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水戸芸術館「佐藤雅晴 尾行-存在の不在/不在の存在」展

水戸芸術館で佐藤雅晴展が開幕した。

会場入口のメインビジュアルは「バイバイカモン」。2010年の作品で、ドイツの森を背景に、おそらく日本の取手市の芝生の上で、ウサギが手を振り、クマが手招きをしている。

作品の中の芝生と、水戸芸術館の庭に広がる本物の芝生が、続いているように見える。

私は「カモン」より「バイバイ」のほうがいいな、と思う。「カモン」の手招きに応じてクマについていくと、行く先はドイツの森のはずである。
ドイツの森は、深い。いや、実際に私はドイツに行ったこともないのだが、聞くところによると、森は深くて、暗いらしい。
一度入ったら、もう元の道には戻れないかもしれない。永遠に暗い道をさまよい続けるのかもしれない。

でも、と私は思う。行ったことのない森に入れば、見たこともないものに出会えるかもしれない、と。

そう思い直して、私は「カモン」に応じて、ギャラリーへと向かう。

「佐藤雅晴展」は、1999~2019年に制作された99点のうち、64点(映像作品は全て)を展示。会期は2022年1月30日(日)まで。月曜・年末年始等休。
佐藤氏は、2010~2019年には茨城県取手市戸頭に住み、生涯の3/4の作品数にあたる73点を制作した。


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