「財源」と「リソースの問題」について。

今の日本には、「国債を返せない」という意味での財政破綻の可能性は存在しない。言い換えると、日本には「国債を返済できなくなってしまう可能性」は完全に無い。なぜなら借替債は通貨発行権を持つ日銀に引き受けてもらえるからだ。国債を返すための国債を日銀に引き受けてもらえるのだから、国債を返せなくなるような事態は存在しない。反論に、「新規国債を引き受けてくれなくなるぞ」というのがあるだろうが、前述の通り国債を返すための国債は日銀に引き受けさせることが出来る。絶対に返ってくる借金を貸さない金融機関がどこにあるというのか。

現にこの画像の示す通り、新規国債はちゃんと人気で、発行額を超える入札額を記録している。

そういう意味で日本には「財源の問題」など無い。国債を刷れば良いのだから。ではどこに今の日本の問題があるのか、それは「ヒトとモノ」である。
言い換えるなら、現役世代不足による人手不足と、インフラの崩壊なのである。これを回避するには多少のケチも許されない。少子化対策(必ずしも子育て支援だけが良いということでは無い。人工子宮もその選択肢としてありうる。)や、インフラ整備に惜しみなく金を投じ、また今の福祉偏重をやめ、
製造業や建築業及び第二次産業の人手不足を解消していく必要があるだろう。そのためにはまず今の社会保障制度は変える必要がある。そもそも今ほど人と金をかけなくても平均年齢80歳程度なら達成出来る。「1秒でも長く生きる」という今の医療のあり方を「緩やかな老後と、人として当たり前の寿命を受けいれる」といったものに変えていかなければいけない時期がとうとう来てしまったのだ。日本には「財源の問題」は無い。だが「ヒトとモノ」の問題はある。ここから目を逸らすことは出来ないし、そんなことはするべきでは無い。「持続可能性のある社会」を実現するためには今の「福祉のあり方」を再考する必要がある。「税は財源では無い」に盛り上がっていてもしょうがない。そんなことは当たり前のこととした上で、これからの日本のあり方について語っていくべきなのだろうと思う。

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