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香港のミニバスと大阪オンデマンドバス

大阪市オンデマンドバス発進

2021年3月30日からOsaka Metro(大阪メトロ)がオンデマンドバスの運行を始めた。

【乗車レビュー】オンデマンドバスに早速乗ってきた!!(Osaka-Subway.com)


「バス」でありながら決まったルートはなく、事前にスマホか電話で配車予約を行い、予約状況に合わせてAIがルートや運行時間を設定するというもの。
バスとタクシーの長所を上手く活かしたシステムである。

しかし、このスタイルとワンボックスカーという「ミニ感」、どこか既視感がある…うーん、何やったっけな…
と脳内に火花が飛び散りった。
あれや!あれ!

香港のミニバス


私が連想したのは香港のミニバス。中文(中国語)で「小巴」と書く。
香港には、2種類のバスが走っている。

一つは路線バス。こちらは観光客使う機会が多い交通手段で、英国統治時代の影響で2階建てのものがほとんど。2階席のいちばん前に座って看板スレスレの車窓を眺めるのが香港観光の隠れた楽しみ方。

そして、もう一つがミニバス
ワンボックスカーではなくトヨタのマイクロバスだが、16人乗りの小さなバスが、路線バスが網羅していないエリアを走っていたり、小回りがきかない路線バスの補完の役割を担っており、地元民の足となっている。


香港のミニバスには、屋根の色によって2種類に分けられる。

一つは。こちらは
・ルートが決まっている
・バス停がある(らしい)
・料金は均一
というもので、2階建てバスの補完的意味合いが強いもの。

もう一つが赤いもの。
緑でも観光客には扱いにくい癖があるのに、赤バスはさらに癖が強いバスである。
・バス停がない(降りる時は要自己申告)
・時間も決まっていない
・決まってるのは始点、終点、経由地のみ
・始発で満席にならないと発車しないことが多い
(客が少ないと運転士判断で途中で運行停止がある)

香港在住者や香港通の間では、「ミニバスを制する者、香港を制す」とまで言われているほど乗りこなすのが難しいミニバス。在住歴10年以上のベテランでも、これだけはわけわからんと頭を抱えるほどのややこしさ。一見さんの観光客には、まあおすすめはしない。というか乗らない方がいい。
なにせ、ミニバスは路線バスが行かない、行けないニッチな路線が多く、観光客がまず足を踏み入れることはないローカル色満載の場所に連れて行かれてしまい、後で泣きを見ることが多い。
そして…香港は「英語が通じる」。まあこれは概ね間違いではない。だが、携帯電話の圏外のように、通じないエリアがホットスポットのように存在するのである。
実はミニバスがその一つ。地元民しか使わないような交通機関なので、基本は広東語しか通じない。それも、乗りこなすにはミニバス用語のような独特のフレーズが必要になる。それはまた別コラムで…

ここでまとめよう。

オンデマンドバスとミニバスの類似点

・小さなバス
・少人数
・着席制(立ち席❌)
・小回りがきく
・料金均一(香港は緑のみ)
・シートベルト着用必須
・客がいなきゃバス停飛ばす(速い)
・路線案内などは存在しない

オンデマンドバスとミニバスの相違点

・ICカード使用不可(香港は可)
・スマホで予約
・いちおう路線がある(香港緑)

まとめ

中国広東省に住んでた頃、香港でも広東省でもこのミニバスにはお世話になっていた。赤バスは相当癖がある&要広東語なので使いこなすのは大変な暴れ馬だったのだが、手足にすると「どこでもドア」ならぬ「どこでもバス」と化し、使い勝手は非常に良好な、香港の隠れた交通機関だったのである。
こんな痒いところに手が届くバスが日本にもあれば良いな…と思っていたのだが、ついに登場といったところな。それも21世紀IT時代型に進化してと、私は感慨無量である。
日本にも、オンデマンドバスのような「ミニバス文化」が定着すればと期待している。

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