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免疫ってそもそも何?

今までになかった、新型コロナウイルスによる感染症の流行は人類に大きな脅威をもたらしました。今まで以上に健康管理が求められています。その結果「免疫力」に大変注目が集まっています。
「美しさ」、「若々しさ」とも関係が深い、免疫とは何か。
免疫力の高め方を考察します。

1.「免疫」と「免疫力」って同じこと?

一見そう思いますが、日本語の難しいところです。
また免疫を高めれば風邪をひかないなどと、誤解をしている方もいます。

「免疫」は医学用語で、単純に生体のシステムやその反応を指します。免疫が高まればウイルスや細菌などを排除する力が上がると感じます。しかし自己免疫応答が高すぎると、自分の正常な細胞を攻撃してしまう自己免疫性疾患などにつながるリスクもあります。他にも花粉やハウスダストなどの特定の物質に反応をするアレルギーも免疫反応です。

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「免疫」については、一概に強い、高い方が良いとはいえないようです。「免疫系が適切に働く」ことが重要なのです。
しかし、「免疫力」のように「力」がつくと、医学用語でなくなります。そしてその示す対象や範囲があいまいになり、数値化も難しくなります。一般的には、免疫力というと「感染症などと戦う力」と解釈されるでしょう。また、何に対する免疫反応のこと? など混乱を招くので、以降は一般的な意味合いとしての免疫力と表現します。

重要なことは、

(1)自分の免疫を適切に働かせる
(2)免疫力だけではなく、感染症などの予防やその手段など自己管理

以上の2点です。

2.免疫とは?

免疫とは複雑な仕組みです。生きものが非自己を認識・排除する仕組みを生体防衛といいます。大きく分け2つの機能があります。

(1)体内に異物が侵入するのを防ぐ防御
皮膚
角質化して分厚くすることで侵入するのを遮断する。

目・鼻・口
涙・鼻水・唾液で流す。酵素で破壊する。

気管
くしゃみ・咳などで排除。粘膜中の分質で破壊する。


酸や酵素で破壊する。

この防衛反応に加えて、手洗い・うがい・マスクの着用や、乾燥した部屋の加湿や換気、胃腸の調子が気になる人は暴飲暴食をしないなどの自己管理も大切です。

(2)自然免疫と獲得免疫
免疫は自然免疫と獲得免疫の2つに分かれます。
自然免疫は生まれつき備わっていて異物をその種類に関係なく排除する仕組みです。
もう一つは獲得免疫といい、あとから経験しその異物(抗原)をその種類に応じて排除する(適応免疫)仕組みです。
免疫の仕組みは、病原体を「食べる」、感染細胞を「殺す」、「抗体」で撃退する、の3つに分かれます。

体内で起きていることを簡単に説明すると、

① 初めてウイルスAの攻撃を受ける。
② まずは素早く直接食べにいく(自然免疫)。
③ 獲得免疫が働く。感染細胞を殺す(抗体ができるまでには数日かかる)。
④ 2度目のウイルスAの攻撃を受ける。
⑤ 自然免疫は1度目同様に素早く反応。
⑥ 獲得免疫は記憶をもとに、素早くかつ大量の細胞と抗体で撃退する。

この流れから、ワクチン接種はあらかじめ1回目で感染を疑似体験させておき、本物に感染したときに素早く獲得免疫が働くようにすることが目的です。しかし、ワクチン接種で獲得した抗体が変異したウイルスにはマッチしない場合もあります。記憶を持つクローン細胞が全てを撃退できる保証はありません。ワクチン接種も、薬物治療も、体内に侵入を許し攻撃されたときの対策です。免疫系に働いてもらう前の対策も重要です。

3.免疫力の高め方

以下に私が実践している免疫力を高める方法をまとめてみました。

(1)ウイルスや細菌を侵入させない適度な日常の予防(清潔にしすぎると抵抗力が低下)。
清潔を心がける、手荒れの少ない消毒液を携帯。

(2)質のよい睡眠(最低5時間、睡眠不足が抵抗力を低下させる)。最近は良く寝ます(平均7時間)。
寝室は寝るところ。横になって悩まない。起床の直後に朝日をあびる。

(3)ストレス対策(個々にあったリラクゼーション)。
美味しい料理を作る。

(4)腸内環境を整える(腸内環境が免疫力を左右)。
一日の食事内容だけで考えない。足りないものを翌日補う。朝晩の体重測定。

(5)適度な運動(激しい運動後は免疫力を低下させる)。
私の足りないところです(反省)。

まとめ

免疫力を高める方法は他にも多くあります。
みなさんもコロナ禍に便乗して、免疫力を高める方法を工夫し実践してみてはいかがでしょうか。

実は免疫力を高めることが「美しさ」や「若さを」保つためにも大切です。皆さんの免疫力を高める方法も教えてください。ご質問やご意見をお待ちしています。

参考)エクセル生物総合版 生物基礎+生物、実務出版
参考)「マンガでわかる免疫学」河本宏著、オーム社

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この記事は 永森博明 が書きました。


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