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【3分でわかる】訴えの変更解説!

訴えの変更とは

民事訴訟法143条1項
「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することが出来る。ただし、これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りではない。」

訴訟の進行に伴って、請求内容の追加や、従来の請求に代えて新たな請求を行うことが紛争の解決のためになることがあるので、訴訟において原告は請求内容の変更が出来るということです。
ただし、この条文を読む際にはむしろ「訴えの変更をされる被告人」に目を向けることで理解しやすくなります。

例:原告が被告に100万円の支払いを請求していたが、訴訟期間中に被告から30万円の弁済があり、請求金額を減額する。

訴えの変更の種類

1.訴えの追加的変更
従来の請求の趣旨に、新たな請求の追加をするものです。
同一の被告に対して、一つの訴えにより複数の請求をする場合もあります。
単純併合又は予備的併合などがありますが、どの場合でも元々の請求は取り下げず、一緒に判決を求めたり、元々の請求が棄却された場合に第二の請求の判決を同時に求めるといったものとなります。

2.訴えの交換的変更
従来の請求に変えて、新しい趣旨の請求を行うことを指します。
判例では、新請求の追加の提起と、元々の請求の訴えの取り下げを行う複合的形態と考えられております。

訴えの変更の要件

被告が訴えの変更によって反論等の準備を行うことが困難とならないようにという保護・訴訟進行とのバランスを考え、以下の4つが要件となります。
1.請求の基礎に変更がないこと。
2.訴訟手続を著しく遅滞させないこと。
3.口頭弁論の終結前に行うこと。
4.新請求が他の裁判所の専門管轄に属さないこと。

訴えの変更の手続き

訴えの変更は書面にてしなれければならず、被告に送達されます
そのうえで被告は訴えの変更を許さない旨の決定を求める申し立てが可能であり、裁判所は訴えの変更が不当である場合は許さない旨の決定をする必要があります。

民訴法143条2項
「請求の変更は書面でしなければならない。」
民訴法143条3項
「前項の書面は、相手方に送達しなければならない。」

参考
・最高裁判所昭和39年7月10日第2小法廷判決
(「最高裁判所判決 昭和39年度」1093頁~1109頁)
・「最高裁判所判例解説 昭和39年度」260頁~267頁
・「民事訴訟法判例百選 第1版」152頁 著:我妻学
・「民事裁判入門」 著:中野貞一郎 有斐閣

こちらは私が5年ほど前に判例研究を行った際に作成した資料から一部修正したもので、参考文献の版が古かったりしますのでご注意ください。

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