightly All The Time」ジャズに接近しまくってる。「Facelift」と違い一定のリズムに楽器がのっかる曲。締め方がいい。「Moon In June」ボーカル入り。先の展開が予想できない。プログレのようにまとまったフレーズがあるわけではなく向こう見ずに突っ走る感じ。ベースが良い。「Out-Bloody-Rageous」逆再生で幕が開く。すべての楽器が生きている。この曲が一番好きかも。2パートに分かれてるっぽいけど、どっちもいい。アウトロがエレクトロニカみたいで面白い。

●Talking Heads - Fear Of Music (1979)
 トーキング・ヘッズの3rd。「I Zimbra」何語かわからんが超かっこいい。『Remain In Light』の下地がもう既に出来上がっていたという感じ。「Mind」自然に首振っちゃう。どの曲もカッティングがめっちゃ気持ちいい。「Life During Wartime」歌詞に笑っちゃう。デヴィッドバーンのおどけた感じとか、トムヨークは絶対影響受けてるだろうなと思う。好きな要素しかなくて逆に怖い。「Heaven」哀愁がある。印象深い1フレーズを執拗に繰り返すことでミニマルな音そのものも1つの主題をぐるぐる渦巻いているように感じる。「Drugs」54-71を思い起こさせる音像。名盤。

8月13日(火)

・J Dilla - Donuts (2006)
 J・ディラの2nd。ジャケットが良い。MCなしの44分。音の洪水。ラジオを次々ザッピングしていじくってるようなイメージ。アイデアノートをつなぎ合わせたような。曲間は繋がりが薄そうな印象を受けるが、全体としてむしろまとまっているのではと感じる。最後に「Intro」で終わり1曲目につながるドーナッツ構造。再聴の必要あり。

●パラダイス・ガラージ - 実験の夜、発見の朝 (1998)
 パラダイス・ガラージの6th。豊田道倫の独特な声が癖になる。「City Lights 2001」静と動。「恋」音楽を聴いて久しぶりに泣いた。短いのがもったいない。演奏とボーカルが本当に合ってる。ブッチャーズを聴いたときの感覚。「青春乱れ射ち」青春を感じる。「ハッピー・タイム」あざとい。やけっぱちな感じがいい。「深夜放送」安っぽくてローファイな感じ。良い。全体的に歌詞は字余りなのだがそんなに違和感がない。「69」メドレーのような曲。サイケな音作りがいい。「I love you」歌詞が良い。「1998」歌詞は曖昧なまま最後はぶつ切りで終わる。聴いたことない種類の音楽だった。名盤。

8月15日(木)

・Arcade Fire - Funeral (2004)
 アーケイド・ファイアの1st。なぜだか聴かずに毛嫌いしていた。「Neighborhood #1 」が早速良い。「Neighborhood #3 」力強い歌詞が良い。なんといえばいいかわからないが、熱い情熱とキリスト教的な精神を感じさせる。「Wake Up」言わずもがな。葬式のときはこれを流したい。カナダのバンドのためかたまにフランス語が混じる。名前のとおり、死者を讃えるようなアルバム。

8月17日(土)

◎R.E.M. - Automatic For The People (1992)
 再聴。どうやったらこんな完璧なアルバムが作れるんだろう? 神がかってる。めっちゃ好き。

8月19日(月)

●Supergrass - I Should Coco (1995)
 スーパーグラスの1st。「I’d Like To Know」曲の展開が面白い。てっきりメロコアみたいなバンドかと思っていた。いわゆるエモさを感じるリフがたまにある。ポップスのセンスがいい。「Strange Ones」は途中アニマルズみたいになる。「Sofa (Of My Lethargy)」終盤にくる終盤っぽい曲なので良い。いろんな要素からいろんな音楽からの影響を感じられる、すばらしいアルバムだった。

8月22日(木)

●FISHMANS - 宇宙 日本 世田谷 (1997)
 フィッシュマンズの7th。凄いアルバムタイトル。「Weather Report」天気の子みたいな歌詞。浮遊感のある音。9分近くあるがもっと聴いていたい。こんな音楽ができるバンドが日本にいたんだなあ、とつくづく感じる。「In The Flight」ものがなしい歌詞。「Magic Love」レゲエ。「バックビートにのっかって」徹底的に削られた音が現実と夢の間に浮かぶよう。宇宙と世田谷が一体化したような、だれもいない真空の空間に放り込まれたような気分になる。いまのvaporwave的要素もあるんじゃないか。「WALKING IN THE RHYTHM」もいい。「Daydream」この曲が最後でよかった。文句なしの名盤。

・相対性理論 - シフォン主義 (2008)
 相対性理論の1st。「スマトラ警備隊」歌詞が完璧。今流行ってるポストボーカロイド系の音楽の源ともいえる。「LOVEずっきゅん」ギターの音がいい。ジャケットの左上にミラーボールがあるのに今さら気づいた。「夏の黄金比」おっさんのコーラスが素敵。全体的にキツめのディストーションがかかってないのもいい。ただ15分しかないので物足りなさがある。

8月23日(金)

・Wilco - Wilco (The Album) (2009)
 ウィルコの7th。まず思ったのは、曲の雰囲気がカントリーっぽいということ。「Deeper Down」なんか良い。「One Wing」GRAPEVINEもパクった良曲。切ない。「Bull Black Nova」好き勝手動き回るギターがいい。「You And I」朝の雰囲気。逆再生がビートルズみたい。「You Never Know」ずっと同じフレーズ。元気が出る。全体的に楽曲の空気がいい。ギターやドラムの音からにおってくる感じが。良いアルバム。

・John Coltrane - A Love Supreme (1965)
 ジョン・コルトレーンのアルバム。「Acknowledgement」まさかのコーラス入り。冷徹で静かな印象を受ける。「Resolution」めっちゃかっこいい。ドラムが良い。ジャズの詳しいことはわからないがサックスもいい。5分50秒を超えたあたりのドラムがとにかくかっこいい。「Pursuance / Psalm」サックスとドラムが大暴れしてからやってくる淡々としたベースソロに感じ入る。静と動の峻別。「Psalm」パートでは一転してドラムは鳴りをひそめ、サックスが渋めな感じになる。半世紀以上経つが、まったく古びない。

●Flipper’s Guitar - ヘッド博士の世界塔 (1991)
 フリッパーズ・ギターの3rd。「ドルフィン・ソング」ビーチ・ボーイズみたいな曲。海を感じる。「グルーヴ・チューブ」楽しげな雰囲気なのになぜか哀愁を感じる。ペイヴメントの『Terror Twilight』のような。音作りはプライマル・スクリームを想起させる。「アクアマリン」はマイブラっぽい。当時のUKロックのサウンドが91年に日本で鳴っているというのが凄まじいことだと思う。「ゴーイング・ゼロ」ベースが良い。シューゲイザーとヒップホップの融合。91年の音じゃない。「スリープ・マシーン」一番好きかも。グッドバイブレーション。「奈落のクイズマスター」良い。声がいい。「星の彼方へ」夜の街を抜けて月を目指していくような曲。優しい。「世界塔よ永遠に」今さらだが小山田圭吾の声はピープルの波多野の声に似ている。3パートくらいに分かれた楽曲で、「ゆるやかに死んでいく」ことを踏まえた上で、楽しげな音楽が流れる。凄い。音楽って凄まじいと感じるアルバム。

8月24日(土)

・GRAPEVINE - GRAPEVINE LIVE 2001 NAKED SONGS (2002)
 GRAPEVINEのライブアルバム。2001年のツアーでの音源。『Circulator』を出したばかりなので、そこからの選曲がメインになっている。演奏がめっちゃうまい。そんでもって熱量がすごい。B面曲も軒並みクオリティが高い。「パブロフドッグとハムスター」の12分バージョンには恐れ入った。「白日」→「So.」の流れがいい。ライブパフォーマンスにすぐれたバンドだと再認識した一枚。

8月25日(日)

・Pixies - Trompe Le Monde (1991)
 ピクシーズの4th。本作をもってピクシーズは解散する。ジャケットがいい。「Planet Of Sound」まだ新しい曲。「U-Mass」Smells Like Teen Spiritみたいな曲。ワンアイデアという感じの曲が多い。「Subbacultcha」クールでかっこいい。

8月29日(木)

・山下達郎 - CIRCUS TOWN (1976)
 山下達郎の1st。『SONGS』の翌年にリリースされた。ジャケットがいい。「CIRCUS TOWN」R&Bぽい曲。コーラスが良い。「WINDY LADY」ドラムとベースがいい。「MINNIE」しっとりめのバラード。歌い方が良い。「永遠に」普通にいい。「LAST STEP」これもR&Bぽい曲。クラップが良い味出してる。「迷い込んだ街と」リズムと展開がいい。「夏の陽」Nightswimmingを彷彿とさせるピアノ。あれも夏の曲か。アルバムの締めくくりにちょうど良い。一番好きかも。

8月31日(土)

・R.E.M. - Murmur (1983)
 R.E.M.の1st。「Radio Free Europe」淡々と進んでいく。「Pilgrimage」その後のR.E.M.サウンドの原石が垣間見える一曲。「Laughing」純粋に良い!怠惰な感じがいい。「Moral Kiosk」コーラスがいい。「Perfect Circle」アコースティックが気持ちいい。「Catapult」懐かしい感じがする。メロディも良い。「Sitting Still」特に言うことない。「9-9」全体的に一貫したフレーズを弾いている。初期のスピッツも意識している部分があると思う。「Shaking Through」優しげ。USインディーの感じ。「West Of The Fields」これもコーラスがいい。壮大ではないが、ミニマルな美メロが効いた一枚。

・BOOWY - BOOWY (1985)
 BOOWYの3rd。「DREAMIN’」一曲目にふさわしい曲。「黒のラプソディー」ベースがきいたリトル・リチャードみたいな曲。ダンスパンク要素もあって面白い。「BABY ACTION」ギターが良い音。「唇にジェラシー」哀愁を感じる。歌詞に時代を感じる。「ホンキー・トンキー・クレイジー」ドラムがいい。「BAD FEELING」ギターがかっこいい。「CHU-RU-LU」余白が多い。「DANCE CRAZE」ボーカルが布袋。ギターのノイズがいい。「ハイウェイに乗る前に」ギターがいい。「CLOUDY HEART」サビがめっちゃいい!郷愁を感じる良い曲。

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