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海外で地震に遭遇したときにどのように対処すべきかを考える<台灣花蓮地震を経験して>


資料來源為台灣中央氣象署

このnoteは、花蓮での地震を台湾国内で経験し、感じたこと、今後への備えを記録するために書きました。

昨日(4/3)午前7時58分に台湾東部花蓮の外海を震源とするM7.2の大地震が発生し、台湾東部を中心に大きな被害をもたらしました。

私の住む高雄市でも震度3の地震を観測しました。地震当時、私は自室で就寝中で、悪天時の船のような大きな揺れを感じて飛び起きました。幸い部屋の中には危険なものがなく、本などが落下した程度で、あまり大きな被害はありませんでした。しかし、体感した揺れの大きさは、今までの人生では経験したことのない強い衝撃を伴うものだったと記憶しています。

地震発生直後、よぎったのはここ数日の震度1-3程度の小さな地震の存在でした。4/3の午前3時頃にも中南部嘉義県を震源とする地震で、起こされていたのです。私は、大きな地震がどこかで発生したと予測しました。すぐにパスポートと財布、スマートフォンをボディバッグに入れ、いつでも避難ができるように準備しました。中央気象署のホームページを確認すると、震源は花蓮県であるとわかり、少しホッとしました。
しかし、今後高雄や台南など自分の住む地域が大きな地震に見舞われる可能性も否定できないと考え、その時にどのような対応をすべきか考えることにします。

海外で災害に遭遇したときにどうするべきか?


<初動対応>


私は、今回の地震に際して、初動対応を誤ったと感じています。なぜなら、自身の身の安全確保をせずに、避難用の準備を行ったからです。まずやることは、机の下に隠れるなど身の安全の確保でした。そして、地震発生後に避難経路の確保及び避難の準備を進めるべきだったと反省しています。

初動対応の手順
1.身の安全の確保
2.避難経路の確保
3.必要最低限の持ち物の確保(パスポート、財布、スマホは必携)
4.周囲の安全確認
5.家族等との安否確認

以下は、参考文献。

荒木健太郎氏twitterより

<情報収集>


海外で災害に遭遇したときに、私達外国人が困るのは情報収集です。
日本人だとついついtwitterを開いてしまいがちですが、最近はデマや誤った情報も多く、あまりオススメできません。
一番に頼るべきは、当該国の気象機関のホームページです。台湾であれば、交通部中央気象署のホームページを確認しましょう。
国家機関の公式サイトは、基本的に正しい一次情報を提供しています。
実際に、今回の地震のあとのネットやtwitter上でもいくつか誤った情報が投稿されていました。
・一部報道機関が地震後、新北市が停班停課を発令したと誤報を流す。実際には、災害対策本部が設置されただけで、停班停課の発令はなし。
・今回の地震とは関係のない写真を投稿し、不安を煽る。
・科学的根拠のまったくない人工地震の発生だと主張する。
・実際の写真を引用しているが、その説明が間違っている。
などなどたくさんの正確性に欠ける情報が出回っています。

被害の大きい地域にいた場合は、早急に日本国の大使館若しくは、関係機関に何らかのコンタクトを取っておいたほうがいいと思います。なぜなら、当該国の政府機関も地震発生後に、外国人に対して十分な対応ができるとは考えにくいからです。また、適切な避難指示などの情報を得るために、事前に緊急の連絡先を抑えておく必要があります。

台湾国内の緊急連絡先及び一次情報提供元(地震、台風、津波の情報)


公益財団法人日本台湾交流協会 台北事務所 (台湾における日本国大使館に相当する機関)
住所:台北市松山区慶城街28号
電話:(市外局番02)-2713-8000
台湾域外からは(地域番号886)-2-2713-8000
台湾域外からは(地域番号886)-2-2713-0975
E-mail: ryoji-k1@tp.koryu.or.jp   
なお、日本台湾交流協会は、日本の在外公館に準ずる機関であるが、日台間の外交上、法令上の制限を受けるため、すべての支援を行えるわけではない。


交通部中央気象署
日本の気象庁に相当する機関です。日々の天気の情報に加え、災害などへの備えや地球科学に関する知識を知ることができます。

地震の即時観測情報を知りたい。
中央氣象書地震測報中心(地震速報センター)

海の様子などを知りたい(ウォーターアクティビティを行う人向け)
GoOcean
当日の風の向きや波浪の状況、海上活動の適正などを見ることができます。

台風や局地的な豪雨が発生した際に、雲の位置や現在の降水量を確認できる。
QPlus新一代 劇烈天氣監測系統(QPlus 新世代型異常気象観測システム)

全民防災 e 點通」及びアプリ「消防防災 e 點通」
台湾国内における防災災害情報や緊急事態発生時の避難場所等、災害に関する様々な情報を見ることができます。

<警察廣播電台(警察ラジオ放送局)必要に応じて、日本語でも情報提供がなされます。
FM 周波数:104.9(台北・桃園・嘉義・雲林・台南・宜蘭共通)
105.1(新竹・苗栗・台中・彰化共通)
94.3(台北・花蓮・台東)、101.3(宜蘭)、94.5(台中)、93.1(高雄)
AM 周波数:1512(新竹)、1314(台南)
内政部警政署作成の無料スマートフォンアプリ「警政服務」でも、ラジオ放送を聞くことが可能。

警察 「110」、 消防・救急 「119」

台湾安全の手引(日本台湾交流協会発行)在台日本人及び海外渡航者必読


<安否情報について>


緊急事態が発生した際には、企業におかれては各社の体制に基づき社員とその家族及び出張者等の安否について確認を行うとともに、本邦にある本社等への共有とあわせて日本台湾交流協会までご連絡をお願いします。日本台湾交流協会の電話回線を確保するために、電話での連絡を行わず、交流強化からのメールまたは、SMSに返信する形で安否情報を提供する。(在留届、たびレジ登録者)また、在留届未提出の在留邦人の方、「たびレジ」未登録の短期渡航者(観光客)の方は、速やかにその所在を日本台湾交流協会に連絡してください。

第三国及び日本帰国後の対応
被災後、日本または第三国へ避難をした場合は、以下の連絡先に情報を提供する。
外務省海外邦人安全課(外務省代表:03-3580-3311)若しくは、
日本台湾交流協会

<避難時に注意すること>
地震が収まったあと、火の元を確認して、貴重品のみを所持して、速やかに学校などの安全な場所に避難すること。

そして、絶対に家には戻らないこと!!!

今回の地震でも、猫の様子を見に戻った女性が、倒壊したビルの下敷きになって亡くなりました。
以下動画リンク 受困逾12小時! 天王星大樓罹難女老師被救出

まずは、自分の命を守ることが最優先であることを忘れないでください。
ペットが大切な家族であることは理解できます。しかし、彼らは野生の本能で人間以上に生き延びる方法を持っています。災害時にあっては、人間のほうが脆い場合もあり、自らの安全を確保したうえで、ペットのことを考えましょう。

以下、地震及び津波への備え(by 気象庁気象研究所主任研究官:荒木健太郎氏twitter)




<まとめ>


日頃から、災害時の緊急連絡先の確認及び避難場所の確認をする(観光時も)
・地震発生直後は、頭部を優先に、自分の身の安全を守る行動を取る。
・貴重品(最低限、パスポート、財布、スマホの3点セットは必ず)を準備するとともに、安全に避難できる状態をつくる。
・政府機関の情報サイトにアクセスし、正確な一次情報を収集する。
・周囲の安全を確認したうえで、学校など安全な避難場所へ移動する
・避難後、絶対に家には戻らないこと
・避難後も、各種公共の情報提供源を利用して、正確な情報収集を行う。
・自分のいる場所が被害の大きい地域だった場合は、なるべく早く当該国の日本政府関係機関(日台交流協会など)に安否情報を提供する。

<参考文献>
日本台湾交流協会 安全の手引き
全民防災e點通
・交通部中央氣象署
東京消防庁 地震への備え
首相官邸 災害への備えチェックリスト

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